ヴィルトの巣からの贈り物と新たな冒険へ
「アークさん疲れたら俺が運転変わりますからね!!」
「うんありがとうマット君」
馬車の運転席でのマットとアークさんの会話が聞こえる。
数時間前 セイエス街冒険者ギルド
「よしパーティー登録完了!!」
マットがパーティー申請の最後の一枠にアークさんの名前を書いた。
「これでアークも私たちと同じパーティーの一員だね。」
トゥリーヤがうれしそうに豪快に笑う。
「アークさん良いんですか?私たちのパーティーに加入してもらっちゃって。」
私が心配そうな面持ちでアークさんに訊ねる。
「うん、皆が僕の事を助けてくれたからね。今度は僕が皆のために力になりたいんだよ。」
心配そうに尋ねる私にアークさんは優しく笑いながら答えた。
「昨日の夜、カヌシュおじさんとエーネルおばさん、そして他の子どもたちにもちゃんと話して了解をもらってるから大丈夫だよ。」
「はははそう言えばアーク、私たちが話している時、ヴィルトの巣の皆に声をかけてたもんね。」
「おーいアーク!!それから皆さんいるか!!」
冒険者ギルドの扉を開けてカヌシュさんとエーネルさん、そして子どもたちが全員やって来た。
「よかったまだ皆旅立ってなかったみたいだね。」
カヌシュさんはそう言うと安心した顔をした。
「カヌシュおじさんどうしたんですか?」
アークさんが驚いたように訊ねる。
「いや、アークが皆さんのパーティーに入って手助けをしたいと言う話を昨日の夜聞いて私たちからささやかな贈り物を送ろうと思ってね。」
「贈り物?それは一体何ですかカヌシュおじさん?」
「それは・・・街の入口にいけば分かるさ。」
カヌシュはそう言うとニコっと笑うのであった。
「まさか贈り物が馬車だったとはね。私も驚いたよ。」
「でもこの馬車のおかげでサーシェルの街までかなり早く着くそしたらしばらくやってなかったたくさんのアイテム収集が出来るもんね。」
私はそう思うと胸がワクワクするのであった。
「・・・・・・・・・・。」
「うん?どうしたのムクト昨日のヴィルトの巣からセイエス街を後にするまでずっと無言だったけど・・・何か悩み事?」
「うん?別にそう言う事ではないわ・・・です。ただ少し考え事をしてただけだわ・・・です。」
ムクトはそう言う馬車の外の風景をぼんやり見ながら何か考え事をしている。
「ムクト・・・大丈夫かな?」
「はははライリィーは優しいね。だけど今はそっとしてあげておいた方が良いんじゃないかな?」
ムクトを心配する私に対してトゥリーヤが優しく声をかける。
「皆そろそろこの辺に馬車を待機させてモンスター退治でアイテムを獲得しようかなってマット君と話し会ってたんだけどどうかな?」
馬車の運転席の方からアークさんが私たちに訊ねる。
「正直馬車のおかげで移動時間は短縮出来るけど、その分襲ってくるモンスターがほぼ皆無だからな。セイエス街に留まっていた間、ライリィーのアイテム収集と納品は一旦止まった状態になってたからこの辺で少しアイテム収集でもしようじゃないか。」
「マット、アークさん、ありがとう!!それじゃ・・・」
とそこまで言って私はふとあるものを見つけた。
「どうしたの?ライリィー?」
すかさずトゥリーヤが私に訊ねる。
「なんかあそこに緑色に光る場所があるんだけど・・・。」
「うん?どうしたライリィー?」
トゥリーヤに続きマットも声をかけてくる。
「あのアークさん、私ちょっと気になる場所をみつけました。そこまで向かってもらえますか?」
「うんわかったよライリィーさん。」
こうして私の指示のもと緑色に光る場所に向かいアークさんは馬車を進ませるのであった。




