鍛冶部族(ドワーフ)たちとの稽古の待ち時間の私たちの会話
同刻鍛冶部族の集落
「何だよ稽古をつけてやるとか言っておきながらあいつら用事があるってどこか行っちまったぞ。」
マットが不満を口にする。
「うーん何か稽古をつけてくれてありがとうございます!!って私たちが言ってすぐちょっと重要な用事が出来たとか言ってどこかに行っちゃったね。」
トゥリーヤはそう言いながら欠伸をする。
「き・・きっと私たちの稽古に向けての準備をしてるんだと思うわ・・・だけどたしかにちょっと遅いわね。」
マットとトゥリーヤにそう言いながらもムクトも少し待ち疲れたような表情を浮かべる。
「ボルガンさんを筆頭にした鍛冶部族の稽古っていったいどう言う稽古なのかな?正直僕らは馬車を囲まれた時点で正直ほとんど反撃出来ず、結果ここまで連行される事になった。恐らくあの時の鍛冶部族たちは本気を出していなかっただろう。それを考えると僕は正直不安な気持ちが抑えられないんだ。ライリィーはどう思う?」
必要以上に不安を抱えた感じでアークが私に訊いてくる。
「正直私も不安な気持ちはあるよアーク。だけどあの時の私たちは無意味に戦闘しても仕方がないから結果的に連行されたって事も少なからずはあったよね?つまり私たちもまだ本当の意味での全力をボルガンさんたち鍛冶部族の人たちには見せてないと思うの?他のみんなはどうかな?」
私はアーク以外の3人に訊ねる。
「まあライリィーの言う通り俺たちの全力を鍛冶部族の連中は知らないって言うのはたしかだろうな。」
「私も鍛冶部族たちに正直全く歯がたたないなんて思ってもないしね。」
「鍛冶部族が気がついてるかは分からないけど私の結界のスキルはまだ使ってはないわね。」
私の問いかけにアーク以外の3人が思っている事をそれぞれつぶやく。
「そ・そうだねそれにライリィーの魔術スキル・・・特に雷の魔術スキルはすごいもんね。」
「それだけじゃないわアーク、ライリィーはまだためしてはないけど他の火、水、風、樹の4つの魔術スキルも使えるはずだわ。そうよねライリィー?」
「えっ・・・うん自信はあまりないけどセイエス街でヴィルトの巣の小火を水の魔術スキルで消した頃からひそかに少しずつだけど他の属性の魔術スキルの練習もやってたんだ。まさかムクトに気がつかれてるとは思わなかったけどね。」
ムクトにひそかに雷以外の他の魔術スキルの練習をしていた事を言われ私はテレ笑いを浮かべる。
「なっ!!マジかよライリィー!!」
マットが驚きの声を挙げる。
「ライリィー私も何となく分かってたよ、だってライリィーは努力家だもんね。」
「おいトゥリーヤお前絶対知らなかっただろう?」
「どこかの変なお面を戦利品として自慢して問題を起こしたのは誰だっけ?」
「何だとトゥリーヤてめぇーはいつもいつも一言・・・・。」
マットとトゥリーヤのいつものやり取りが起こりそうになっているその時だった。
「すまない、みんな待たせたな。」
「ボルガンさん!!」
私たち全員がボルガンさんの方に目を向ける。
「何だか随分にぎやかだったが何かあったのか?」
ボルガンさんは少し驚いたような顔で私たちの方を見回した。
「おい!!待たせたなじゃねーよ。よくも稽古をつけてやるって言ってから待たせやがったな。」
「ほんとだよ。仮にも緑樹族の族長の娘であるこのトゥリーヤ・ユラシルを待たせるなんて。」
マットとトゥリーヤが口々にボルガンさんに文句を言う。
「ちょっと2人とも失礼だからさ・・・すいません。ボルガンさん。」
アークがボルガンさんに謝罪する。
「なになに構わんよ、実際こちらの準備がかかったのは事実だしな。」
ボルガンさんはそう言うと気にしてないと言った顔で笑う。
「鍛冶部族族長ボルガン様、この度は私たちに稽古の提案をして下さり本当にありがとうございます。・・・しかしこれだけはお伝えしておきますが、私たちはあなた方鍛冶部族が思っているよりも強いと言う事はたしかですと言う事を前もってお伝えしておきますわ。」
ムクトが丁寧ながらもしかししっかりと宣言をした。
「ムクトのお嬢さん、本当に最年少とは思えないくらいしっかりしとるのお。」
「あ、あのボルガンさん、私たち鍛冶部族の皆さんの肩を借りるつもりで全力でぶつかります。よ・よろしくお願いします!!」
「おっとムクトのお嬢さんだけではなかったなライリィーのお嬢さんも負けずをとらずしっかりしとる。」
ボルガンさんはそう言うと私の目をみて頷く。
「それでは長らく待たせたな。今から我ら鍛冶部族の稽古場へと向かうついて来てくれたまえ。」
ボルガンさんはそう言う後について来るように言って歩き出す。
(結構待たされたけど・・・これからギュルシュ大盗賊団との戦いに向けた本格的な稽古が始まるんだ。・・・なんとしても頑張らなくちゃ!!)
私は心の中でそう自分に言い聞かせて鼓舞するのだった。




