ギュルシュ大盗賊団とワーブス紅石(ルビー)
「お、魔術師見習いの娘これは世界五大宝石の内の二つ、ホルスカ緑柱石とサーシェル真珠ではないか!!」
ボルガンさんは驚いたような顔で私の方を見て来る。
「あ、紹介が遅れました私ライリィーって言います。ホルスカ緑柱石は緑の洞窟、そしてサーシェル真珠は人魚族の長クインシアさんの娘さんシーフィリアさんを魔魚族から救い出したお礼としてもらいました。」
私はボルガンさんに入手した経路を話した。
「そ・そうか・・・ホルスカ緑柱石は知らなかったがサーシェル真珠を人魚族のクインシアが持っているのは知っていたがそれをそなたたちに預けるとはな。」
ボルガンさんは少し考えたように黙りこむとやがてこう口を開いた。
「我々鍛冶部族は武器や防具を作る時に赤胴結晶と言うものを使うんじゃ、そしてそれは同盟を結んでいる五大種族の放炎族も同じだ。我々は良質な武器、防具を作るためにたくさんの赤胴結晶を手にとある場所に通っていた。しかしそんな中ギュルシュ大盗賊団が我々の前に立ちふさがったんじゃ。」
「おっおいどう言う事だよ?どうしてギュルシュ大盗賊団はあんたら鍛冶部族の元に現れて何をしたって言うんだよ?」
ボルガンさんの話にマットが口を挟む。
「マット恐らくだけど赤胴結晶が高価な物だからそれを奪おうとしたんじゃないかな?違いますかボルガンさん?」
口を挟むマットをとめてアークがボルガンに訊ねる。
「いえアークそれは考えにくいわ。私の記憶が正しければ赤胴結晶は武器や防具に使われる素材としてはそれほど高価な物じゃないはず。」
アークの言葉にムクトが説明する。
「ムクトのお嬢さんの言う通りだ。赤胴結晶は武器や防具の素材に使われて初めて意味を持つ物になる。」
「あのーじゃあさなんでギュルシュ大盗賊団はそれを盗んで行くの?」
トゥリーヤが疑問に思った事をずばりと言う。
「それなんだが、ギュルシュ大盗賊団の連中はこう言ったんじゃよお前らの運んでるそれは世界五大宝石のワーブス紅石だろう?・・・と。」
「えっ!!ちょっと待って下さい。世界五大宝石って言ったら僕たちが集めてる奴の1つですよね?
もしかしてあなた方鍛冶部族がそれを手にしていると言う理由ではないんですか?」
「アーク青年よ、残念ながら我々鍛冶部族はワーブス紅石は所持しておらん、同盟を結んでいる放炎族も同じじゃ。ただ我らが作る武器や防具をギュルシュ大盗賊団の奴らは根こそぎ奪って行くため我々は生活に困り果てているのじゃ。」
「ちょっと待てよ、あんたら鍛冶部族って俺たちをここに連行して来るくらの力と人数があるならギュルシュ大盗賊団にだって簡単に勝てるんじゃないのか?」
マットが疑問に思っている事ボルガンさんにぶつける。
「マットの言う通り、トゥグル街で戦ったのがギュルシュ大盗賊団の一味だったとしたら5人だけだったけどそんなに強くないはず。もしかして・・・ギュルシュ大盗賊団の中にとてつもなく桁違いに強力な人物がいるとか?・・・・となるとギュルシュ大盗賊団だけにギュルシュって人物が。」
「たしかにギュルシュ大盗賊団と言うだけあって頭のギュルシュは強敵じゃじゃがギュルシュ以外にも数人桁違いに強い輩が何人かいる。それで奴らは世界五大宝石を最終的に全部集めようとしているみたいなんじゃが未だに1つも入手できておらん中、唯一情報としてもっているのがワーブス紅石なんじゃ、ただしもし他の世界五大宝石をすでに2つも手にしていると言うお主らの情報がばれたらお主らもただでは済まされぬとてつもなく危険な目に会う事になるじゃろう。」
ボルガンさんはそう言うと重く悩んだように沈黙した。
(なるほど、世界五大宝石を2つも所持してる私たちに危険が及ぶ事をボルガンさんは心配しているんだ。だけど、ワーブス紅石の事とは何のかかわりもない鍛冶部族の人たちが被害を受けるのってどうしても見捨てておけない・・・!!)
「あ、あのボルガンさん!!」
「どうしたライリィーのお嬢さん?」
私の突然の声にボルガンさんが少し驚いたような顔をした。
「私たちでギュルシュ大盗賊団退治をします!!」
「!!!何をおっしゃるライリィーのお嬢さん私の話を聞いていなかったの・・・。」
「もちろんただ闇雲に退治しに行く理由ではありません。鍛冶部族の皆さんに私たちの戦闘訓練の稽古をつけてもらいたいんです!!そうすればギュルシュ大盗賊団も退治出来ると思います。いやしてみます!!」
私はしっかり堂々とした態度でボルガンさんに言い放った。
「あーライリィーらしいね。その話この私五大種族緑樹族の族長の娘トゥリーヤ・ユラシルも乗った。」
トゥリーヤが勢いよく立ちあがる。
「ライリィーはいざ言い出したら聞かないから・・・それに私もこのままにしておくのは正直気持ちがすっきりしないわ。」
トゥリーヤに続きムクトも声を挙げる。
「うん!!そうだね困ってる人を見過ごすのは騎士道に反するよまだ見習いだけどその辺の勇気を僕は皆に教えてもらったからね。」
「って事なんですよ。俺たちのパーティーは何だかんだ言って5人が一蓮托生。今までだって大変な事も何度も乗り越えてきたんだ。さて後はどうするかはあんた次第だぜ鍛冶部族の長ボルガンさんよ?」
マットはボルガンさんに向かって啖呵を切った。
「・・・・・なるほど曲がりなりにも世界五大宝石を2つも手に入れてきた冒険者パーティーただ者たちではないと言う事か。」
ボルガンはそう言うとゆっくりと立ち上がりそしてこう言った。
「そなたたちのその心意気かった!!我々鍛冶部族が戦闘訓練の稽古をつけよう。ギュルシュ大盗賊団を退治するためにな。」
「あ、ありがとうございます!!」
私たち5人はそれぞれボルガンさんにお礼を言う。
こうして私たち5人は鍛冶部族の戦闘訓練を受ける事になるのであった。




