表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
例え勝てはしない勝負でも  作者: バネ屋
16/29

#16 八木の悪知恵



 結局、八木の家まで拉致られたが、八木がシャワー浴びてる間にすんなり脱出することに成功した。


 八木がバカで助かった。



 だがしかし、これは只の一時凌ぎでしかなく、俺が彼女と別れたことを知った八木のこれからの動向には、恐怖しかない。






 翌朝、駅で降り改札を抜けると、いつもの様に八木が待ち伏せしていた。

 因みに”待ち合わせ”ではないからな

 八木が勝手に”待ち伏せ”してるだけだからな


「おはよう!栗山くん。一緒に学校行こう」


 おや?

 なんか普通だ


 と思ったのは最初だけだった。


 二人で並んで歩いていると、当たり前の様に腕組んできた。


 周り同じ高校の生徒がわんさか居る中で。



 八木、バカだけど美少女だから、一応男子の人気高いのよね

 そもそも、八木がバカなの知ってるの、俺と桑原くらいだし。


 腕組んでる俺たち見て舌打ちとか聞こえてくるし『八木暑苦しい!離せ!』って振りほどこうとするんだけど「離さないし!」ってしがみ付いて離してくれない。


 それがさ、学校に着いてもしがみついてるし、下駄箱で上履き履き替えようと腕離した瞬間ダッシュで逃げても、すぐ捕まってまた腕組まれて、結局3組の教室まで腕組んだまま連行された。



 そんでさ、衝撃的だったのがさ

 そんな八木見たら、普通の人なら異常だって思うじゃん?

 アイツ、頭おかしいよな?って

 それがクラスの連中とか「カンナちゃんってホント一途だよね」とか言ってるの


 あれは一途じゃなくて束縛だろ!しかも物理的&心理的両方の束縛!

 それに普通束縛ってお付き合いしてる恋人とかの話じゃん?

 俺、八木と付き合ってないからね!

 しつこく付きまとわれてるだけだからね!

 それをまるで「恋する健気で一途な彼女」みたいに言われると、発狂して叫びだしたくなる。マジで。







 そして八木の変化はもちろん朝だけでは無かった。



 お昼休憩になると、いつもの様に八木が弁当持って現れた。


 ところが、いつもなら隣の席のイス持ってきて横に座るのに、今日はイスを運ぼうとしない。


『ん?どした?』と声を掛けると


「栗山くん、もうちょっとそっちに寄って下さい」と。


『八木はナニを言ってるの?』


「だから!私が座れないから、もう少しそっちに寄って下さい!」


 つまり、俺が座ってるイスに座りたいから、半分空けろと。


『イヤだよ。なんで八木と密着して弁当食べないといけないんだよ』


 俺がそう言うと、八木は実力行使に出た。

 俺をズラそうと八木はお尻でグイグイ押して来て、俺の右側に無理矢理スペース作って座りやがった。


「栗山くん、さぁ食べましょう」


 いつもの様に手を合わせて「頂きます」して食べようとするんだけど、利き手側に無理矢理くっつかれてるから、すげー食べにくいの。


「あれ?栗山くん、食事が進んでいませんね? どうしました? 女の子の日ですか?」


『ちっがうわ! 八木が邪魔で右手が使いづらいんだよ!』


「あらあらそうでしたか。なら私が食べさせて差し上げましょう。さあ大人しくおクチを開けるのですよ?」あーん


 もうヤダ

 怒っても嫌がっても逃げても、八木、見逃がしてくれないんだもん


 しかもこの丁寧な口調、絶対最初からココまで企んでたに違いない

 俺の右手封じて、()()()するところまでが八木の計画だろう


 コイツ、バカなのにこういう悪知恵が働くんだよな

 ソコがまたイラっとする




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