予想外のパーティー加入志願者とその実力試し
「おや?一体誰だろうね・・・」
スクーマさんの言葉と同時に私たちは全員扉の方へ目をやる。
(!!!!!!)
私は驚きのあまり言葉を失った。
「うん?あれってたしかライリィーと貴重品獲得交渉戦やって敗北した・・・」
「名前はたしか・・・えーと何だっけ?」
マットとトゥリーヤがそれぞれ口を開く。
「ムクトよ!!」
そうつい数時間前に私が世界のアイテム図鑑をかけて勝負をした少女だった。
「あーキシリシュタイン王国出張珍品大道芸団につい最近入ったって言う見習い団員の子だね。」
スクーマさんがそう言ってムクトに笑顔を向ける。
「ムクトさん、えーと何か用ですか?」
驚きながらも私はにこやかに訊ねた。
ムクトは下を向いて何か気持ちの整理をつけるような感じをしていたがふと私たち全員の方に再び顔を向けてこう言い放った。
「私をあなたたちのパーティーに入れてほしいの!!」
(!!!!!!!!!!)
この言葉に私は心の中で再び驚きの声を挙げた。
「ライリィー・ダガンサ・・・あなたと勝負して敗北して私はもの凄くやしい思いで一杯なの・・・だけとそれと同時にあなたを含めてあなたたち3人の貴重品獲得交渉戦の結果を見て私の中で決心が
ついた!!」
「おいちょっと待て!!俺はお前の戦闘での実力を全く知らないし、いきなりそんな事言われ・・」
「まあまあマットとりあえず詳しい話を聞いてあげようよ。」
戸惑い気味のマットに対してトゥリーヤが笑いながら声をかける。
「あのムクトさん、この事はジャケットさんたちにはちゃんと伝えてあるの?」
「うん!!むしろジャケットにあなたたちと一緒にパーティーを組んだ方が見習い団員やってるより実力的に大きく成長出来るだろうって言われた。」
私の問いかけにムクトははっきりと答えた。
「ふーん!!あの道化師がそう言ったんだ。」
「お・俺は反対だぞ!!どう見たって俺たちより3つくらい年下の少女とパーティー組む・・・」
そこまで言いかけるマットの口をトゥリーヤが塞ぐ。
「うーん?・・・・なるほどこれはもしかしたら面白いかもね。」
ムクトの様子を見ていたスクーマさんがふと口を開く。
「スクーマさん一体どう言う事ですか?」
私は疑問の表情をスクーマさんに向ける。
「みんなとりあえずためしにムクトを仮にパーティーに加えてある依頼を攻略するんだ。その上で正式にパーティーに加えるかどうかを判断すれば良い。」
スクーマさんはそう言うと今度はムクトの方に顔を向ける。
「それで構わないね?」
「えっ・・・・うんありがとうございます。」
ムクトが慌てながらもお礼を言う。
「さてそれじゃジャケットの許可はとったって言ってたけど私の方から団長のゴウドの方にもこの事を連絡入れておくよ。」
「それじゃムクトちゃんこれからよろしくね。」
トゥリーヤがそう言ってムクトに手を差し出す。
「あの悪いんですけどちゃんづけはやめてくれます?」
「はははごめん。それじゃよろしくねムクト。」
「よしそれじゃ、遅くなったけどマットや練南瓜を使って何か1品頼んだよ。もちろんムクトの分もね。」
「わ・わわかったよぉー。」
スクーマさんの言葉にマットの声が冒険者ギルド内に響くのであった。
「おいここで間違えないよな?」
翌日私たちはスクーマさんが提示した依頼基ムクトの戦闘での実力を見定めるためにある場所へと来ていた。
石甲羅亀の討伐と小甲石の入手。
それがスクーマさんが提示した依頼の内容だった。
「石甲羅亀か・・・正直守備力が高いが攻撃力はほとんど皆無に等しいみたいだな。」
「とりあえず私の爆発射とライリィーの小電圧の魔術スキルがあれば楽勝でしょう。」
「ちょっとトゥリーヤそれじゃムクトさんの実力が分からないじゃない。」
陽気にはしゃぐトゥリーヤに私は慌てて言葉をかける。
「ま・ライリィーの言う通り今回はムクトの戦闘での実力を試すための物だ。まあ期待なんて全然していないがな。」
マットはそう言ってムクトの方を見る。
「大丈夫その言葉すっかり後悔させてあげるから・・・。」
マットの言葉にムクトは淡々と答える。
「あっ噂をすれば来たみたいだよ!!」
1匹の石甲羅亀がそこそこのスピードでこちらにやってくる。
「よしライリィーは後衛で待機、トゥリーヤは中衛で・・・・でムクトお前はって!!」
「ムクト!!」
「ムクトさん!!」
なんとムクトは自ら石甲羅亀に向かって近づいて行く。
「馬鹿野郎いくら攻撃力が皆無だからってそれじゃケガするぞ!!」
マットがそう叫ぶも石甲羅亀とムクトの距離は衝突寸前まで近づいている。
「危ないよけて!!!」
私は咄嗟に大声でムクトに声をかける。
「結界!!」
「えっ!!」
衝突するかと思われたその瞬間石甲羅亀が何かにぶつかったように跳ね返されそのまま消滅するのであった。




