いざ稽古開始?しかし鍛冶部族(ドワーフ)たちの姿はどこにも見当たりません。
「よし、着いたぞ。」
鍛冶部族たちの稽古場らしき場所に来るとボルガンさん足を止めた。
「えっ・・・あのすいません。他の鍛冶部族の人たちはどこですか?」
鍛冶部族との稽古に向けて心の中で意志を固めてきた私はボルガンさん以外の鍛冶部族の姿がない事に驚きを隠せなかった。
「おいおいどう言う事だよ?散々待たせておいていざ準備が出来たとか言って連れてきたら誰もいない。いくら何でも馬鹿にするにもほどがある・・・。」
「いや馬鹿になどはしておらんよ。と言うか稽古はもう始まっている!!」
「えっ!!何だ・・・。」
マットがボルガンさんに向かってそう言いかけた時だった。
「みんな何か来るわ!!固まって戦闘体勢をとって!!」
ヒューーーン!!
「結界発動!!」
ムクトが急いで私たち5人を覆うように結界を張る。
「危ない・・・危機一髪だったわ。」
ムクトの結界により四方八方から飛んできた投斧がはじき返されその場へと落ちた。
「ちょっとちょっといくらなんでも行き成り過ぎるんじゃないの?私たちまだ戦闘体勢にすら入ってなかったのに。」
トゥリーヤがボルガンさんに向かって文句を言う。
「何をこれしきの事で狼狽えているのだ?正直ギュルシュ大盗賊団との戦闘になったらこんな事当たり前だぞ。と言うかこのままではお前たちの負けはすぐに決まるがな。」
ボルガンさんはそう言うと稽古場の特等席に座り私たちの様子を見ながらそうつぶやく。
「どうやらギュルシュ大盗賊団と闘うって事は相手の姿が見えない相手と闘わなくちゃいけないって事になるね。」
アークがそう言いながら恐らく何らかの方法で姿が見えないようになっている。鍛冶部族たちに警戒しながら辺りを見回す。
「ライリィーここは雷魔術スキルで一気に相手を感電させて鍛冶部族たちが姿を消している姿を現させてやろうよ。」
「うん!!トゥリーヤ私やってみるね。」
(鍛冶部族の人たちが姿を消しているのは恐らく姿を消す防具か何かを装備しているからだ・・・・それならあの雷魔術スキルを使えば・・・)
「雷魔術スキル雷粒子波!!」
私は辺り一面に魔魚族たちとの戦闘の時に使った魔術スキルを発動した・・・しかし。
「えっ!!何の反応もない!!」
「いやー気分爽快だねぇー。」
「俺たちにとってはそんな小細工みたいな魔術スキル、ダメージどころかむしろ体力回復効果しかないぜ。」
姿は見えないが辺り一面からたくさんの鍛冶部族たちの笑い声が聞こえてくる。
「な・何なんだよ、ダメージはおろかむしろ回復してるって!!」
「向こうが少しでもダメージを受けて姿を現せれば僕たちも闘いようがあるんだけど・・・このままじゃ本当にどうしようもないね・・・・。」
「うーん!!鍛冶部族って言うから武器や防具を作ってて魔術スキルとかには弱いとか思ってたけど・・・これいくら何でも反則じゃないの?」
鍛冶部族たちの姿が見えない事に皆も戸惑い始めている。
「ライリィー・・・正直このままだと私の結界が通用しない可能性も出てくるかもしれないわ。」
ムクトがそう言いながら渋い表情を浮かべる。
「はっはっはーそれじゃ仕方がない。こちらは時間を30分やるからそれまでに我々の正体を現させてみせろ。それで良いですよねボルガン様!!?」
特攻長ディロスの声がボルガンさんに確認をとる。
「あー稽古だしそれでよかろう。若い冒険者パーティー一行よさあどうする?」
ボルガンさんはそう言うと私たちの方に目を向けた。
(うぅーどうしよう攻めて相手がどの位置にいるかわかれば正体を現せさせる事が出来るんだけど。)
私は何か良い方法がないかを頭を巡らせて必死に考える。
「ったく相手の位置が分かれば俺の強奪のスキルで相手の装備剥ぎ取れるのによ。」
マットがそう言うと悔しそうな表情を浮かべる。
(相手の位置・・・装備を剥ぎ取る・・・!!!)
マットのこの言葉を聞き私はふとある良い作戦を思いついた。
(もしかしたらうまく行くかもしれない。マットと私のスキルを使えば!!)
私は心の中でそうつぶやくとある作戦を思い浮かべるのだった。




