8話
光魔法のスキルを取得し浮き立つ心を落ち着かせ、まずは食事を作る事にする。
米が食べたいがなるべく生米を置いておくために今日は冷凍の焼肉ピラフに決定。焼肉と名前にはついてるが、細かな肉が多少入ってるだけであり、焼肉風の味付けがしてあるだけだ。なので、焼肉定食用の冷凍の肉を使う。レンジで温めたピラフの上に、冷凍保存してあるキャベツ、玉ねぎ、ピーマンと一緒に解凍済みの肉を一緒に焼いていく。ある程度やけたとこに、焼肉のタレを投入、多めにタレをいれて焼きあがればそれをピラフの上にのせる。お手軽に結構本格的な焼肉ピラフの完成である。
「うん、冷凍ばっかなんだがやっぱうまいな」
ピラフにも焼肉のタレが十分にからみ、丼ぶりものみたいな感じでガツガツ食える。肉の味はいいとは言えないが今はこれしかないので仕方がない。今回増えた能力に解体がついたため、猪の肉が手に入るかもしれない。まぁこの世界で魔物の肉が食べれるかどうかは分からないが、調味料はいろんな種類があるため食材が増えれば、更においしい食事が作れるかもしれない。
そんなことを考えながら完食、食器洗浄機に食器を入れて回せばいよいよ魔法を使ってみよう
まずは光魔法の初歩らしい光源を生み出す魔法だ
体内の魔力を感じる事ができれば魔法を使えるようになるらしい。なんとなく座禅を組み目をつむって試してみる事にした。
うん、なんとなくだがヘソ周辺にもやっとしたものを感じる。これが魔力なんだろうか。
そのもやっとしたものをまずは動かしてみる。なんか簡単に動くのを感じる、これが魔力操作を取得した恩恵なのかもしれない。魔力をまずは手まで動かす。手のひらに魔力が集まったのがわかる。次はイメージだ。
まずは球を思い浮かべる、そしてその球が蛍光灯の光を発しているのをイメージする
「ライト」
魔法名を発すると共に、手のひらから丸い光る玉が出た
「でたっ!まぢか・・俺が魔法を・・・」
スキルを取得したため当然使えるようになったのだが、今までの常識ではありえない現象だ。
おそらく、今の俺の顔は到底他の人には見せられないような顔をしているだろう。
それくらい、歓喜に震えていた。
喜びは収まらないが、まずはMPの確認をする。鑑定を覚えた為自分を鑑定する事でステータスが見える。
MP156/166
消費は10だ。ちなみに鑑定はMPを消費しないのは確認済みだ。よし次の確認だ。まずは出ているライトの光を消す。これは消そうと思えば簡単に消えた。
再びライトの魔法を使うが次は薄暗い感じの昔の白熱球をイメージする。最初のライトよりも幾分薄暗い感じの玉が出た。
MP151/166
今回の消費は5だった
次は部屋の全ての電気を切る。そして部屋全体を照らすLEDの光をイメージし魔法を使う。かなり明るい光が部屋全体を照らす。
MP131/166
今回は20の消費だった。この事から同じ魔法でもイメージによって消費MPが違ってくる事が確認できた。
一旦魔法を使うのはやめて1時間ほど休憩する。そしてその間鑑定でMPの推移を見てみる。
1時間後回復量がわかった。どうやら5分毎に回復するようだ。回復量だがまず1回復した。その5分後には2、次の5分後には1回復した。次が2回復、その次にも2回復した。おそらくだがMP総量の1%が5分毎に回復するのだと思う。
MPには見えないだけで小数点以下の数値もあるのだろうと推測した。MPが0になった場合、全回復するのにおよそ8時間30分ほどかかる計算となる。
思った以上に回復しないことがわかり、今後スキルで補うかMPが増えるようステータスを振る事も考えておくべきだろう。
そんな感じで検証を続けた。ここできちんと検証しとかないと、今後いざという時に手遅れになる可能性もある為、しっかりと検証した。
それで分かった事だが、やはり魔法はイメージと魔力の操作技術が高ければ高いほどできる事がふえる。ただし、スキルレベルが低ければイメージができても発動しない。また魔力操作のレベルが低くても発動はできない。
回復魔法も試してみた。針で刺したような傷ならMPは2程度で傷は治った。包丁で多少の切り傷でも4程度の消費で傷はふさがった。光魔法と魔力操作のレベルが上がれば部位欠損すら直せそうなのがなんとなくわかった。死者を生き返らせるのはどれだけレベルが上がろうが無理そうだ。
検証ばかりで面倒なイメージがあるが、実際はとても楽しい時間だった。やはり魔法を使うってのは大多数の人が1度は抱く夢だと思う。それが現実となり、自分が使える。こんなに嬉しい事はない。今日は寝る前に最後の検証としてMPを0にしてみるつもりだ。
明日は魔物相手にも魔法を使ってみよう。レベルが上がり今後に多いに期待できる1日だった。