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魔豚人の長(ハイオーク)から緑樹族に対してのお願い

「まずはこちらから問おう・・・お主らはなぜ我が緑樹族の集落を狙って来た?」


緊張の空気が流れる中、グラドと魔豚人のハイオークの話し会いが始まった。


「それはだな・・・我々魔豚人オークの民の間でとんでもない飢えが起こったからなのだ。」


「飢え?それは一体どう言う事だ?」


魔豚人のハイオークの言葉にグラドが反応する。


ちなみに両者はある程度の距離間をとって話し会いを行っている。


「我らの魔豚人オークの郷は雨が全く降らずカンカン照りのため畑が干上がってしまい自給自足で食物を手にする事が難しい状態になってしまったのだ。」


「なるほど・・・しかしなぜこちらの緑樹族の集落に進軍して来た?飢えを凌ぐのであればわざわざこの結界をやぶって来なくとも食料を手にする方法は他にもいろいろとあったはずだが・・・」


グラドが鋭い目線で魔豚人のハイオークの方を見る。


「それは緑樹族の民が自然の恵みを得て多くの食材を栽培していると言う事を知っていたからだ。その拠点であるその集落に進軍して占拠すれば多くの食材が手に入り、我ら魔豚人オークの軍勢が生き延びられると思ったからなのだ。」


魔豚人の(ハイオークのこの言葉にグラドが物凄く難しそうな顔をする。


「しかしその考えはあまりにも愚かな考えだったようだ。緑樹族の長グラド・ユラシルよ我は魔豚人の(ハイオークとして責任を取り、今眠りに落ちている魔豚人オークの民たちが目覚めた後にこの場を離れる事を約束しよう。ただ1つだけ願いを聞いてくれぬか?」


「願い?とにかく言ってみよ!!」


交戦的態度を取り下げた魔豚人の(ハイオークに対してグラドが望みを聞き入れようと言う姿勢を見せる。


「我ら魔豚人オークの民が空腹を満たせる分の食糧と緑樹族の食材栽培の方法などを書いたマニュアルを教えてほしいのだ。」


魔豚人のハイオークはグラドに向かって深々と頭を下げた。


「・・・・分った。」


グラドは一言頷くと後ろに振り返り全体に聞こえるような声でこう述べた。


「緑樹族の民よ皆も聞いていた通りこちらの魔豚人のハイオークも自分の民たちを守るために仕方がなく我らの集落の結界を破り進軍をしてきた。これは緑樹族族長である我が個人の意見だが我々の協力出来る事ならば魔豚人のハイオークの願い聞き入れようと思うのだが?皆はどう思う。」


「私は父上の考えに賛成です。立場が違えば緑樹族の民も同じような事が起こりうると言う事は十分考えられますし、何より我々緑樹族は出来る限りどんな者とでも友好的な関係を保って行く事を念頭に置いてあるはず。」


グラドの言葉にパウムも賛同する。


「そうだ!!理由はどうあれ困ってる者たちを見過ごす事は出来ない。」


「我ら緑樹族も自然の恵みを受けて今まで暮らして来たんだ。」


パウムに続き緑樹族の民の間から次から次に賛同の声が上がった。


「おい、トゥリーヤ良いのかよ?実際2回も集落を襲ってきたんだぞ?」


緑樹族たちの賛同の声が響きわたる中マットがトゥリーヤに訊ねる。


「うん?まー私たち緑樹族の民は困ってる者たちを見捨てられない性分だからね。」


トゥリーヤはそう言うとこれで良いんだよと言った感じで頷く。


(すごいな緑樹族の民の人たちって、私たち天雷族が同じ立場に立たされていたら絶対にこうはならないと思う。)


「緑樹族の長、グラド・ユラシルそして緑樹族の民一同よ心広い行為大いに感謝する。」


魔豚人のハイオークはさらに両手を地面につき頭を深々と顔も見えないくらいに頭を下げた。


(だけど・・・何だろう?なんかうまく言えないけど私の胸に沸き起こるこのザワザワした感じは?)


緑樹族の民の行為に対して関心しながらも何とも言えない嫌な予感がするライリィーなのであった。





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