対決怪盗ケッシュ・リマ
「ところで1つよろしいかしらドランドさん?」
「何ですかな?」
何かを訊ねようとするムクトに対してドランドさんが返事を返す。
「仮に怪盗ケッシュ・リマを捕まえたとして最初の約束だと取り返した作品と守り抜く事になる、絵画猫妖精の涙両方私たちが手にすると言う事になるのだけれどそれでも良いのかしら?」
「そう言えばムクトの言う通りだね・・・ドランドさんそう言う事で良いの?」
ムクトの言葉に続けてトゥリーヤがドランドさんにそう訊ねる。
「ちょちょっと2人ともたしかにそうなるけどそれじゃあまりにもドランドさんに悪いんじゃないかな?」
「ま・まぁーたしかに最初の約束から行くとそうなるけどそれじゃ俺たちの方があこぎな冒険者パーティーって感じになっちまうな。」
アークとマットが心配そうな顔でドランドさんの方を見る。
「う・うーんたしかにそれとしては私としても少し困りますな・・・ただたしかに最初の約束ではそちらの言ってる通りだし、うーーーん。」
ドランドさんはそう言うと困ったような表情を浮かべる。
「ねぇーここはライリィーに決めてもらおうよ。」
「えっ!!」
トゥリーヤの突然の不意打ちに私は思わず驚きの声を挙げる。
「そ・そうね。たしかにそれが一番良いかもしれないわ。」
「ええっ!!」
ムクトの追い打ちに私はさらに驚きの声を挙げる。
「たしかにそれは良いと思う。ライリィーならそんなあこぎな事は言わないと僕は思うからね。」
「えええっ!!!」
「そうだな、ライリィーお前としてはどうなんだ?」
アークとマットもこちらに注目して来る。
「わ・私は・・・・。」
私は躊躇しながらも必死で頭を巡らせる。
「もし、私たちが怪盗ケッシュ・リマを捕まえたら盗まれた作品は全部ドランドさんの元に戻します、ただ・・・本当に申し訳ないんですけど絵画、猫妖精の涙だけは私たちに下さらないでしょうか?」
私は申し訳なさそうにドランドさんに頭を下げる。
「うっ・・・うーーーーーん。わ・わかりました。その話で手を打ちましょう。」
ドランドさんはかなり難しい顔をしていたが仕方がないと言った感じでそう答えた。
「おおライリィー謙虚なふりしてちゃっかり大きな利益の方を取ったね。」
「まあーライリィーの事だから、盗まれた作品全部と答えるかもしれないと思ったけど、やっぱりライリィーのお金集めにはシビアな問題が含まれてるのね。」
「ライリィーって・・・・以外に大胆なところは大胆なんだね。」
「あーアークたしかにその通りだな。」
私の発言に称賛するトゥリーヤに少し驚くムクトとそれに対して末恐ろしそうな顔で話すアークとマットがいる。
「あ・あの皆さん、猫妖精の涙を渡すのはあくまでも怪盗ケッシュ・リマを捕まえての話ですからな。」
取らぬ狸の皮算用をしている私たちに対してドランドさんが忠告する。
「わ・分かってますドランドさん俺たち今晩絶対にケッシュ・リマを捕まえてみせますから。」
「よ・よろしくたのみましたぞ・・・。」
こうして私たちは怪盗ケッシュ・リマを捕まえるべくいつものように警備に当たるのであった。
その日の晩
「ふふふあったあった絵画、猫妖精の涙これこそがアタイが一番手に入れたかった作品・・・さてさっさと帰るとするかね。」
「そうはさせないぞ!!怪盗ケッシュ・リマ!!」
「なっなにぃ!!」
マットの掛け声と共に暗かった部屋全体の明かりが一斉にばっとついた。
「悪いけど僕たちに掴まってもらうよ。いこうマット。」
「おうアーク!!」
アークとマットが縄を持ちながら怪盗ケッシュ・リマを捕まえにかかる。」
「ふん、そうわいかないね!!」
ケッシュ・リマはそう言うと物凄いスピードで2人を振り切った。
「それも計算の内だわ。結界発動!!」
「遅いよ!!」
「な・なんですって!!」
ムクトが結界を発動する前にケッシュ・リマはそれを突破する。
「へへんアタイの足の速さは超一流なのさ!!」
ケッシュ・リマはそう言うと入口に向かって走って行く。
「へぇーそれは楽しそうだねそれじゃ私と鬼ごっこだ。」
「なにっ!!」
入口のところに待機していたトゥリーヤがそう言ってケッシュ・リマの行く先をふさぐ。
「ねぇーケッシュ・リマあんたが盗んだドランドさんの作品って一体どこにあるのさ!!」
「盗んだ作品だって?あれは元々全部ドランドの奴が不法なやり取りして入手した物さ!!」
「嘘をつくんじゃないよ、他のコソ泥が言ってた、ドランドのとこの絵画は稼げるって!!」
「コソ泥だって?それはドランドが不法な取引で手に入れた物を取り返した謝礼が稼げるって意味の事さ!!」
「な・何だって!!」
「隙あり!!」
「あっ!!しまった。」
一瞬の隙をついてケッシュ・リマがトゥリーヤの事を振り切って入口へと猛ダッシュする。
「へへんこれで猫妖精の涙は無事取り戻して・・・。」
「待って下さい。ケッシュさん。」
私はケッシュ・リマの前にゆっくりと進み出た。
「その猫妖精の涙は偽物です。」
「なに、そんな事は・・・!!!」
私に言われケッシュ・リマは自分の手にした絵画を見る。
「本物の猫妖精の涙はこちらです。」
私はそう言うとドランドさんから預かった本物の絵画・猫妖精の涙を見せつけた。
「な・アタイとした事が・・・だけどそれなら一瞬でもらうまで!!」
ケッシュ・リマはそう言うと躊躇なく私の方に向かって行こうとした・・・しかし!!
「なっなんだか身体全体がピリピリして思うように動けない。」
ケッシュ・リマはそう言うとその場に座りこんだ。
「マット、アーク縄をお願い!!」
「おう!!」
「ライリィー今行くよ。」
こうして私たちは無事に怪盗ケッシュ・リマを捕まえるのであった。




