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それでも私は自由に生きる


名前 ソラ 年齢16

タイプ HY 点数88点 誕生日7/7中1位

瞳の色 青


この星では、産まれた瞬間に星の子となり、星の施設へと預けられる。

オヤと呼ばれるものが選んだ施設で成人になるまで過ごすため、この教室で席に座っている兄弟達もまさに産まれた時から知っている子達ばかりなのだ。

だから私は知っている。この88点がいい方ではあるけれどすごく良い点数では無いことを…!


「エル…何点だった?」


「100」


「やっぱり!流石!すごい!」


その言葉の勢いで机に頭をうったが、いつもの事なので教室の誰も気にしやしない。


「ソラ、大丈夫?」


「う、うん…大丈夫!」


「もう、だめだよ勢いのまま体動かしちゃ。」


「ありがとう、エル。」


彼女以外は。よしよしとうった頭を心配そうに撫でてくれる隣に座る天使は、仲良しのエルである。珍しいタイプH型で銀髪で金色の瞳の超絶美人だ。おまけにすごく優しい。

彼女が100点以外をとったのを見たことない。先生達より頭がいいんじゃないかレベルの子である。

撫でられてにこにこしていたら、エルの向こうから無言でテスト結果用紙を見せてくるクロの紙にも100の数字が記されていて聞いてないけど悔しい!ともう一度自分の用紙を見た。

そういえば今年から何やら誕生日にも特別な意味があるとかで、誕生日の中での順位も記載されることになったんだっけ。

まあ左2人が普通じゃないとは知っているので、100点をとる人はそういないとは知っているが、88点で誕生日中1位は不思議である。他の子が調子悪かったか、私の誕生日はあまり成績が良い子がいる誕生日では無いのだろうか?


「私の誕生日って人数が少ないのかな?」


「順位良かった?」


「うん、ねえ、エルの誕生日のとこみせて!」


「え。」


100点であるのだからもちろん1位なんだろうけど、どんな風に書かれているのか気になって、封筒の方を見るとそれを抱えて私の誕生日は…と目を伏せて口にした。


「怪獣がきてオヤを食べちゃったの、その怪獣が私も食べようと…」


「あー!ごめんごめん!エル!申し訳ない!そうだった!誕生日思い出したくないんだよね!ごめん!」


「ふふ、いいよ。」


小さい時、私の誕生日を祝ってくれたエルにエルの誕生日を聞いた時、打ち明けてくれた壮絶な誕生日。記憶力が良いエルは産まれた時の記憶からずっと今までの記憶があるらしく、その日を覚えているらしい。本当でも嘘でもいい思い出では無いんだろうということはわかっていたのに、うっかり口にしてしまうなんて私のバカ!ごめんなさいの気持ちを込めてエルに抱きついて頬ずりしたらあまりにすべすべで柔らかくて離れたくなくなったのでしばらく堪能するか、とエルの肩に顎を落ち着けたら、目の前に現れた紙に驚いた。



〘 名前 クロ 年齢 16

タイプ YZ 点数 100 誕生日 6/6中1位

瞳の色 黒 〙



これを見せつけてどうするつもりだ。

名前の横の写真が端正な顔立ちであることも何故か腹が立つ。

私が見たであろうことを確認してか、その紙をずらして私を見てくる実物の方が写真よりイケメンでまたさらにイラッとした。

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