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極めた【合気使い】の勘違い冒険譚~俺の【合気】が最強過ぎると言われてもFランク冒険者にも劣る外れスキルでしかないんだが?~  作者: 空地 大乃
第一章 道先案内人のガレナ編

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第二十八話 燃える町

「町が燃えてる……酷い」


 ガレナについてきたフランだったが、町の至るところで上がる火の手に愕然となっていた。


「フランお嬢様! どうしてこちらに!」


 声がした。ガレナが見ると一人の若い兵士が駆け寄ってくる。


「町に魔人が現れたと聞きました。今の状況は?」

「は、はい! 魔人によって建物の被害は増えております。ただ幸いなことに死者は出ておりません。騎士達の活躍によるところも大きいです」

「そうですか。それならまだ良かったです――」


 フランが安堵の表情を浮かべる。一方でガレナは周囲の状況を見ながら表情を曇らせた。


「しかし、建物などひどい状況だな」

「はい……ですが壊れた物なら直せば良いです。人の命には変えられません」


 真剣な顔でフランが答える。しっかりした考えを持っているな、とガレナは心の中で感心した。


「とは言え、被害が少ないに越したことはないだろう。合気――」


 ガレナが合気を行使すると、建物の火が受け流されガレナの下へ集まってきた。そのまま腕に絡みつく。


「こ、これは一体……」

「綺麗――」


 兵士が驚く中、フランはガレナの集めた炎に釘付けになっていた。


 こんな状況ではあるが、集まった火が螺旋回転する様子は確かに爽快で美しい。


 この瞬間、実は同時に受け流されていたのもあった。二人共ガレナに集まる火に注目して気がついていないが。


「フンッ!」


 腕を上げ鼻を鳴らすと同時に集まった火が掻き消えた。当然建物に燃え移っていた炎も鎮火している。


「こんなにも簡単に――やはりガレナの力は格別ですね」

「何。俺なんて大したことはない。世の中には俺よりも優れた人間が山程いるのだから」

「えぇ……」


 聞いていた若い兵士はそんな馬鹿な、と目を丸くさせていた。


「うぇえぇん。ママぁママぁ」

「大変。子どもが!」


 すると子どもの鳴き声が聞こえた。フランが発見し声を上げる。


「この子ども一体どこから? さっきまでいなかったような?」

「火事になっていた建物の中に残っていたようでな。危ないから受け流して外に出したんだ」

「聞いていて何が何だかわからないですよ」


 若い兵士の目が点になる。その時だった。上空から翼の生えた何者かがやってきて、子どもに強襲した。


「しまった魔人がここまで!」


 若い兵士が緊迫した声を上げる。フランも目を見開き子どもへ忠告する。


「大変! 逃げて!」

「ママぁ……え?」


 フランの叫びに反応した子どもは、頭上から近づいてくる魔人を認め固まってしまった。


 とっさのことで思考が追いついていないのだろう。このままでは子どもは魔人の犠牲になるだけだ。


「――合気!」


 しかし、この場にはガレナがいた。子どもに襲いかかった魔人はガレナの合気によって回転しながら高々と飛ばされ、ギュルギュルギュルギュルと異音混じりの回転を繰り返し地上に落下し角も折れボロ雑巾のようになって動かなくなった。


「大丈夫ですか?」

「え? あ、ありがとうお姉ちゃん」

「いえ、今のはここのガレナお兄ちゃんがやってくれたのです。凄いのですよガレナお兄ちゃんは」


 子どもにお礼を言われるもフランは、助けたのがガレナであることを強調し賛美の言葉も追加した。


 ガレナは頬を掻き戸惑っている。


「ありがとうお兄ちゃん」

「あ、あぁ。無事で良かった」


 お礼を言ってきたその姿に、やはり子どもは素直だなと感心するガレナである。


「君、大丈夫? パパやママは?」


 今度は若い兵士が子どもに事情を聞いた。すると子どもは眉を落とし答える。


「町が襲われてるって聞いて逃げようとしたんだけど逃げ遅れちゃって……うち兄弟多いから――」


 どうやら両親も気が動転して彼が残ってることに気がつけなかったようだ。


「そうか。だったら教会にいるかもしれない。今はそこが避難場所だし」

「それなら連れていきましょう」

「そうですね。それにフランお嬢様が一緒なら避難している住人たちの気持ちも楽になると思います」


 兵士がそう言って喜んだ。フランも逃げ送れた子どもの頭を撫でて安心させている。


「教会はどっちに?」


 ガレナが兵士に問うと場所を指で示してくれた。


「――そっちには危険な敵もいないから安心だ。フランもそっちに向かった方がいいだろう」


 合気を利用し周囲の気配を探ったのだろう。ガレナは教会近くに魔人らの脅威がないことを察しフランに伝えた。


「あの、ガレナは?」

「俺は俺のやれることをやる。君は君で出来る事を」


 そうガレナが答えると、フランがコクリと頷き。


「わかりました。でもガレナどうか気をつけて」

「あぁ――」

 

 こうしてフランに見送られガレナは魔人の集まっていそうな場所めがけて駆け出した――

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