五大種族
「着いたわよ!!」
前を歩いていたトゥリーヤが足を止めた。
「着いたわよって誰もいないじゃないか?」
「トゥリーヤさんどう言う事ですか?」
トゥリーヤに対してマットと私は疑問の表情を浮かべる。
「まあちょっと待ってなさい。今結界を解くから。」
トゥリーヤは地面にしゃがみ込むと右手の平をしたに向けて何やら唱え始めた。
「えっ!!」
「おい何だ!!」
辺り一面を眩い光が包みこみ私とマットはそのまぶしさに目を閉じた。
「よし2人とも目を開けてみて。」
トゥリーヤに言われた通り私とマットは目を開いた。
「うわぁー!!」
「すっすげー!!」
そこには先ほどまでとうって変わったような森の民と言う言葉が似合いそうな服装をした人たちの集落が現れた。
「お帰りなさいませトゥリーヤ嬢、そちらの方たちは一体何者ですかな?」
門番らしき男がトゥリーヤに声をかける。
「あーアドニスこの2人は私が小蜜蜂の巣を手に入れるのに協力してくれたんだ。辺りも暗くなってきてた事だし今日は私たちの集落に泊まってもらう事にしたの。」
「そ・そうでしたかそれではトゥリーヤ嬢、族長様とパウム様に一応挨拶の方をよろしくお願いします。」
アドニスと呼ばれた男は道を開けて私たちを集落の中へと通してくれた。
「おい!!お前お嬢とか言われてるけど一体何者なんだ。おまけに族長様って。」
マットが驚いた様子でトゥリーヤに訊ねている。
(族長か・・・そう言えばすっかり忘れてたけど私も天雷族の族長の1人娘なんだよね?)
「あーちょっといろいろあってね。族長って言うのは私の親父でパウムって言うのは私の弟で次期族長の役割を担う存在なんだ。」
(次期族長の役割を担う存在・・・ってもしかして・・・)
「親父帰ったぞ!!」
集落で一番大きな建物の扉を開けるとトゥリーヤが大声で叫んだ。
「こらトゥリーヤ扉くらい静かに開けんか!!」
族長らしき男性がトゥリーヤを注意する。
「まあまあよろしいじゃないですか父上トゥリーヤ姉上は元気があって僕自身見習いたいくらいです。」
私よりも若干わかそうな少年が笑いながらそう答える。
「おっとところでトゥリーヤ後ろにおられる方々はお客様かな?」
「あっ私、ライリィー・ダガンサと申します。プラタナの森の中でアイテム採集をしていた所、暗くなって森の出口が分からなくなってたところをトゥリーヤさんにここまで連れてきてもらって。」
「ほぉーそうでしたか・・・トゥリーヤとは違い何と礼儀正しい娘さんだ事。」
「族長さんあんたの娘のせいで俺とライリィーは道に迷って出口が分からなくなったんですよ!!」
マットがすかさず族長に抗議した。
「な・なんと!!こらトゥリーヤお前一体何をやらかしたんだ。」
「まあまあ父上よろしいじゃないですか、あっ僕はパウム・ユラシルと申します。」
「おっとそうだったなそちらの青年の方失礼だがお名前を教えていただけるかな?」
「マット・・・マット・ヴァーンズだ。」
「紹介が遅れましたな私はグラド・ユラシル、現緑樹族の族長を務めている者です。」
「りょ・緑樹族だって!!!」
突如マットが驚いたような声を挙げる。
(緑樹族・・・そう言えばどこかで聞いた事があるような・・・)
「おいこらライリィー!!なにぼぉーっとしてるんだよ。早く頭を下げろ。」
マットはそう言うと私に頭を下げるように促した。
「マット・・・なんでそんなに急に態度が変わるの?」
(緑樹族と言う言葉は私も聞いた覚えはある・・・しかしだからと言って頭を下げる必要はないと思うのだけど)
「ライリィー!!お前何も知らないのかよ緑樹族っていったら五大種族に名を連ねてる実質この世界を動かしている偉い種族なんだぞ!!」
「お二人とも顔を上げてもらって構わない。たしかに私は五大種族の1つ緑樹族の族長をしている。しかしだからと言って特別に偉いと言う理由ではない。」
(思い出した。前にお父様から聞かされた事がある。防風族、流水族、放炎族、緑樹族、そして私たち天雷族、これらを五大種族と呼び、各種族の族長は代々15歳になると息子がもし息子がいなければ娘が引き継ぐ事になっている。)
「あーやっぱり私たちが五大種族の緑樹族だって事を知ると態度が急変する人が多いよね。」
トゥリーヤがやっぱりと言った感じで答える。
「マットさんとおっしゃいましたか?たしかに僕らは緑樹族ですけど基本寿命は皆さんと同じように年を重ねて生涯を終えるんです。唯一違うところがあるとすればそれぞれの種族に伝わるスキルなどを使えるって事ですね。」
パウムがゆっくりと説明する。
「そうだ2人とも疲れ切ってるよね。今から緑樹族全員で夕食に入るから2人ともぜひ参加してよ。」
「姉上それは良い考えですね。」
トゥリーヤの提案にパウムが賛同する。
「ライリィー殿、マット殿、トゥリーヤの起こした問題の罪滅ぼしとして緑樹族長であるグラド・ユラシルからもぜひともお願いする。」
緑樹族の族長であるグラドも私とマットに向かって深く頭を下げる。
「も・勿体なきお言葉感謝します。ほらライリィーお前も頭をさげ・・・」
「よろしくお願いします。グラドさん、パウムさん そしてトゥリーヤも。」
私は満面の笑顔で全員の方を見回すのであった。
「あ・あのライリィーさん?」
いつもの雰囲気との違いを感じ頭に?マークを浮かべるマットなのであった。




