25話
さて今日からはオーク狩りで一気に資金を稼ごう
一応ギルドに向かい依頼を確認してみるが、やはりオークの依頼はなかった。依頼があれば買い取り金額が上乗せされるのに残念だ。今日は受付におばちゃんの姿は見えない。依頼を受けない日に限っておばちゃんがいないとか何の嫌がらせなんだろうか。用もないのに受付に行く事もできず、そのまま街を出ていく事にした。
ちなみに薬草等の採取依頼は常時依頼となっているので、依頼を受ける必要はないとの事だったのだ。昨日は実際にはホーンラビットの依頼のみ受付で処理されてた。
今日も馬車にはのらず、少し早めの速度で歩いて行く。鎧を着てるのには慣れたが、森に1人でいるときみたいに訓練の時間が取れていないからだ。森まで歩くだけでも身体は鍛えられるはずだ。
森の手前につくと他の冒険者達もやはりホーンラビットのいる森へと入っていく。やはりカエルに比べると狩りやすいし、お金にもなるもんな。ただウサギだけ狩っててもレベルは上がらないので一定数だがカエルの森へと入る人もいるみたいだ。俺はオーク狙いなのでウサギの森へ入り、奥へと入っていく。途中で目についたウサギはホテルの収納へと倒して入れとく予定なんだが、やはり数は少なくオークの森の入り口につくまでに2匹しか狩る事はできなかった。
安全の為にホテルを出したいとこだがこんな場所で出せば誰かに見られるかもしれない。今の俺のステータスは物理面ではオークとほぼ互角、速度では十分に勝ってるし魔法なら十分に勝てるはずだ。
意を決しオークの森へと入っていく。やはりここには誰も狩りに来ていないのか気配察知にすぐにオークの反応を捉えた。だが一匹ではなく2匹いるみたいだ。一匹なら十分に対応できるのだが、2匹相手にどうしようか悩んでしまう。
気配を消しながら考えた結果、やるだけやってみる事にした。無理そうなら逃げればいいしね。今いるのはウサギの森からそんなに離れていない。速度的にも勝ってる為逃げるのは簡単そうだ。ウサギの森まで行けばオークは入ってこないしね。
当然正面から2匹とやり合う気もなく、まずは一匹を魔法で倒す。矢ではなく威力のある槍で攻撃することにする。
魔力を練り上げ、今出せる最大数の4本の光る槍を自分の頭上へと作り上げる。本数が増えてるのは訓練の成果だ。最初は2本までだったのだが、森を出る為のランクアップに予想以上の時間がかかった為、魔法の練習を十分にすることに出来たのだ。森を出るのが遅くなった事の唯一の成果かもしれない。そんなわけで今では普通に発動するだけなら1秒程度、矢なら10本、槍なら4本まで一度に作り出す事ができるようになった。これもある事に気づいた事がよかった。最初の頃は矢を一本づつ作りだしてたのだが、4本を超えたとこでそれ以上は作り出せなかったのだ。それが限界だと思っていたのだが、一本づつ出すのが面倒になって複数を同時に出す練習を始めた。当然最初は一度に複数の矢を作る事はできなかった。練習を重ねるうちになんとか2本を一度に作り出す事に成功した。そのまま3本、4本と増やして行きこの方法だと5本以上も作れる事に気づいたのだ。50日近く練習を続け、最終的には10本となった。これ以上は魔力操作のレベルを上げないと無理そうだった。11本に増やすのはどれだけ練習しても成功する可能性すら見えなかった。そんなわけで現在では4本の槍を作るのも10秒程かければ可能となった。1本なら2秒程で作り上げれるんだけどね。
ともかく4本の槍を頭上に作り上げた。オークはまだ気づいた素振りも見せない。今なら不意打ちで攻撃を当てるのは可能だろう。魔法名を言わなくてもきちんと発動はする。ただ言ったほうが制御しやすいだけなのだ。言葉に出す事でイメージが補管されるんだろうな。
今回は不意打ちの為、言葉に出さずまずは2本を一匹のオークへと発射した。光る槍はオークを後ろから貫き、オークは即死した・・・
ボト・・ズドン
貫いたのはいいんだが・・・オークは見るも無残な姿となっていた。胴体部分に当たった魔法は大穴を2つ開け胴体部分は消し飛んだ。残った上半身が地面に落ち、続いて腰から下が崩れ落ちた。
「ピギィィィ」
音に気付いたオークがこちらへ向かって来る。今起こった事に混乱しそうになるが、今はこいつをどうにかしないといけない。頭上に残った2本の槍を発動させる
【穿て光槍】
ちなみに魔法名なんだが、最初ライトアローとかライトスピアーなんて言ってたがどうにも魔法の安定感がいまいちだった。そこで日本語にしたんだが、やはり長年使ってきたためかイメージがはっきりとできるようになったのだ。その為今では日本語で魔法名をいうようになっている。イメージがはっきりとできるようになった為か、矢や槍の速度、威力もあがったように感じる。
先ほどよりかなりの速さで飛ぶ槍はオークへと正面から向かう。避けれないと思ったオークは腕を交差し防御したのだが、その腕ごと頭部を消し飛ばした・・・
イヤイヤイヤイヤ
どうなってんの威力高すぎだろ!
