第5話
半年以上も間を空けて何やってんだって話ですね。しかも短い。すみません。
主人公の性格までガバガバになってきている気が(;^_^A
これからは文字数を少なめにして、スパンを短くできればいいなぁ
定期的な不定期連載を目指します(日本語もガバガバと言ってはいけない)
王子様は保健室に入るや否や、すぐさま王女様の傍まで駆け寄る。急いできたのだろう、上がっていた息を少し整えるとすぐさま王女様に笑顔を向けた。
「姉上、御無事で何よりです。学園長に呼び出され今回の事件の話を聞いて、とても心配しました」
「うむ、大事ないぞ」
「そうですか、良かった……。では少々お待ちを。さて……」
王子様はすぐさま俺に顔を向けるとその顔は憤怒に染まっていた。そして俺の傍まで来ると、
ガッ!!
「うぐっ!?」
いきなり顔を殴られた。その衝撃で俺はしりもちをついてしまう。王子様はそのまま俺に馬乗りになると胸ぐらを掴みあげ顔を近づけると
「貴様の所為で姉上の身になにかあっ」
ドゴン!!
次の瞬間には王子様は保健室の壁に激突して蹲っていた。目の前には足を振りぬいた王女様の夜着から生足の奥が見えそうになっている。だがその事実に胸がドギマギすることはなかった。唐突な展開に頭が付いて行かない。
「ふむ、久方ぶりだったので加減を間違えたかもしれん。が、まあいいだろう。カインは痛みを持って反省せねばならん。いきなり殴りかかるとは……。すまなかったなラルク。まさかカインがいきなりあのような行動に出るとは露とも思っていなかったので反応が遅れてしまった」
「ああ……。いえ、少し口の中を切ったくらいで大したことはないですよ」
少々血の味がする口を動かしながら答えたが、明らかに王子様の方がダメージは大きい気がする。少し痙攣しているように見えるが本当に大丈夫だろうか?
「あら、なにやら面白そうなことになっているわね」
王子様が入って来てそのまま開け放たれたままだった扉からくつくつと喉を鳴らすように笑いながら少女と、その後ろから学園長とミリア先生が続いて入って来た。
しかし少女は何者だろう?年の程は俺たち学生とあまり変わらないように見える、どころかそれよりもどこか幼い感じがする。と同時に何故かこの少女から大人の女性の雰囲気も感じられてどうにも印象が噛み合わない。不思議な少女だ。しかも学園長やミリア先生よりも前を歩いていたことからこの二人よりも立場としては上という事に?
「これはティーラ理事長殿、恥ずかしいところを見られてしまったな」
案の定偉い人だった。でもこの少女にしか見えない人が理事長ということはあの学園長より立場が上という事になる。いったいどういう事なんだろう?
「この場では君だけが始めましてかな、ラルク君。私の名前はティーラ・ノリトワ。この学園で理事長をやっているわ。よろしくね」
「あ、はい、よろしくお願いします」
理事長の自己紹介に恐縮しながらも何とか返事をする。頭を上げるとティーラ理事長は何故かとても興味深そうに俺を見ていた。多分魔法の使えない魔力保有量測定不能者が珍妙に映っているのだろう。何故か深く考えることを頭が拒否していた。決して新しいおもちゃを見つけた子供のような顔とか思っていない。
「とりあえずラルク君、カイン王子をベッドまで運ぶのを手伝ってもらっていいかしら」
声を掛けられた方を見ればセラ先生が未だ気絶したままの王子様を介抱していた。
「わかりました」
セラ先生と二人がかりで王子様をベッドに横たえる。痙攣はしなくなっていたが「うーん」と呻いていてしばらく起きそうになかった。
「さて、喜劇が一段落したところで少しまじめな話をしましょうか」
さっきの一幕を喜劇の一言で片づけてしまった理事長が、ニコリと笑顔を作って王女様の方へと歩き始めた。そして王女様の前まで来ると「少し屈んで下さるかしら」と、王女様に自分と目線を合わせるようにお願いすると、王女様の顔を両手で包んで自身は目をつぶって額を王女様の額に押し当てる。
あれにどういう意味があるんだろう?と疑問に思っていると
「なるほど」
と言って王女様から額を離して目を開けると真剣な顔をしてこちらを向いた。
「先ほどアリスティア王女殿下と君の契約内容を読み取っていたのだけど……」
一体どんな内容だったらあんな真剣な表情を作ることになるのか、と固唾をのんで構えていると、理事長は一転、今日一番の笑顔を作って
「ラルク君はアリスティア王女殿下に魔力を譲渡し続ける代わりに、一日に一度王女殿下に命令が出来る、という契約だったわ」
とおっしゃった。
もちろんこの展開にも頭はついてきていなかった。
お読み下さりありがとうございました。
ほんと、これからは定期的に更新できるよう頑張ります!