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いつも通りの入りネタ、一話
「おいンッのクソ外道緑ィイィィッ!!待てやテメェ!!」
とある日の昼下がり、すっかり日は空に馴染み、軽く刻がたてばその昇った日もゆったりと曲線を描き沈むのではないかと思われる時間、温かい光が縁側を射す。
そんな中、その中心を鬼の形相で走りくる長い黒髪を赤リボンで高く括った少女が。
少女の右手には仮称するのならば太陽を小さく灯したかのような灼熱の火球が燃え盛る。
そしてその視線の先…
「あーら、怖い怖い、寿命が縮みますよ、境華。」
後ろを軽く振り向いて微笑し、首をこてんと曲げてから足元に桜色に光り輝く魔法陣を描き、それをけるかのようにしてそのもう一人の少女…赤リボン曰く、「クソ外道緑」はひょいひょいと綺麗な身の躱しで逃走していく。
「ッせェ!!」
と赤リボン…こと境華は怒鳴り、そしてその「クソ外道緑」の視界の先に大きな火の輪を浮かべた