決闘の方法とルール
「おーこれは皆さんお揃いでこのウィンダ・アロガエに何の用かな?」
「おいこの野郎よくもヴィルトの巣をこんなにしておいていけしゃあしゃあと出て来れるもんだな!!」
不敵に笑うウィンダに対しマットが怒りを露わにする。
「おいおいだからあれはただの小火だと言ってるだろう?それよりも・・・」
マットの言葉を嘲笑しながらウィンダは鋭い目線である人物を睨みつけた。
「アーク、なぜお前がそちら側にいる?まさか騎士見習いの分際でこの私にまた逆らう気か?」
「・・・・・ウィンダ・アロガエあなたは防風族の次期王であり騎士としての腕もはんぱじゃない・・・ほんとにすごい事だと思います。」
「はぁ?何を今更分かり切った事を言っているんだ?私はお前がなんでそちら側にいると聞いて・・・。」
「僕は物心ついた時から両親を知らずカヌシュおじさんとエーネルおばさんに育ててもらいました。そして僕の事を育ててくれたこのヴィルトの巣に恩返しがしたくて騎士見習いの道を選びました。そのためどんなに苦しい事があってもどんなに理不尽な事があっても耐えて来ました。それが騎士の心得だと思ってきたからです。」
アークはゆっくりとしかしはっきりとした声で自分の気持ちを説明する。
「だけど僕は昨日気がつかされました。実はそう理由をつけて本来の向き合う物や事から逃げてきたんじゃないかって、そして自分が大切にしてる者や人たちを守れなくて本当に騎士と言えるかどうかと!!」
アークはそこまで言うと一呼吸間をおいてウィンダの方に目をやった。
「僕はあなたがやった事を騎士見習いとして許せない。あなたに決闘を申し込みます!!」
アークははっきりとした口調で宣言した。
「アークよく言ったよ!!」
トゥリーヤそう言いながら後ろから前の方に進み出てきた。
「アークさんかっこいいです。」
トゥリーヤに続き私も前に出る。
そして無言ながらムクトも同じく私たちの後に続いて前に出る。
「・・・・ほぉー、アーク・ヴィルトそれがお前の望みか・・・しかし残念だったなこれはただの小火だ。よってこちらとしても決闘に受けてたつ理由がない。」
「いやそれは違うぞい!!」
「何だと!!?」
待ってましたとばかりにホオエンさんが前に進み出る。
「冒険者ギルドマスターのホオエン・ハオブゥ・・・・それは一体どう言う事だ?」
ホオエンさんの言葉にウィンダが訝しそうな表情をする。
「ウィンダ・アロガエ、セイエス街冒険者ギルドマスターホオエン・ハオブゥの元にそちらのアーク・ヴィルトとムクト・ハーパーから住宅街の方で火事が起こっていると報告があった。そして以前からお主が防風族の次期王で騎士の肩書を鼻にかけ好き放題行動していたと言う事は私の耳にも入っている。よってこの決闘、ホオエン・ハオブゥ仲介の元承認される事とする。」
「って事だ。これでお前は決闘承諾せざる得ない理由だ。」
マットがざまーみろと言った感じでウィンダの方を見る。
「くくく・・・まさかそうなるとはね。冒険者ギルドマスターが仲介人じゃこの私でも断る理由にはいかないな・・・分った決闘の件引き受けてやろうではないか!!」
ウィンダはそう言うと不敵な笑みを浮かべた。
「だが・・・アーク騎士見習いのお前と私じゃ勝負は明らかに目に見えてるのではないか?」
「はい・・・なのでこちらで決闘の方法とルールを定めさせてもらおうと思います。」
「決闘の方法とルール・・・面白い言ってみろ。」
「僕を含めたこちら5人とそちらの騎士の5人の団体大戦と言うのはどうでしょうか?」
「ほぉーなるほどそれならばまだ少しでも勝ち目があるかもしれないな。」
ウィンダはそう言うと視線をホオエンさんの方に向けた。
「おい冒険者ギルドマスターそちらの決闘の方法は承認した、だがルールの方はこちらに決めさせてもらおうと思うがそれで構わないよな?」
「あーそうだなそれで構わなない仲介人である私が認めよう。」
ウィンダの提案にホオエンさんが頷く。
「5対5の団体大戦は受け入れた、ただしこちらは私も含めて人数が多い者でね5チーム参加での対戦を申し込むよ。」
「あっ!!ウィンダてめーきたねーぞ!!」
ウィンダの提案にマットが抗議する。
「わかりました。引き受けましょう。」
「えっおいアークさんそれで良いのかよ?」
「へぇー面白そうじゃない。こっちもその方が張り合いが出るってもんだし。」
「・・・・・全員私の結界でふとっばして・・・終わり・・・です。」
「ウィンダさん私はあなたが改心してくれるならそれで構いません。」
「っておーいお前ら全員か!!」
トゥリーヤ、ムクト、私の発言にマットがつっこみを入れる。
「どうやら両方ともその決闘とルールで良いみたいだな。よしこれにて決闘成立。」
ホオエンさんはそう言うとウィンダと私たち側の丁度真ん中にたった。
「決闘の時刻は今日の正午それまでに準備を整える時間を与える。」
ホオエンさんはそう言うとその場を後にした。
「くくくそれではアーク今から敗北の心得をしておくんだな。」
ウィンダもそう言うと嘲笑しながらその場を後にした。
「皆さん、よろしくお願いします。」
アークはそう言うと私たち4人の方を見てお礼を述べるのだった。
「うんアーク、私も同じ五大種族としてウィンダの鼻ぱしらへし折ってやるつもりだから。」
「あーもうアークさんが言うならしょうがない絶対勝ちましょう。」
アークに対してトゥリーヤとマットが口々に言葉かけをする。
(緊張はするけど、皆で協力すれば何とかなるよね・・・ううん何とかしてみせる!!)
私は心の中でそう決心をしてふとムクトの方に目をやった。
ムクトは皆とは違う方向を見ているがその背中には何とも言えないうれしそうな様子が私には感じられた。
こうしてウィンダ陣営側と私たち5人の決闘団体大戦が決まるのだった。




