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第十五話 召喚された悪魔

「まさかレッサーデーモンがこうもあっさりやられるとはな……」

「お前はミスをした。手練をスライとサリーに向かわせたばかりに、こちらにはかなり劣る悪魔を回してしまったようだからな」

「は? 貴様何を言ってるんだ?」


 ガイサが怪訝そうな顔を見せる。ガレナはチラリとだけスライとサリーを見たがレッサーデーモンと今も戦い続けていた。

 

 サリーとスライの力は別格だ自分よりも戦闘経験があり実力的にも自分では足元にも及ばない――それがガレナの評価である。


 そんな二人と渡り合っているレッサーデーモンであれば今自分が倒した相手よりも相当強いのだろう、とガレアは信じて疑っていないのだ。


「――どうやら俺も随分と舐められたようだな。ならば、いでよグレーターデーモン!」


 ガレナの発言が気に入らなかった様子のガイサが新たな悪魔を召喚した。空中に浮かび上がった魔法陣から這い出るように出現したそれはレッサーデーモンと比べ体色が黒色で体格が一回り大きい。顔つきもより雄々しくより凶悪な様子が見て取れる。


「――その一体が最後の悪魔とやらか?」

「ふん。随分と余裕なようだがこれを見ても同じことが言えるかな? 悪魔合体!」


 ガイサが更に力を行使。召喚された悪魔とガイサが重なり合い、かと思えば文字通り合体した。


 ガイサの身がまさに悪魔の毎く変化する。顔つきも悪魔の特徴とガイサの特徴とが融合したものとなっていた。


「ハハッ、これで俺は更に強くなった。言うなれば悪魔人といったところか。さぁ燃えつきろ! デビルフレイム!」


 ガイサが両手を広げると悪魔の顔が浮かび上がった紫炎の玉が周囲に幾つも浮かび上がった。


「燃えつきろ!」


 ガイサが叫び右手を突き出し悪魔の顔をした紫炎が一斉にガレナへ襲いかかる。


「ガ、ガレナ……」

「大丈夫だ――合気!」


 フランを守りつつガレナが合気と口にすると悪魔の紫炎が全て受け流され明後日の方向に飛んでいく。


 だがそれを認めた上でガイサが口元を歪めた。


「甘いぞ。その炎はどこまでも追いかける!」


 合気によって受け流された炎が軌道を変え再び戻ってきた。どうやらこの炎にはターゲットを追いかける性質があるようだ。


「むっ、こんな魔法もあるのか」


 怯えるフランを庇いつつ、ガレナが感心したように口にする。


 そして紫炎は背後に周りフランめがけて飛んできた。


「貴様も気に入らないが後々我らの障害になるのはその娘だ! 死ね!」

「合気!」


 だがフランに迫る紫炎はガレナに受け流される。だがそれでも悪魔の紫炎は執拗にフランを狙い続けた。


「無駄だ無駄だ! その炎は決して消えない!」

「そんな、ガレナごめんなさい私のせいで……」

「それは違うぞフラン。悪いのはフランではないあの魔人とやらだ。そして――俺の合気はこんな物に負けない! 合気!」


 そしてまたもガレナの合気が炸裂。しかしそれでは何も変わらない、と思われたがなんと受け流された紫炎同士がぶつかり合い大爆発を引き起こした。


「ハッ、ハハハッ! 馬鹿が! 確かにぶつければ炎は消えるだろうがその爆発の中では生きていまい! 二人纏めて殺せてかえって手間が省けたわ!」

「な! お嬢様!」

「くっ、しまったこっちに気を取られている間にこんな――」


 爆発と同時に発生した紫色の火柱を認めサリーとスライが叫び嘆いた。これだけの魔法を喰らっては生きているはずがないと誰もが思ったはずだ。


 そこに変化が起きる。紫色の火柱が回転しているのだ。敵の魔法の効果かと思われていたが行為した本人であるガイサが何より驚いていた。


「な、何だこれは? どうなってる! この魔法でこんな現象――」


 目を見開き驚嘆するガイサ。そして回転が早まり火柱が逆に巻き込まれるように集束していく。


 その中に――ガレナがいた。その背中にフランが瞼を閉じしがみついていた。


「フラン――大丈夫だ」


 ガレナが語りかけるとそっとフランが目を開け頭上を見上げた。


「こ、これをガレナが?」

「あぁ。俺が師と仰ぐ方が見せてくれた物だが――会得しておいてよかった」


 以前修行中に出会った冒険者は焚き火の炎を綿あめのように巻き取っていた。


 ガレナは彼とわかれた後も、そのイメージを目に焼き付け必死に修行しここまでできるようになっていたのである。


 紫炎はよく見ると確かにガレナの腕にも巻き付いていた。あまりに大きいため腕から螺旋状に紫炎が吹いているようにも感じられる。


「一体――何なんだ貴様は」

「俺はただの道先案内人だ。言っておくが数多の冒険者は俺なんかよりもっと強いぞ?」

「ふ、ふざけるな! 貴様みたいなわけのわからない冒険者などいてた――」

 

 全てをいい切る前にガイサが紫炎に飲み込まれた。それは己が行使した炎であったが合気によって温度も威力も遙かに跳ね上がった炎に耐えることは出来なかった。


「しっかり返してやったぞ、と言っても聞こえてないようだな。お前の敗因は破れかぶれに適当な悪魔を召喚したことだ――」

その日、あるマンションで一人の男が殺害された。

「殺されたのはWEB作家だったようです」

「なに名前はそらちだ、何だこれ?なんて読むんだ?」

「名前はともかく探偵を呼びました」

「合気探偵ナガレです」

「おお、ナガレ探偵宜しく頼むよ」

「おまかせください。見たところ被害者は片手に氷菓子を口には輪っかのついた本が咥えられているようですね」

「何かわかるかね?」

「一を知れば満を知るこの合気探偵におまかせを。この事件見事私が受け流してみせましょう」

「おお!」

「いや受け流したら駄目だろう」

「合気りました。これはダイイングメッセージ左手の氷菓子はつまり氷菓、評価ですね。そして口には本と輪を咥えている。これを組み合わせると本はブック咥えているのはつまり食う輪は丸いということで頭の文字を組み合わせるとつまりブクマです」

「つまりどういうことですかな?」

「評価とブックマークをしてくれたら嬉しいということですね」

「いや、あの犯人は……」

「これで解決ではサラダバー」

こうして合気探偵によって事件は解決した。探偵のさらなる活躍を応援したいと思ってくれたなら評価とブックマークしてくれると嬉しいのだ合気の推理はこれからだ!

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