冒険者ギルドでのいざこざに首を突っ込むライリィーたち。
「何だ?一体何が起こったんだ?」
「マットちょっと行って来る。」
「あっライリィー私も行く!!」
「この腰抜け騎士見習いがこの防風族の次期王であるウィンダ・アロガエに意見するのか!!」
「す・すいませんだけど・・・グフゥ。」
防風族の次期王と言う騎士の男が同じ騎士ぽい男の腹に蹴りを入れる。
「防風族の騎士の力を学びたいと言うからわざわざ行動を共にさせてやっているのにその分際でこの私に立てつくとは全くの身のほど知らずだ。なあ皆もそう思わないか?」
「はい!!ウィンダ様のおっしゃる通りです。」
「こいつ弱いくせにウィンダ様に生意気にも意見しやがる最低な奴です。」
近くにいた取り巻きの騎士たちが口々にウィンダに賛同する。
「お・おいあれが五大種族の防風族次期王のウィンダ・アロガエかよ・・・。」
「やばいな変にかかわると俺たちが目をつけられるし・・・。」
他の冒険者たちは防風族の次期王だと言う事に恐れて何もしない。
「あ・あのーやめて下さい。暴力は絶対によくないです。」
私は蹴られた騎士の男の人の前に立ちふさがり声を出した。
「あん?なんだこのクソ尼は?俺が誰だか知ってて意見してるんだろうな!!」
ウィンダはそう言うと物凄くおっかない表情で私の事を恫喝しようとした。
(うう・・・勢いで飛び出しちゃったけどこのウィンダって人物凄く恐い。)
「おっこの尼ウィンダ様にびびってるぜ。」
「ウィンダ様この尼にもウィンダ様の事くわしく教えてあげましょうよ!!」
ウィンダの取り巻きの騎士の連中からそうだそうだと次々賛同の声が上がる。
「そうだな・・・この尼よく見ると私好みの顔をしているじゃないかじっくりとかわいがって・・」
(嫌だ止めて!!)
私が心の中でそう叫んだ時だった。
「強射撃!!」
後から来ていたトゥリーヤがウィンダに向かって一射放った。
キーーーーン!!
それをすかさずウィンダが払い落とす。
「あちゃー払い落とされちゃったか・・・残念。」
トゥリーヤはそう言うと軽く舌を出して笑ってみせた。
「貴様何のつもりだ?」
ウィンダがトゥリーヤの方を鋭い眼光で睨みつける。
「いやーまさかこんな所で同じ五大種族である人に出会う事になるなんてね。まあ私が予想してたのとは大分違うとんでもない下衆な奴だったけど・・・。」
トゥリーヤはそう言うとウィンダの事を睨み返した。
「私はトゥリーヤ・ユラシル・・・五大種族が1つの緑樹族の王の娘だよ。」
「なっなんだって緑樹族!!」
「マジかよ緑樹族ってあの・・・」
ウィンダを除いた取り巻きの騎士たちや他の冒険者たちの間にざわめきが起こる。
「あっおいお前ら勝手に飛び出して!!」
「ちょっとは考えてください・・・です。」
マットとムクトが遅れて追いついた。
「ほぉー緑樹族か・・・あの臆病で戦闘を好まない腰抜けの種族か。」
騒めきが起こる周りの環境にも同ずることなくウィンダが口を開いた。
「まあその腰抜けの緑樹族が防風族の次期王であるこの私に攻撃して来るとはその勇気に免じてこの場は収めてやる。おいお前たち行くぞ!!」
「えっ!!あっはいウィンダ様」
ウィンダの後を追うように取り巻きの騎士たちも冒険者ギルドを後にした。
「ライリィー大丈夫?」
トゥリーヤが透かさず私に声をかける。
「あ・ありがとうトゥリーヤ。」
私はその場に座りこみトゥリーヤにお礼を言った。
「おいこの騎士見習いの男大丈夫か!!」
「とりあえず私がやるわ・・・です。」
ムクトがそう言って倒れている騎士見習いの男に対して手をかざした。
「技能スキル応急処置!!」
ムクトがつい先ほどの検索で会得していた新スキルを使う。
「ううっう。」
騎士見習いの男が苦しそうに声を挙げる。
「おっおいあんた大丈夫か?」
マットが声をかける。
「うっう痛みが少し引いて行く。」
「これで少しは楽になるはずだわ・・・です。」
ムクトがそう言いながら騎士見習いの男に声をかける。
「あ・あの大丈夫ですか?」
力が抜けながらも私は騎士見習いの男に声をかける。
「あ・ありがとうございます。僕はアーク・ヴィルト18歳騎士見習いのここセイエス街出身の者です。」
アークはそう言うと私たち4人を見回しながらお礼を言った。
「あの悪いアークさん俺はまだ事の顛末が分かってないんだけどよかったら話してくれないか?」
「マットの言う通り私もその事について詳しく訊きたいです。実際に一部始終を見てしまったので。」
マットに続けて私もそう口を開く。
「・・・・分かりました。皆さんには助けて頂きました。お話します事の顛末を・・・。」
アークはそう言うとゆっくりと立ち上がった。
「よしそれじゃ詳しくは宿屋の方で訊かせて下さい。」
こうしてマットの先導の元私たちは騎士見習いのアークの話を訊くべく宿屋に向かうのであった。




