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ラブホと歩む異世界生活  作者: 岳
冒険者編
24/29

23話

 宿の扉をくぐり真っ青な空の下を歩く


 太陽もまだ登りきらず、まだ若干薄暗いにも関わらず大通りには大勢の人が行き交っている。今日も天気は良さそうだ。初の依頼に臨むにはいい日だろう。


 昨晩泊まった宿は4000zと前日に泊まった小鹿亭より若干安かった。宿としてのグレードはほぼ変わらなかったが、食事に関しては比べようもなかった。食べれなくはないけどなぁという感じの食事だったのだ。このランクの宿ではこの程度が普通なのかもしれないな。今後も様々な宿に泊まっていこうと思う。


 大通りを南へと進み、ギルドへと到着する


 ギルドの入り口は多くの冒険者達が出入りしてるのが見受けられる


 ギルドへと入り、多くの人が動き回ってる様子を見ながら2階へと上がる。2階には資料室の他に冒険に役立つ様々な物を取り扱っている店があるのだ。


 そこへ行きまずは講習でも言ってた地図を買う。他にもポーションらしき物も置いてあるようだ。回復魔法の使える俺にはそこまで必要はないが、何があるかわからないので一応購入することにした。店員さんに聞いてみるとポーションは飲むか怪我をした部位に振りかける事で効力を発揮するらしい。多少の傷ならこれで治るようだ。他にも魔力ポーションもあるみたいだ。HPやMPを数字として認識できるのは高レベルの鑑定でしか現状知る事はできないが、魔法使い達は自分の魔力の残量をざっくりとだが認識できるみたいだ。残り何割とかそういう認識らしいが。この魔力ポーションを飲むことにより魔力がいくらか回復するのは分かるみたいだ。


 鑑定してみると


体力回復ポーション・・・軽度の傷を治す事ができる。飲む事により体力も若干回復する。薬草と初級以上の魔石の粉末を混ぜ合わせる事で作成できる。HPの2割を回復


魔力回復ポーション・・・飲むことでのみ効果を発揮。魔力の回復速度が若干向上。魔力草と中級以上の魔石の粉末を混ぜ合わせる事で作成できる。MPの2割を回復


 こんな情報がでてきた。割合での回復というのはかなり使えるだろう。


 鑑定レベルが上がる毎に情報が増えるのだが、ステータス数値がわかるのもLv4からだった。HP、MPを何割回復というのもLv4にならないと分からないのだろう。ちなみにLv5まで上がれば作成者の名前がわかるみたいだ。現在見える情報には作成者???と出ている為、そう予測した。作成者がわかったところで意味ない気もするが、物によっては最重要な情報なのかもしれない。


 そんなわけで地図と各ポーションを1本づつ買う事にした。1本なのは高すぎてお金がやばい事になるからだ。地図が5万z、体力ポーション1万z、魔力ポーション5万zの値段だった。合計で11万の出費だ。今一番の目標は300万z溜める事なんだがわずか二日で100万以上使ってしまった。必要経費といえど痛すぎる出費だ。今日から依頼をこなしどんどん稼いでいこう。


 その後地図を見て第一層の魔物について書かれている資料を読んだ


 日帰りできる程度の場所にあるのは4か所、4種の魔物だ。地図によるとこんな感じだった



         【街】




   《☆》《1》《2》《3》《4》

                《1★》

     《4》《5》《6》《7》


1・・・ゴブリン

2・・・ホーンラビット

3・・・フォレストフロッグ

4・・・コボルト

5・・・オーク

6・・・フォレストバット

7・・・レッドグリズリー

☆ ・・ゴーレム


 あくまでも簡単にだがこのような地図となっている。ゴブリン、コボルトといった有名な魔物は比較的多くの森に存在するようだ。街から20kほどの距離にホーンラビットの森があり、南門から数時間置きに馬車が出ていて馬車で1h程度かかるらしい。また森側にも馬車の停留所がありその停留所が2と3の森の中間点らしい。G、Fランクの冒険者が間違って別の森に入らないようにその位置に置かれてるみたいだ。これらは昨日の講習で教えてもらった。


