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マットの手にしたお面は曰く付きでした。

「いやぁー快調、快調。」


馬車の助手席に座りながらマットが機嫌よさそうに笑っている。


「マット、トゥグル街を出てから物凄くご機嫌だね。まあキシリシュタイン王国に向けて順調に進んでいるから気持ちは分からなくもないけど。」


運転をしながらアークがつぶやく。


トゥグル街を出発した私たちは一刻も早くキシリシュタイン王国に到着するためにさらに北を目指していた。


「何か目標金額が5億パシットって分かって私少しほっとしちゃったよ。」


私はそう言いながらトゥリーヤとムクトに話す。


「安心するのは早いと思うわライリィーどの道膨大な金額には変わらないんだもの。気を引き締めていかなくっちゃ。」


「あっ!!うんそうだね。ムクトありがとう。」


私はムクトにお礼を言う。


「うーーんだけど5億パシットってやっぱりどこかで聞いた事があるような・・・。」


昨日に引き続きトゥリーヤが難しい顔して考えこむ。


「おい!!トゥリーヤお前の頭じゃいくら考えたって無駄だと思うぞ。」


マットが後ろを振り借りながら意地悪くトゥリーヤの方を見る。


「へーんだ。変なお面をつけてるようなお馬鹿さんの言う事なんて聞き耳もちませーん。てかマットなんでそんな変なお面なんかつけてるの?最初は面白そうだと思ったけどもう飽きたよ。」


「なっ!!トゥリーヤ俺がひそかに手に入れた戦利品にけちつけるのかよ!!」


このお面と言うのは昨日の柄の悪い集団との戦闘でマットが盗賊のスキル強奪スティールを使い奪いとった物だった。


「たしかにそんな変なお面をつけてると変な人に見られるかもしれないわね。」


「むっムクトてめぇーもか!!なぁーライリィー・・・ライリィーなら分かってくれるよな。」


マットはそう言うと期待の眼差しでこちらの方を見て来る。


「あっあはは・・・ごめんマットやっぱり変な人に見える。」


私は申し訳なさそうにマットに頭を下げる。


「ら・ライリィーお前もか!!」


マットが落ち込んでそうつぶやいたその時だった!!


「みんな!!待って!!何か来る!!」


馬車を運転していたアークが私たちに注意をよびかける。


「えっ!!」


ヒューン!!


「マット!!馬車を急停車させるよ!!防御を頼む!!」


「おっおう!!」


飛んできた物をマットが毒短剣ポイズンダガーで叩き落とす。


「これは・・・投斧トマホーク?」


マットが叩き落とした物をみてムクトが叫ぶ。


「誰だよ!!危ないじゃないかー!!」


トゥリーヤが弓矢を構えて戦闘体勢をとる。


私もトゥリーヤにならい同じく援護の体勢をとる。


「一体誰が!!」


アークも剣を構えて馬車から降りる。


「お前たち・・・ギュルシュの大盗賊団だな?」


「えっ!!待ってあれって・・・。」


私は声の主の姿を見て言葉が止まる。


鍛冶部族ドワーフね。」


私の変りにムクトがつぶやく。


「一体何の話だ?ギュルシュの大盗賊団なんて俺らは知らね・・・。」


「嘘をつくんじゃない・・・お前のつけてる仮面がその証拠だ!!」


「なっ何だって!!」


お面をかけてるマット自身が驚きの声を挙げる。


「待って下さい。これはトゥグル街で柄の悪い集団と闘った時に彼が手にしたアイテム何です。」


驚いているマットに代わってアークが説明する。


「ふん信用出来ないな。そのお面は紛れもなくギュルシュの大盗賊団の一員である証だ。」


投斧トマホークを投げた鍛冶部族ドワーフはそう言うと何やら合図をした。


「なっこの人数は・・・!!」


「すっかり周りを囲まれてるね。!!」


何と私たちの馬車の四方八方を50人余りの鍛冶部族ドワーフたちが囲んでいる。


「抵抗しても無駄だ。おとなしく我らの集落に来てもらうぞ。」


鍛冶部族ドワーフたちはそう言うと一斉に馬車の周りに近づいてくる。


(ど・どうしようもしかしたら私が五大種族の天雷族の長の娘だって言えば・・・だけどそれは出来ないし・・・)


「ちょっと待て鍛冶部族ドワーフのおっさん共私は五大種族が1つ緑樹族族長の1人娘トゥリーヤ・ユラシルさ。」


「緑樹族?あーあの長耳族エルフたちと同盟関係にある奴らか。」


「な・長耳族エルフ?何だよそれ?」


トゥリーヤが初耳だとばかりに鍛冶部族ドワーフに聞き返す。


「全く話にならんな。とにかくその馬車共々我らの集落に来てもらおう。」


「くっそ・・・だけどこの人数相手にしても到底勝ち目がねぇー。」


「とりあえず一生懸命話して僕らがギュルシュの大盗賊団じゃない事を伝えるしかないね。」


「えーアークの言う通りだわ。」


「わかりました。鍛冶部族ドワーフの皆さん私たち大人しく集落まで連行されます。」


「よし・・・健全な選択だ。皆この5人と馬車を集落に連行するぞ。」


「おう。」


こうして私たちは鍛冶部族ドワーフたちの集落に連行されるのであった。

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