ギュルシュ大盗賊団団長ギュルシュの実力
「さてとそれじゃ俺が5人纏めて相手をしてやるよ。」
ギュルシュは両手短剣を構えると舌を出しながら私たちの方を睨む。
「クレイジャお前は後ろで観ていろ。俺がこいつらを瞬殺する瞬間を。」
「言われなくても最初からそのつもりだギュルシュ。」
ギュルシュの言葉にクレイジャが返事をする。
「お・相手はいよいよ団長本人がお出ましって感じか!!」
「私たちが一気に3人倒したから焦ってるんじゃない?」
「トゥリーヤ油断は禁物よ。あのギュルシュ、さっきの3人よりも強そうなオーラを感じるわ。」
少し気持ちが緩みかけてるトゥリーヤに対してムクトが注意を促す。
「ムクトの言う通りさ。何か嫌な予感がするんだよなあのギュルシュって男からは。」
ムクトに続きアークも注意深く様子を窺いながら戦闘体勢をとる。
(私たちが一気に3人倒せた事で人数の上では5対2と私たちが有利になった。だけどなんだろう?この何とも言えない嫌な胸騒ぎは・・・)
「みんなさっきよりさらに固まって防御体勢をとって!!」
私は急いで4人に指示を出す。
「よし分ったライ・・・。」
「まずは1人目!!」
「なっうぐぅっ・・・・。」
マットが返事をしようとした瞬間いつの間にここまで動いてきたのだろうギュルシュがマットのみぞおちに蹴りを入れる。
マットは言葉にならない声を挙げるとその場に気絶した。
「なっ!!いつの間に!!」
「ライリィー指示を・・・。」
「はい2人目!!」
「ぐぅうわぁ・・・・。」
私に指示を仰ごうとしたトゥリーヤに対してギュルシュはみぞおちに一発拳を突き付けた。
マット同様トゥリーヤも何とも言えない声を挙げて気絶する。
「は・速すぎる、何なのこのギュルシュの速さは?」
ムクトが驚いたような表情で後ろに下がる。
「よそ見していていいのかな小さな結界使いさん?」
ムクトが後ろに下がるとほぼ同時にギュルシュの攻撃がムクトに向かう。
「そうはさせない!!」
間一髪でアークがギュルシュとムクトの間に入りギュルシュの攻撃を受け止める。
「ライリィー!!一番前にやったあれをたのむよ!!」
「えっ・・・うん分かった!!」
私は咄嗟に記憶をたどりアークの言った事を思い出し了解する。
「雷系魔術スキル小電圧!!」
私はアークの構えている剣に向かって小電圧を発動した。
「くらえ剣技雷鳴衝撃!!」
私とアークはこの連携技で防風族の次期族長のウィンダ・アロガエに勝利した事があったのだ。これならいくらギュルシュでもただでは済まないだろう。そう思った時だった。
「きかねーよ。そんな弱っちぃー連携攻撃なんざ。」
アークの振り下ろした剣をギュルシュは両手短剣で受け止めながら不気味に笑う。
「な・あれはたしかライリィーとアークの見事な連携技だったはず・・・それが全く効いていないなんて。」
「はい油断大敵だよ小さな結界使いさん!!」
「し・しま・・・たぁ・・・。」」
驚きのあまり防御体勢がとかれていたムクトに対してギュルシュの一撃が入りムクトは前のめりにその場に倒れこむ。
「む・ムクト!!!!」
私は思わず叫び声をあげてしまう。
「ら・ライリィー落ち着いて僕ら2人だけでも何とか耐えるんだ。」
「あ・アーク・・・。」
「はぁー全然面白くねーや。よし俺は一切攻撃しないでおいてやるからお前ら2人で全力でぶつかって来い。」
ギュルシュはそう言うと両手短剣を鞘に納めると不気味に愉快そうに笑いながら私とアークの方を見てくるのであった。
(強い・・・強すぎるこのギュルシュって人、今までこんなに強かった人間にはほとんど会った事がない。だけどどうしよう何とかしなくっちゃ・・・)
「ライリィー!!」
ふとアークが私の名前を呼んだ。
「この状況はとてつもない大ピンチ状態かもしれない・・・だけどギュルシュが意図的だけど攻撃をやめた今はほんとにちょっとした小チャンスかもしれないんだ。」
「アーク・・・」
「ライリィー今までひそかに練習していた魔術スキルを惜しみなく僕の剣に向けて放ってほしい。下手な鉄砲数打てば当たるみたいな感じになっちゃうかもしれないけどもしかしたら何かしらの活路が見いだせるかもしれないからね。」
アークはそう言うと現時点で出来る最高の笑顔で私の方を向く。
「アーク・・・どうもありがとう!!」
アークの言葉に私も現時点で出来る最高の笑顔で答える。
「おー麗しき友情ってやつかね?さあどこからでもかかって来な!!」
私とアークのやり取りを観ていたギュルシュがあざ笑いながらそう口にする。
「それじゃライリィーよろしくたのむよ。」
「うん!!分ったよアーク!!私の全力を出すね!!」
こうしてギュルシュ対私とアークの戦闘が再開されるのだった。