少しの時間の後、我に返った俺はかなり動揺していた。MPを確認してもいつも通りの消費だ。魔力を込めすぎたわけではなさそうだ。そうなるとステータスの違いしかありえない。たしかレベルアップ前のMAGの数値は30だった。それが今は80へと上昇している。約3倍になっただけでこれだけの威力って事なのか。オークの魔法耐性のなさも関係はしてるのだろうが、威力高すぎだよなぁ。
ふぅ・・まぁなんとか落ち着いた。そして無残な姿のオークを見る。これギルドには持っていけないな。一匹は肉になる部分は消し飛んでるし、もう一匹は顔と腕が無くなっている。魔法で倒したのがバレバレだ。この2匹は収納してポイントに変えてしまうが、何故かポイントはいつも通り80Pだった。これだけ損傷しててもポイントは同じという謎はあったものの、腹の消し飛んでるオークからは肉は取れなかった。その当たり前の事に少しだけ安心した。もしこれで肉が手に入ったりしたら謎すぎて頭がおかしくなってしまいそうだった。ともかく狩りを続けよう。今日はオークを解体せずに持ち込む予定の為、考えて狩らないといけない。
そして更に森の奥へと進んでいこうとしたのだが、奥へ行くまでもなくオークはすぐに発見できた。人が全く入らない森は本当に魔物が溢れてるみたいだな。今度は都合よく一匹だった為、剣で狩る事にする。すでにオークは捕捉済みだが若干先程の動揺も残ってる為少し時間をおいた
落ち着いた俺はオークの10M先に姿を見せる。俺をはっきりと確認したオークは巨大なこん棒を振りかざし、重そうな身体でドスドスと地面を揺らし襲い掛かってきた。前までの俺なら恐怖に駆られ動く事すらままならなかっただろう。だが安全な場所からといえど幾度となくオークと相対してきたからか、レベルが上がった為かは分からないが冷静にオークを見ていた。まずはオークの攻撃に慣れる事だ。
オークはこん棒を振り上げ、振り下ろす。STRの数値が高い為かその勢いは相当なものだ。冷静に軌道を読み避けていく。特に変わった攻撃等なくこん棒を上から横から振りぬいてくるだけだった。次々と飛んでくるこん棒を左右によけつつ、相手の動きを観察した。たしかに威力は相当なもんだ。地面に当たれば陥没もするし、風を切るような音も聞こえる。食らえば死ぬ事はなくても、かなりの痛手を被るのは目に見えている。
そろそろいいだろう、オークの攻撃にも慣れてきた。こん棒をよけ手や足を狙って斬っていく事にする。オークに勝てるとすれば速度をいかして少しづつダメージを与えていくしかないだろう。いきなり大きなダメージを狙っていくと、こちらがダメージを食らいそうだ。
オークの振り下ろしたこん棒を掻い潜り後ろへと移動する。オークは当然無防備だ。そして剣でもも裏を切りつけ、後ろへ飛び去ると先ほどまでいた場所には横なぎのこん棒が通っていった。再び対峙し先ほどと同じ様に、避けては斬り離れる。それを幾度となく繰り返した。さすがはオークだ、剣で倒そうとするとしぶとすぎる。だが今目の前にいるオークはすでに足や腕には無数の切り傷があり、血を垂れ流し満身創痍の状態だった。オークも覚悟を決めたのだろう。最後の力を振り絞り、身体全体を使い、倒れるようにこん棒を振り下ろしてきた。軌道を冷静に読み少し斜めに飛びかわすと、そこには魔木があり、その魔木を蹴りその反動でオークの真上まで戻る。両手で剣を持ち、倒れるようにこん棒を振ってきたオークの首めがけて力一杯振り切った。剣は首を斬り飛ばし、そこにはすでに物言わぬオークの死体だけがあった。
ふぅ疲れた・・・危なげない勝利だったが肉体的にも精神的にも疲れた。戦闘時間はおそよ5分くらいだろう。攻撃は見えているし避ける事も簡単だったのだが、食らうとただじゃ済まないだろう攻撃をひたすら避けるのは精神的にかなり疲れたのだ。一匹なら勝てるが2匹くるとさすがに無理だな。たがようやくオークをガチで倒せた事に満足感はかなりのものだ。魔法であっさりと倒すのとは違った高揚感を与えてくれた。
このまま連戦はさすがにきつそうなのでもう少し奥へ入ったとこでホテルを設置することにした
