冒険者ギルドマスターの存在意味とアーク・ヴィルトの中に見えた騎士(ナイト)の心
時は少し遡って
「何だか嫌な予感がする、早く何とかしなくっちゃ。」
私は急いである場所へと向かおうとしていた。
「ホオエンさんこっちです。」
「うむ分ったそれじゃ急ごう!!」
ふと向こうの方から腰抜けの騎士見習いが冒険者ギルドのマスターを連れてこちらに向かって来る。
(な・なんであの腰抜け騎士見習いが私が向かおうとしていた場所からやって来るの?)
「あ・あなたはムクトさん・・・」
腰抜けの騎士見習いが驚いたような顔で私の方を見る。
「おやお嬢さんは先ほど冒険者ギルドで・・・もしかしてお嬢さんも私を呼びに来たのかな?」
「えっ・・・そうです冒険者ギルドマスターさん、住宅街の方で火事が!!」
「あー分かっている。つい今しがた彼が私の事を呼びにきたからね。」
(信じられない・・・あの腰抜けの騎士見習いがまさかそんな行動を起こす何て。)
「まさか、現場に急ぐよりも前に私の元に来る者が2名もいるなんて実に適格な判断だよ。」
冒険者ギルドのマスターはそう言うと深く頷いたのだった。
「ちょっと待った!!何でそれが適格な判断なんだよ!!」
「一歩間違ってたらライリィーが魔術スキルを使えてなかったらとんでもない事になっていたんですよ!!」
マットとトゥリーヤが可笑しいだろうと言った感じでホオエンさんに反論する。
「ムクト・・・あなたが一目散に飛び出して行ったから、私たちも急いで住宅街の方へと急いだんだけど・・・最初からホオエンさんを呼びに冒険者ギルドに向かうつもりだったの?」
「そうだわ・・・です。街中で何か事件が起こった場合はまず落ち着いて冒険者ギルドのマスターを呼びに行くってのがセオリーなの・・・です。」
私の穏やかな声かけにムクトがそう答えた。
「ムクトさんの言う通りです。僕は住宅街の方で火の気が上がった瞬間から急いでホオエンさんの元へと向かいました。」
「おい!!アークさん、どうしてだよ!!あんたの大切にしてる場所がこうなっちまたんだぞ。騎士見習いなら急いで身を挺して急いで駆けつけるのが筋・・・」
「いやそれではダメなのだよ。」
「えっ!!何でだよ?」
ホオエンさんの言葉にマットが納得いかないと言った感じで答える。
「君たちも知っての通りこの事件のきっかけはあのウィンダ・アロガエの仕業だと言う事は何となく分かっていただろう?」
「は・はいだからこそ私たちは嫌な予感がして私たちはここに駆けつのけたんです。」
ホオエンさんの言葉に私が答える。
「その時点で半分以上根本的な問題の解決は成立しなくなっているのさ。」
「ウィンダ・アロガエは防風族の次期王であり腕利きの騎士です。その人物が仮に何か事件を起こしたとしても何事もなかったように証拠隠滅にされてしまい結局何事もなかったかのように
また同じような事が繰り返されてしまうんです。」
「そんな中でも事件の証拠を隠滅させない唯一の方法がある・・・それが冒険者ギルドのマスターに仲介役とし証人になってもらう事なの・・・・です。ただ・・・。」
「ただ・・・何ムクト?何か意外そうな顔をして?」
トゥリーヤがムクトの表情の変化に気がつき訊ねる。
「その・・・まさかその行動を腰抜けの騎士見習いが先に行動していたのが想定外でしたけど・・・です。」
ムクトはそう言うと下を向いた。
「そうだったのかい・・・アークあんたそんな事まで考えて行動を起こしてくれていたのかい。」
「アークお前は本当に優しい子だ。」
「2人とも到着が遅くなってしまってすいません。」
エーネルさんとカヌシュさんを支えながらアークが声をかける。
(その場の状況に惑わされる事なく事の全体を見て行動をするそれって騎士として重要な事だよね。)
アークのとった行動に対して私は何とも言えないすばらしい物を感じた。
「よし・・・そこでだアークから君たちにお願いしたい事があるらしい。」
「お願いしたい事?」
「一体何かな?」
「あのそれってもしかして・・・。」
マットとトゥリーヤが疑問の表情を浮かべる中私は何となくある事に気がついていた。
「あの僕は腰抜けで騎士見習いを名乗る事すらおこがましい腰抜けだったと思います。実際ウィンダ・アロガエに対しても目を背けようとしていた・・・でも!!」
アークはそこまで言うと一旦息を止めた。
「ムクトさんや皆さんに言われて、これじゃダメなんだって気がついたんです。お願いします。僕と一緒にウィンダ・アロガエと決着をつけるのに協力して下さい。」
アークはそう言うと私たちに向けて深く頭を下げた。
「・・・・分ったよアークさん。俺たちに出来る事があるならぜひ協力するよ。」
「ふふん私としても同じ五大種族としてウィンダ・アロガエは許し難い奴だしね。」
「私も協力出来る事があるならぜひしたいです。」
「皆さん・・・本当にどうもありがとう!!」
アークは私たちの方を向くと再び頭を下げた。
その様子をムクトが気がつかれないように見ているのが私には見えた。
「よしそれではこの件に関してはセイエス街冒険者ギルドマスターホオエン・ハオブゥが全て引き受けた。」
こうしてホオエンさんの仲介の元私たちとウィンダ・アロガエとの決闘が始まろうとするのであった。