 3のフォレストフロッグは灰色の大きな蛙の魔物だ。初級の魔物で資料を見る限りウルフと同程度の魔物だが、長い舌による遠距離からの攻撃が特徴らしい。冒険者なり立てで遠距離攻撃してくる魔物の対処は難しい為、停留所の位置を確認し間違ってもそちら側へ入らないように注意された。


 6のフォレストバットは1m近くの大きさをもつ蝙蝠だ。初級の魔物なんだがこちらは中級に近い強さを持つと言われてる。暗い森の中頭上より攻撃してくるこの魔物は対処するのが難しいみたいだ。


 ☆と右端の1★については俺が書き込んだ。☆の位置が現在、国の兵士達が攻略中の森だ。ゴーレムからは鉱石が取れるらしく、長い間上位ランクの冒険者の狩場として重宝されてきた。Cランクのパーティなら問題なく倒せる程度の強さらしい。またDランクでも魔法使いさえいれば簡単に倒せるみたいだ。右端の1については7がレッドグリズリーの為、自分が森から出てきた場所だと思う。初めにホテルがあった場所は★の位置よりさらに南東方向にあるんだと思う。


 これで資料室にて調べるべき事も終わった



 



 準備も整ったので一階へ降り、掲示板に張られている依頼を見ていく。


 一番多い依頼は街中で行う依頼だった。肉体労働みたいな物から皿洗いまで多種多様に渡った。これらは日給で3000~6000z程度の賃金だった。そして一番意外だったのは討伐依頼が全くない事だ。街中の依頼と他の街への届け物、護衛、素材関係程度しか依頼がなかった。森へ行く冒険者の多くは素材採取の依頼をうけているみたいだ。漫画やゲーム等でよく見かける~を何匹討伐というのは一切なかった。理由は考えてみれば簡単にわかった。森から基本魔物が出てこないこの世界だと討伐系の依頼は滅多にないのだろう。盗賊やたまに現れる森以外の魔物はこの周辺で現在確認されていないのだろう。


 今日は薬草と魔力草の採取依頼とホーンラビットの納品依頼を受ける事にした。この3つは常時依頼となっていていつでも受けられるようだ。薬草は一束500z、魔力草は3000z。ホーンラビットはそのままの持ち込みでも問題ないが、解体手数料を取られるみたいだ。未解体の状態では一匹5000zらしいが死体の状態により増減ありとある。


 その3つの依頼を受けるべく受付へと向かう


 丁度いい感じに受付はかなりすいていた。5つある受付のうち今なら2か所が空いていたので早速向かう


 空いている2か所のうち1つはおばちゃんの場所だ。そしてもう1か所はおばちゃんの隣で獣人の可愛い女の子の場所が空いていた。


 当然の如くその獣人の女の子の場所まで向かう







「はぁぁぁ、おはようございます。この3つの依頼を受けたいんですが」


「人の顔みてため息吐くなんざ全く失礼な子だね」


 いや俺の反応は正しいだろう。俺は獣人の子のところへ行きたかったんだよっ!


 なぜここにいるかというと、おばちゃんの圧力に耐えかねたのだ。俺を見つけたシエラさんは隣の受付へ向かうのを見て、無言の圧力をかけてきた。何も物言わず視線だけがひたすら飛んできた。冷や汗を流しながら気丈にも可愛い女の子の元へ向かっていたのだが、気が付いたらおばちゃんの目の前に立っていたのだ。知らず知らずのうちに圧力に負けていたみたいだ。全く恐ろしい人だな。


「その理由わけはシエラさんがよくご存じのはずですが?とにかくこの依頼お願いしますね」


 隣の可愛い子に未練がましく視線を送る


「目の前に美女がいるのに他に目を向けるとは感心しないねぇ」


 何いってんだろうな、このおばちゃんは・・・誰が美女なんだろ・・


「美女ですか・・美女じゃなくておばちゃ・・」


「何か言ったかいっ」


「イエ、シエラサンハイツモキレイデスネ」


「気持ちがちっともこもってないねっ」


 いったい俺にどうしろと・・俺は基本正直者なんだよっ


 隣からくすくすと可愛らしく笑う声が聞こえる。笑った顔がものすごくカワイイ


 あぁ俺のオアシスはそこに・・


  ドンッ!!


