村長のおもてなしの表と裏
「あー最高に良い気分だなー!!」
マットはそう言うとわざとらしく大きな声で笑うのであった。
「ねぇーライリィーやっぱマットの奴今日の事相当心に来てるんじゃない?」
トゥリーヤが私に耳打ちする。
「えっ・・・うーんそんな事はないと思うんだけどどうだろう?」
トゥリーヤの耳打ちに私は疑問で言葉を返す。
「いやはやどうですか?我が村のおもてなしは気に行ってもらえましたか?」
ペタン村の村長がそう言って私たちの様子を窺えに来た。
「いやー実に愉快な気分ですよ。あー何て良い日だ!!」
マットはそう言うとケラケラ愉快そうに笑った。
「そうですかそれは何よりです。そちらのお嬢さん方はいかかですか?」
「えっ!!まあ何となく楽しんでいます。ねぇーライリィー?」
「えっはい!!何か特別大した事していないのに何だかすいません。」
私はペタン村の村長に対して頭を下げた。
「いえいえこちらこそ若い冒険者さんと馬鹿にし腐ってしまい申し訳ありませんでした。」
「はっはっはー何良いって事ですよ分かって下されば!!」
村長の言葉にマットが偉そうに返事をする。
(マットもしかして・・・いやもしかしなくても酔っぱらってるよね・・・)
私は苦笑しながらマットの方を見る。
「そう言って下さるとこちらも助かります。それではごゆっくりくつろいで下さいませ。」
村長はそう言うと姿を消した。
こうしてその日の夜は更けていくのだった。
「うぃー頭がいてぇー。」
マットが頭を押さえながらつぶやいている。
「まぁー自業自得じゃない?ねぇーライリィー!!」
「あははは・・・そうだね。」
トゥリーヤの言葉に私はやはり苦笑気味に答える。
「皆さんおはようございます。」
村長がそう言ってやって来た。
「昨日はいろいろとありがとうございました。それでお金の方は・・・」
「いやいや気になさらないで下さい。あくまでもこちらのおもてなしなので。」
お金の事を気にする私に対して村長は構いませんよと言った感じで答える。
「うぃーまぁー当然だはな。それじゃ俺らはこれで・・・行くぞ2人とも。」
マットはそう言うと足早にペタン村を後にしようとしたその時
「お待ちください。冒険者様。」
ふと村長がマットの前を通せんぼした。
「な・なんだ?一体!!!」
マットが頭を押さえながら村長の方を見る。
「我々のおもてなし受けましたよね?」
村長はそう言うとニィーっと言った感じの何とも言えない笑みを浮かべるのであった。
「くっそーあの村長の野郎とんでもない事押し付けやがって!!」
マットはそう言うと怒りを露わにしながらぶつぶつと文句を言った。
「仕方がないよマット。現に無料でおもてなしを受けたのは事実な理由だし・・・。」
怒れるマットに対して私は何とかなだめようとこころみる。
私たちはペタン村のおもてなしを受けた代わりに村長からある依頼をされる事になったのだった。
「まあいいじゃん賊討伐なら今の私たちにならそれほど難しくないと思うしそれに調子に乗ってた誰かさんが1番悪いんじゃないかしら?」
そうトゥリーヤの言う通り村長から依頼された事はペタン村を荒しに来る賊十数名の討伐だった。
「まぁー大蝙蝠の駆除に比べれば楽かもしれないけどな。でも俺は今激しく頭が痛い・・・」
「はいはい分かりました。私とライリィーの2人で奇襲をかけるから残った輩をあんたが討伐する形で良いからね。まあ大蝙蝠の時と同じ感じで。」
「・・・っく反論したいけど今回は止めとくは・・・。」
トゥリーヤの言葉に怒りを覚えつつもマットが静かに頷く。
「あっ!!マット、トゥリーヤ、あそこじゃないかな?」
私は賊たちがアジトにしていると言う岩谷までやって来た。
「どうやら誰もいないみたいだね?」
トゥリーヤが様子を窺いながらそうつぶやく。
「よしそれじゃ賊たちが返ってくるまで潜んで待機だ。俺はその間寝てる。」
マットはそう言うと頭を押さえながら仮眠の体勢に入った。
「ライリィー私たちも賊たちが戻ってくるまで待機しよう。」
「うん分かったトゥリーヤ。」
こうして私たちは賊たちの帰りを待ち奇襲の体勢を整えるのだった。




