2話
ホテルの中へ入った俺は大きく息を吐く
「はぁぁ、助かった・・」
おかしくねぇ?
最初はかなりビビったが自分の命を狙う魔物とはいえ、生き物を殺しても結構冷静だ。こりゃあれか、精神が異世界で生きる為に変質してるのかもしれない。今までの俺なら確実に吐いてると思うしな。
それよりも重大な事に気づいた。今は深夜4時を過ぎてる、なのにホテル周辺ははっきりと物が見えるくらい明るい。お気づきだろうか?ここはラブホである。夜になるとピンク色のネオンが煌々と輝いて周りを照らしてるのだ。きっとゴブリンが来たのもネオンのせいだ。俺は外部のネオンを切るためにフロントへ急いだ。
カチカチカチ
ネオンのスイッチはすべてOFFにこれで外は真っ暗、これで大丈夫だろう。
しかし、建物がチートか・・助かるが・・こんな森の中でどうしろと。ずっとここにいなきゃいけないのか、現状では建物から出る事は自殺するのと何も変わらない。結界があったからゴブリンを倒せたが、ない状態では殺されるだけだ。
今は現状をいろいろ確認していくしかないな
「さてと、水道も電気も使えるし、食料はっと」
客へのルームサービスのために冷凍食品がたんまりと、米はまだ30k程度はある。米がなくなっても冷凍ピラフ類がたくさん。調味料も業務用の大きいのがそれなりに。飲み物も冷蔵庫商品用のが各種あり、お酒も生ビール、焼酎、ワイン、ウイスキー等あり。日持ちしないのは、朝食用の卵に生野菜くらいか。食料は全く問題ないな。半年は余裕で食べれるはずだ。これはなによりもありがたい。異世界にきてもそれなりに豊かな食生活を送れそうだ。
服も販売用の下着にTシャツもあるし、ズボンだけは今履いてるのと、ロッカーに置いてる替えが1枚か・・まぁ両方ジャージだが問題ない。衣食住に関しては問題なさそうだ。
後はどうやってこの世界で生きていくかそれが問題だ。そういやゴブリン達血まみれだったのに全然血が飛んでないな。結界は返り血も通さないのかも。
「死体どうにかしないとな・・匂いにつられて他の魔物が寄ってきそうだ」
結界もあるし水道、ガス、電気が使えるって事はこのホテル自体に何か能力が付与されてると。他にもあるかもしれないな。
ん?
フロントコンピュータの画面が何かいままでと違うような・・
今までは客室表示と入室時間、メンバーNOとかしか表示されてなかったんだが、今までなかった数字があるぞ。
ホテルポイント 99
なんだこれ?
各種設定画面見てみるか
あった!!
そこには今までなかったステータス表示という項目があった。