 おばちゃんが机を叩いたのだろう音に意識を取り戻す


「受付は終わったよ。ボケっとしてないでさっさと仕事にいきなっ!」


「ああ、レベルが高いといっても初めての依頼なんだ。今みたいにボケっとしてて怪我するんじゃないよ。無事に帰ってきな」


 くっ、これがツンデレというやつなんだろうか。いやおばちゃん特有のお節介だな。そう思おう。


「わかったよ。気を抜かず行ってくるよ。ありがとう、おばちゃん」


 そう答え早々にギルドを立ち去る


 後ろで「誰がおばちゃんだ!絞め殺すよ」なんて物騒な声が聞こえてくるが気のせいだろう





 逃げるようにギルドを後にし、南門から出る


 今日は馬車にのらずゆっくりと歩いて行くことにした。初めて鎧なんてつけたので重くはないのだが何か違和感があったからだ。


 まずは馬車の停留所へ向かってるが、馬車や人の足で踏み固められた道があるので迷う事はない。道に沿って途中動作を確認しつつ歩いて行く。停留所というか看板らしきものが建てられた場所についた時、ある程度は鎧を付けているのにも慣れてきた。さすがに完全に違和感が無くなる事はなかったがいずれは無くなるはずだ。


 地図を確認しホーンラビットのいる森へと向かう。ウサギさんに会いに行こう。おばちゃんに邪魔されて獣人の女の子と仲良くお話できなかった俺には、もはや魔物といえどかわいいウサギさんに癒しを求めるしかないのだ。つぶらな瞳がウルウルしていて、ふさふさな毛並みが心地よい手触りを与える、長めの耳を揺らしながらピョコピョコ跳ねてる愛らしい姿を想像し森の中へ入った。





  ザシュッ


 勢いよく振り下ろされた剣により首が飛ぶ、胴体からは勢いよく血が噴き出しあたりを染め上げた。


 ギラギラとした瞳は色を失い、何処を見ているのかもわからない。可愛げのかけらもないウサギの首がそこには落ちていた。


 森へ入り30分ほど捜索したとこでようやくウサギさんを発見したのだ。ウルウルとしているはずの瞳はギラギラと殺意に満ち、ふさふさの毛皮は殺意のあまり逆立っている。ピョコピョコ飛び跳ねているはずが、こちらを角で突き刺そうと勢いよく飛びかかってきた。反射的に剣を抜き、横によけるとそのまま首へと剣を振り下ろしたのだった。


 所詮は魔物、癒しを求める相手にはならなかった。分かってたけどねっ!


 気を取り直しどんどんと狩って行こうと思うのだが、街から近くにあり弱いわりにそれなりのお金にもなるという事で多くの人が狩りに来ている。その為魔物が数がかなり少ない。30分の間にも冒険者の気配をそれなりの数感じた。だが依頼を受けている為最低2匹は持って帰りたい。


 ウサギをアイテムボックスへと入れ、もう少しウサギを狩ろうと探し始めた。


 あれから更に2時間ほどウサギを探し求めた。レベルはまだ低いが気配察知のスキルのおかげで計10匹狩る事ができた。5匹はアイテムボックスへ入れ持ち帰る。残りの5匹は倉庫へ入れ解体した。ポイントは3Pとゴブリンよりもやはり低かった。鑑定の結果もゴブリン以下のレベルだったからだ。


 このままここらで狩りをしていても仕方ないので、隣のフォレストフロッグを狩りに行くことにする。だがその前にあまり魔物のいないここで食事を取る事にした。


 持っている食料はカップ麺とお菓子類だ。カップ麺を食べる事にし、湯を作る事にする。


 まずは新聞を適当な大きさにして敷き、その上に廃材の木材を置く。そして上から油を掛け、ライターで新聞紙に火をつける。なかなか木材にまで火がつかず苦労したがどうにか火を起こす事ができた。鍋に水を入れ手に持ち湯を沸かす。




 どうにか食事を取れたのだが、はっきりいって面倒すぎる。火か水の魔法を取得するか、もしくは何か湯でも沸かす魔道具みたいな物はないのだろうか。街灯らしき物があったので魔道具はあるかもしれない。買えるかどうかは微妙な所持金しかないのが悲しい。水を火に掛け、きちんと消えたのを確認して隣の森へと歩いて行く。







 歩く事1時間ようやく蛙らしき反応を捉える。

 

