6話
シュッシュッシュッ
「ハァ・・」
今現在何してるかというと、新しい武器の手入れをしている。大量ポイントをゲットした時に手に入れたのだ。数匹のゴブリンだが武器を持っていた個体がいた。ゴブリンが武器を自ら作ったとは考えにくい。ということは、この世界に知的生命体がいることの証拠だと思う。
それで剣2本、槍1本を手に入れたのだが全て見事に錆ていたのだ。剣は錆がひどく使い物になりそうになかった。槍も錆びていたのだが、包丁用の砥石で砥げばまだ使えそうな感じだったのだ。
「まぁ、こんなもんでいいか」
一応槍を砥終わり、寝る前に見たステータスを考えてみる。あれだけの魔物を狩りレベルが上がらないというのは普通に考えておかしい。レベル表記があるので、上げる方法はあるんだと思う。
魔物を狩って上がらないのであれば、現状もうあれしかないのだが・・
もし、その予測が外れてた場合詰む可能性が高い。まぁ、今は考えても仕方ない。
そんなわけで、槍の練習をしてみることにする
「やっぱ、重いな」
長さ約2M程の槍なんだが、鉄ごしらえの槍の為かなり重い。まぁ突くだけなので問題ないが、振り回すのはとてもじゃないが無理だ。
剣を試してみる、錆びてるが練習には使えそうだ。刃の長さはおそよ70cm程、おそらくは片手剣、所謂ショートソードってやつだと思う。そして振り下ろしてみるが重い。槍ほどじゃないにしろ、振るたびに身体が剣の重みに引っ張られる。それから素振りを繰り返すが10分程で限界がきた。
「きっついなこりゃ」
握力もどんどん無くなっていき、腕も今は上げるのもしんどい。これは、今日から訓練だな。
「走るか・・」
ホテルの外周を走る事にした、剣の重みに慣れる事と体力作り、これから生きていく為に今やれることをやるしかない。
あれから、12日程たちポイントが5000Pを超えた。どうやら自動的にランクアップするわけじゃなく、こちらで操作しないといけないみたいだ。まぁ、毎日の消費ポイントあるから自動じゃなくてよかったけどね。ランクアップは後にして、この12日間に分かった事を先に考えてみよう。
まずホテル内に関してだが大きな変化があった事に気づいた。
1階部分なんだが転移前は1階には備品倉庫があり、その奥には受水槽とポンプ、更に奥には今は使ってないボイラーが設置してあった。
そして転移後だが備品倉庫はあったのだが、受水槽、ポンプ、ボイラーが無くなっており扉付きの部屋が一番奥にあった。この部屋なんだがいろいろとおかしい。まずホテルの面積から考えてもおかしいくらいに広い。縦横高さ全て50M程はある。
この事から考えても、ここが別空間になってると考えられる。そして部屋の右側1/3程度には金属ラックと冷凍庫が置かれていた。
で、ここが何なのかというとホテルの能力の倉庫らしい。一度魔物を収納後見に来たらしっかりと死体はあった。そして更にいろいろ試した結果、この場所は時間経過しないらしい。ただし、扉を閉めてた場合のみ、開けてる間は経過するらしい。一度スイーツとしてメニューにあったソフトクリームを収納してラックに置いたのだが溶けていなかった。扉をあけて置いておくと普通に溶けた。
また、収納したのを取り出すには中に入って直接もっていかないといけないのだが、中に入ってる間は扉を閉める事はできなかった。物を取り出してる時は時間は普通に経過してるって事だね。
そんなわけで、冷凍食品は冷凍庫へ、他のものはラックへと収納した。
他にも溜まったゴミをゴミ置き場においていたら、次の日には消えていた。どうやらゴミ処理もしてくれるらしい。
そしてこの事が発覚したのは異世界転移後5日目の事だった。
かなり凹んだ。すでに5日目だった為日持ちしない卵を全て食べた後だったのだ。毎日無理して食べたのに・・・
そんな悲しい事もあったが今食材及び備品の全てをこの倉庫へ収納してる。そしてこの倉庫に入ってるのはフロントコンピュータにリストとして出てくる。
次に受水槽とポンプが無くなっておりどのように、ホテル内に水が流れてるのかが謎すぎる。更にガレージの地下にあった浄化槽もなくなっていた。トイレに流したものは一体どこへ消えたのだろうか・・・
考えてもわからないので、放置することに決めた
次は魔物だが今日までに現れたのは今までに見た4種類しか見かけない。猪は滅多にでず、ゴブリンと狼が多めに見かけられる。そしてゴブリンと猪だが今まで違ったのが現れた。ゴブリンにはなんと魔法を使う個体がいた。見た目はほぼ同じで見かけで判断はつかない。
そして魔法なんだが興奮したね。最初見たのはソフトボール大の火の玉が飛んできたんだが、当然の如く結界によって防げた。そして着弾後燃え広がるような感じだった。結界無しだとかなり危険な感じだが速さ的にはそれほど早くもなく避けるのは問題なさそうだった。他にも岩を飛ばして来る個体も発見できた。
ポイントに関しては数回魔法を使った後はこちらに近づいて来る事もなく逃げて行ったので不明だ。いずれ自分も魔法を使える可能性を考えると興奮してくるね。早いとこレベルを上げたいもんだ。
猪は前に出た大きさのではなく、1/3程度の大きさだった。こちらは槍で障壁にぶつかった後突く事で比較的簡単に倒せたのだがポイントは30Pだった。前に出たあの恐ろしい程でかい猪は特殊個体だったぽい事がわかった。あれ以来見かける事はなかった。
武器に関してはあれからいくつか手に入った。大多数はやはり錆びてるが、普通に使えそうなのも手に入った。槍が1本、剣が2本、斧が1本だ。この槍を手にいれてからオークを狩るのが今までよりはるかに楽になった。
砥石でどうにか使えるようになった槍はオークに思い切り刺したら折れちゃったんだよね。やっぱある程度ましに見えても錆びてるのは使えないらしい。いまだ槍以外は魔物を狩るのには使ってないが、いずれは剣を使ってみたいと思う。やはり憧れがあるんだよね。
あれから毎日訓練として素振りと走り込みはしてるが、まだ剣の重さに慣れていない。そう簡単に筋力はつかないって事だな。持久力は多少だが上がったような気もする。
他にはこの森の暗さだ。一度昼間に外に出たのだが夜と全く変わらなかった。その為昼間でもネオンを付けて狩る事ができると思ったのだが、こちらはやめた。昼間だと森に冒険者?みたいな人が入って来ててもおかしくない。こんな森にこんな建物があるとか異常すぎるだろう。その為なるべく人のいないだろう夜にのみ狩りをすることに決めた。
この12日間ではこんな感じだ
さてお楽しみのランクアップをしますか。