時刻は12時くらいか。帰る時間をいれれば後2.3時間しか狩る時間はなかった。コーヒーを飲み一息つきながら考える。街からここまで来るのに時間がかかりすぎるのが問題なんだよな。早めに歩いて5時間くらい、思い切り走っても3時間はかかるのだ。ウサギの森からオークの森まで50k近くある。やはり森の中で一泊しなきゃ十分に狩る事はできないみたいだ。決めた今日は森で一泊して明日街へ帰ろう。1日5匹づつオークを持って帰る予定だったが、2日で10匹でも問題ないだろう。たぶん・・
そうと決まればホテルを使って安全な狩り、いやお仕事をしますか。オークとガチでやるのは満足感が得られるがさすがにずっと連戦するのはきつい。1日一回も戦えば十分だろう。魔法に関しても先ほどのでMPは3割使っている。槍を4本出すだけでMP120も消費するのだ。ホテルがあれば仮眠を取りMP回復する時間も取れるわけだ。
早速少し狩る事にした。ホテルのネオンを付けるのでもいいのだが、光がホテルの周囲全てに広がってしまう為、ウサギの森にいる冒険者に気づかれないとも限らない。そんなわけでこれだ。
【輝け光球】
LED並の光を発する玉が出る。それを操作し、ホテルの入り口から少し離れた場所へと浮かべる
やはり魔物の数は多いな、それほどの時間もたたず、5匹ものオークがこちらへ向かってきた
さぁ簡単なお仕事の始まりだ
翌日12時を回ったところで一旦街へと帰る事にした
やっぱホテルを設置すると効率が半端ないね。途中少しづつ奥へ設置場所を変えて行ったりもしたが思う存分狩る事ができた。さらに森の中なのにこの居心地の良さ、ここ最近はずっと街の宿に泊まっていたがやはりうちのホテルは素晴らしい。
森の中にいながら気持ちいいベッドで仮眠はできるし、食事だって美味しい。風呂に入って、酒だって飲める。そんな状態での安全な狩りだ。結局今回は全部で32匹のオークを狩る事ができ街へと帰って行った。
今回は時間もあるので多少早めに歩く程度で街まで帰ったのだが、やはり5時間くらいかかったみたいだ。そのままギルドへ直行する。
受付を見るにやはり冒険者が依頼を終わらせて帰ってくる時間らしく、今日は4か所ある受付は全て人が並んでいた。今回は依頼を受けていない為買い取りカウンターの方へと向かった。
買い取りカウンターにいたのは初老の男性だった。鑑定してみると鑑定スキル持ち、レベルは2だった。
「こんばんは、オークの買い取りをしてもらいたいのですが」
「オークですか。解体済みならここで、解体がまだでしたら裏の解体所に持って行ってもらう事になります」
どうやらオークは大きい為解体所にもっていかなきゃいけないみたいだ。職員に教えてもらい、買い取りカウンターの端にある通路を進み裏口から出た。そこには大きな倉庫みたいな物があった。どうやらここが解体所みたいだ。
近くにいる30台くらいの男性職員に言うと中へ通され、オークを出すように言われた。アイテムボックスからオークを10匹取り出し並べていく。
「兄ちゃんすごいな。オークを10匹も1人で狩ったのか」
「えぇ夜営しながら二日の成果ですけどね」
それでもすごいぜ、と言われここの利用システムを教えてくれた。どうやらオークの解体に一体当たり1万z取られるみたいだ。受領証みたいなのを受け取り、明日以降ギルドに来た時に買い取り金額から解体費用を引いた金額が渡されるみたいだ。それじゃお願いしますと声をかけ今日はギルドから出て行った。その時シエラさんの「ちょっとよっていきな」という視線を感じた気もしたが、気づかないふりをしてそのままギルドを後にした。
もう怒られるような事はないはずだが、毎日おばちゃんの相手するのも疲れるんだよ
そのまま適当に街をぶらつきつつ目についた宿へと今日も泊まった
HTP 3438/30000
所持金 37万500z
これにてストック分が切れてしまいました。今後は不定期更新とさせていただきます。最低でも一週間に1話は更新する予定ですので今後ともよろしくお願いします。また評価やブックマークをしてくださってる皆さまありがとうございます。完結目指してこれからもがんばっていきます




