貴重品獲得交渉戦の説明
「う・うーんもう朝か・・・」
私は思いっきり伸びをしてベッドから立ち上がる。
「おはようライリィーやっと起きたね。」
隣のベッドの中はすでに誰もいなくトゥリーヤが念入りにストレッチをしながら私に声をかけた。
「トゥリーヤ、昨日遅くまでサーカスショーを観てたのに早起きだね・・・。」
「うん?緑樹族は皆こんなものだよ。」
私の言葉にそう答えるとトゥリーヤは元気よく笑った。
「それに4日前にスクーマさんがキシリシュタイン王国出張珍品大道芸団と貴重品獲得交渉戦の話をしてくれてから今日が来るのが待ちどうしくてたまらなかったんだ。
ライリィーだってそうでしょう?」
「えっ・・・うんそうだね。だけど私はトゥリーヤと違ってこの昨日までの3日間でやれる事があまりなかったから正直不安の方がいっぱいなんだ。」
トゥリーヤの言葉に私は自信なさげに答える。
「やぁーライリィー、トゥリーヤおはようよく眠れたかい?」
部屋の扉を開けてスクーマさんがやって来た。
「す・スクーマさんおはようございます!!はい疲れていたのでよく眠れました。」
「スクーマさん私はいつも通りですよ。」
「そうかいその感じじゃ2人とも大丈夫そうだね。さあ下へおいで朝食を用意してあるからマットもすでに来ているよ。」
「はーい!!行こうライリィー!!」
「うん!!トゥリーヤ!!」
私たちはスクーマさんの後に続いて下へと降りて行った。
「あー朝食おいしかったなぁー。」
「やっぱスクーマさんて良い人だよね。冒険者ギルドのマスターなのに私たちの事を実の娘のようにかわいがってくれて、宿代はかからないしいる時は食事も出てくるし。」
朝食が終わると私とトゥリーヤは一呼吸した。
「ま・全くスクーマのおばばは2人にはってか特にライリィーには甘いよな。どうしてもお金を集めないといけない理由があるからかもしれないけどさ。」
「あの前々から気にはなってたけどマットはやっぱり宿屋とかで寝てるの?」
私はひそかに疑問に思ってた事をマットに訊ねた。
「あん?基本そうだよ。てか冒険者はみんなそれが普通なんだよ。」
「そ・そうかごめんマット・・・」
「ま、謝る必要はねーよライリィー。」
マットは私の方から離れると何かをつぶやきながら自分に気合を入れ始めた。
「3人ともそろそろ貴重品獲得交渉戦のエントリーの受付が始まるよ。」
スクーマさんが私たち3人に声をかけた。
「よし!!それじゃ行くか!!」
「マット緊張して空回りしないようにね!!」
「だぁーいつもの事ながらうるせーよトゥリーヤ!!」
「ははは・・・それじゃスクーマさん行って来ます!!」
スクーマさんに見送られながら私たちは貴重品獲得交渉戦が行われる会場へと移動するのであった。
「グッドアフタヌーン、冒険者のみんな、毎度お馴染みの道化師のジャケットだよん。
只今より貴重品獲得交渉戦を始めたいと思うんだけど・・・その前にこれもまたまた毎度お馴染みの
我らキシリシュタイン出張珍品大道芸団の団長であるゴウド・グラシェル騎士団長よりまあ一応有り難いってって事にしておくお言葉が行われるよ。」
ジャケットがそう言ったかと思うと1人の人物がゆっくりと姿を現した。
「あっあの人って昨日1番先頭で馬に乗って号令をかけてた人だよね?」
「サーカスショーの時には全く姿が見えていなかったのにまさか団長だったとわね。」
私とトゥリーヤはひそかに会話を交わす。
「スタット街の冒険者の諸君毎度お馴染みの者も多いと思うが私が団長のゴウド・グラシェルだ。」
ゴウドが話し始めた途端辺りが何とも言えないし緊張がはりつめたような空気へと変わった。
「私はジャケットのように多弁ではなので挨拶はそこそこに早速貴重品獲得交渉戦の説明の方に行きたいと思う・・・以上だ。ジャケット引き続きたのむ。」
ゴウドはそう言うとすぐさまその場から姿を消した。
「もう団長ってば本当にはずかしがりやさんなんだからって裏ではそんな事もないんだけどね。」
ジャケットは愉快そうに笑ったかと思うと一回その場で宙返りをした。
「さあそれじゃ知ってる人も多いとは思うけど貴重品獲得交渉戦の説明を行うよん。」
ジャケットはわざと変顔をしたかと思う一変真面目ぶったような顔で説明を始めた。
「貴重品獲得交渉戦は僕らが提示した☆1つから☆5つまでのランクを冒険者のそれぞれに選んでもらって自分たちの日ごろの能力とかをアピールしてもらってキシリシュタイン出張珍品大道芸団(ㇾアイテムキャラバン)の団員と勝負してもらって勝てばそれに見合った貴重品が手に入るって理由さ!!」
「なるほどだから貴重品獲得交渉戦な理由だ。なんか面白そうだね。」
「ある意味で駆け引きが重要になって来る理由か。」
トゥリーヤとマットがそれぞれ呟いている。
(どうなるかはまだ良く分からないけど、もしかしたら私でも良いアイテムが手に入るかもしれない。」
ジャケットの説明を聞きながらひそかに私はそう思うのだった。




