野菜果実アイテム発掘協定
「よし種を植えたよ!!」
私は皆に声で合図を送った。
「よしそれじゃ俺たちが肥料を撒くかアーク手伝ってくれ!!」
「わかったよマット!!」
マットとアークの2人が私たち3人が集めた肥料アイテムを撒いて行く。
「えーと角兎の糞に小蜜蜂の巣・・・それからこれは珍しい巨大熊の爪ですか・・・。」
撒かれて行く肥料アイテムを見ながらパウムが驚いたような顔をする。
「へっへんどうパウムこの巨大熊を倒したのは私とライリィーの連携プレイなんだよね。」
トゥリーヤが自信満々に胸をはる。
「肥料撒き終えたぜ!!」
「それじゃ水をあげる番だわ。私たち3人が取って来た透明水を。」
ムクトがそう言いながら3人で汲んできた透明水を畑一面にかける。
「これで一通りやれる事はやったけど、この練南瓜ってどれくらいで収穫出来るようになるんですか?」
私はパウムに訊ねる。
「本来の普通の土地とかだったら収穫まで半年くらいはかかるはずだけど、このプラタナの森と後緑樹族の力があれば大体1か月くらいで収穫出来るかな?」
「1か月!!マジかよ!!それってかなりすごい事だぞ!!」
パウムの説明にマットが驚いたような声をあげる。
「まあそれはあくまでも練南瓜に関してです。それでもどの野菜も果実も普通の土地で育てるよりはかなり早く育ちますよ。」
パウムはそう言うと優しそうに笑った。
「あのさパウム、私たちライリィーのお金集め計画のためにまた冒険の旅に出る事になるんだけど、
もし旅の途中で何か良い野菜や果実の種が手に入ったら伝書鳩で送った方が良いかな?果実園に赤林檎だけだったのは流石にさみしい気がしたからさ。」
「そ・そうですね。本来僕ら緑樹族は自分たちの自給自足のために野菜や果実を育ていたのでそれを納品してお金にしようとする考えはありませんでした。ただライリィーさんのお金集め計画を聞いたらたしかに、育てる野菜や果実はある程度多ければ多い方が良さそうに感じました。」
トゥリーヤの言葉を聞きパウムが答える。
「あの私たちが冒険している途中でもし良い水アイテムや肥料アイテムが手に入ったらそれも伝書鳩で送ると言うのはどうかしら?」
「ムクトそれ良い!!ナイスアイデアだよ。」
私はムクトの提案に賛成する。
「あのー皆ちょっと良いかな?」
アークが手を挙げて発言しようとする。
「うん?どうしたのアーク?」
私はアークの方に目を向ける。
「いや、僕たちが冒険の旅にでている間の畑の管理とかってやっぱり緑樹族の人たちに任せちゃうのかなって思って・・・それがちょっと悪いなって気がしてね。」
「アークの言う通りたしかにそうだな。」
アークの言葉にマットが頷くとマットは私の方に顔を向けた。
「ライリィーこれはお前のお金集め計画だ。俺らはそれに協力する事に異論はない。だけど緑樹族の人たちにたのむのはちょっと違う気もすると思う。」
「えっえーとうん、それだとたしかにアークやマットの言うように自分たちの力でお金を稼いでいるとは言わないかも・・・。」
マットの発言に私は少し沈黙する。
「アークさん、マットさん、僕たち緑樹族の事を考えて下さりありがとうございます。だけどその点に関しては大丈夫です。」
「パウム・・・・だけどな。」
「それではこれならどうでしょうか?この世の中には五大果実五大野菜と言う全部で十の伝説の果実、野菜が存在します。他の野菜や果実もそうですが、もしそれら五大果実五大野菜の種が手に入ったらこの緑樹族の郷に伝書鳩で送っていただくそれにより緑樹族の郷がより豊かになって行くように協力して下さる、所謂野菜果実アイテム発掘協定と言うのは。」
「野菜果実アイテム発掘協定ですか・・・たしかにそれなら良いかも知れないね。」
パウムの提案にアークが頷く。
「それならこちらも一方的に緑樹族の皆様にまかせっきりと言う事にはならないわね。」
アークに続きムクトも頷く。
「パウムあんたって天才だね。お姉ちゃん全くそんな事考えもしなかったよ。」
トゥリーヤがケラケラ笑いながらパウムの背中を叩く。
「どうするライリィー?決めるのはお前だぞ。」
マットがそう言って私の考えを求めてくる。
「わ・わかりました。野菜果実アイテム発掘協定を結びましょう。」
私は自分の中で深く考えた後にパウムの方に向けて手を差し出した。
「はい、よろしくお願いします。ライリィーさん。」
パウムは笑顔でしかししっかりとした目力で私の手を握りがっちりと握手をした。
「そ・それじゃ一度スタット街に戻るぞ。」
「うんそうだねマット。緑樹族の皆さん、畑を耕すの楽しかったです。」
「今度お会いする時はゆっくりお話などしてみたいと思いますわ。ありがとうございます。緑樹族の民の皆様。」
「それじゃ皆行って来るねー!!!」
マットの合図と共にアーク、ムクト、トゥリーヤがそれぞれ緑樹族の民にお別れを言う。
(野菜果実アイテム発掘協定か・・・なんだか大がかりな事になってきたな。)
緑樹族の民たちとの別れを惜しみつつ私は心の中でこれから先の事を考えるのであった。