 その姿はたしかに蛙なんだが1m近くもあり、はっきりと言って気持ち悪い。気配遮断で近づいて倒すのが楽なんだが実践経験を積む為にも普通に近づく事にした。


 およそ10m程のとこで蛙もこちらを見つけたようだ。




種族  フォレストフロッグ

Lv   9


HP:110

MP:37


STR:16

VIT:15

AGI:18

DEX:23

MAG:7

MND:10


スキル


鞭術      Lv2

噛みつき    Lv2


 ステータス的に負ける要素は全く見当たらないな。ただ鞭術が謎すぎるが・・舌を伸ばして攻撃してくると資料で見た事から舌が鞭の代わりなんだろうが鞭術に分類とは謎だ・・


 10mほどの場所で対峙してるのだが、こちらを見ているだけで一向に動かない。仕方ないのでこちらから慎重に剣を抜き近づく。


 5m程に近寄った時だった。何の前触れもなくこちらへ飛んでくる物があった。これが舌での攻撃か。足への攻撃だったが問題なく後ろへ飛びかわす。十分見切れるのだがたしかに厄介だ。5mくらい離れた位置からの攻撃もそうだし、何よりモーションらしいのが全くないのが嫌らしい。たしかに冒険者になり立てじゃきついなこりゃ。


 先ほどの攻撃はおそらく足に舌を巻きつけ転がすと同時に引っ張り込む予定だったのだろう、そしてそのままガブリか。厄介だがまぁ今の俺なら余裕だろう。さて問題はどうやって倒すかだな、いくつかの方法を思い浮かべ実行する。


 再び蛙に近づいて行く


 来たっ


 舌が伸びてきたのを確認し、それを避けそのまま最高速度で蛙へと近づいた。そして剣を振り下ろし蛙を真っ二つに切り裂いた。


 ただ単に舌を伸ばしたのを確認して、舌が戻る前に蛙へ近づき攻撃する。まぁステータスによるごり押しだね。AGIもかなり高くなってる為こんな事も可能だ。さぁどんどん行こう




 ウサギの森とは違い、こちらは結構過疎っていた。低レベル者には結構きついからなぁ、ただ遠距離攻撃の手段さえあれば楽に倒せそうには思える。そんなわけで次の一匹をそれほど時間もかからず見つけた。


 またわざと蛙に見つかる場所へ移動し、次は魔法で攻撃だ


 10m離れた位置から光の矢を飛ばす。余裕だなこれはと思った瞬間、高くジャンプして躱された。どうやら常に四肢を曲げ這いつくばっている為、溜める事もなくジャンプする事が可能みたいだ。ただそんなに高く飛んだら後は落ちてくるだけだろうと思い、落下地点へと走る。


「なっ」


 蛙は落下地点へ向かう俺を見て、舌を少し離れた魔木へ巻き付けそちらへ移動した。


 蛙の分際でムカつく。こうなりゃ意地でも魔法でぶっ倒す!


 周囲に3本の光の矢を生成する。


「いけっ」


 矢を一本だけ先程と同じように飛ばす。蛙はそれを見て再びジャンプして避けた。


 それを見てもう一本飛んでる蛙に矢を飛ばすがこれも舌を利用して避けた。チェックメイトだ。


 魔木の傍へと移動する蛙に向かい最後の矢を放った。


 さすがにこれ以上避ける手段はなかったのだろう。光の矢は蛙を貫き絶命させた。





「はぁ、ムキになってしまったな」


 蛙を予定通り倒したのだがこれでは魔力を消費しすぎる。


 予想外の手段で攻撃を避けられムキになってしまったのだ。しかし厄介だな。人型の魔物の方がよっぽど倒しやすい。人型だと何をしてくるか予想しやすいんだが、こういった魔物は予想もしない動きをするため厄介だ。まぁ俺に実戦経験がなさすぎるんだろう。ゴブリンや狼と少し訓練したくらいじゃまだまだ不足という訳だ。不意打ちで倒すのがやっぱり楽なんだが、今後何があるかわからない。命の危険が無い限りはガチで戦っていこうと決めた。



 まだ昼を少し回ったくらいだ。時間には余裕がある為再び蛙を探し森を歩き始めた




HTP      1333/30000


所持金    10万5000z

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