スタット街の冒険者ギルド
「はぁーとんでもない事になっちゃったなぁ~~」
ライリィーはそう言うと物凄く大きなため息を吐いた。
(良いかライリィー天雷族の冠を復元出来る資金を稼いで来るんだ!!それまでは許さん!!)
「あの冠一体いくらくらいするんだろう? 資金を稼いで来いと言われてもどうやって稼げば良いんだろう?」
途方にくれながら歩くライリィーにふとある看板が目に入った。
「冒険者ギルド」
「自信はないけどやっぱり冒険者ギルドで仕事を探すしかないよね。」
ライリィーはそう言うと力なく冒険者ギルドの扉を開けるのだった。
「いらっしゃいスタットの街の冒険者ギルドへようこそ。」
受付に座っている年配の女性がライリィーに声をかける。
「えーと スクーマ・ドレッドア 54歳 女性 冒険者ギルドマスター・・・えっ!!何これ勝手に情報が入って・・・。」
「うん?お嬢ちゃん珍しいね。技能スキル 検索を使えるのかい。」
スクーマはそう言うと愉快そうに笑った。
「あ・あのスクーマさん私理由あってどうしてもお金を稼がなくちゃならないんです!!」
ライリィーはそう言ってスクーマの方に身を乗り出した。
「ちょっと待ってなお嬢ちゃん今こちらも 検索でデータを調べるから。」
スクーマはそう言うとじぃーっとライリィーの方を見つめた。
「ライリィー・ダサンガ 15歳 女性 スタットの街の一般女性 習得スキルは 検索
と打撃以上2つだけだね。」
(えっ!!何それ私ってそもそも天雷族だよね!!いやもっとすごいスキルとかいっぱい使えるはずだよね!!いやいやたしかに天雷族ってバレるのはそれはそれで不味いかもしれない!!でもでもスタット街の一般女性ってあまりにもそれはそれでひどいんじゃ・・・)
「あのーすいませんスクーマさん私に出来る依頼って何かありますか?」
ライリィーはおずおずとスクーマに訊ねる。
「うーーーん!!そうだねお嬢ちゃん1人で出来そうな依頼と言ったら。」
スクーマはそう言うと1枚の紙きれを胸元から取り出すのであった。