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ラブホと歩む異世界生活  作者: 岳
冒険者編
21/29

20話


 ギルドを出てシエラさんの教えてくれた宿へ向かう事にした


 あれだけの大金を得るのをギルド内で目撃されたが、どうやらつけて来る人もいないな。おそらくはレベルの概念のあるこの世界では、あれだけの素材を持ち込める人間はそれだけの強さを持っていると思っているからだろう。


 なんにせよテンプレの如く絡まれないでよかった


 さてギルドの外へ出たのだが、周囲は完全に闇に包まれていたという事はなかった。頭上に輝く2つの月明りもあるし、何よりまばらにだが街灯のような物があった。それほど大きくはなく光量もそんなに明るくはないのだが、薄暗いだけで歩くには十分な明るさが周囲にはあった。


 そのまま東門の方向へ向かい歩いてすぐ宿らしき建物が見えてきた。年季は入ってそうな建物だがボロいという事ではなく、きちんと手入れもされておりある程度の清潔感も見受けられる。


 看板らしきものにも小鹿亭と書かれている


 そのまま何かの皮で作られている暖簾をくぐり店の中へ入った。


「いらっしゃいませ。食事のみのご利用ですか?それともお泊りですか?」


 そう聞いてきたのは給仕をしていたらしい、12.3歳くらいの可愛らしい女の子だった。


「今日一泊お願いできるかな」


「ありがとうございます。一泊5000zになります、朝晩の食事とタライ一杯分の身体を拭くためのお湯はついてます。それでよろしいですか?」


 了解の意思を示し大銅貨を5枚渡した。しかし、この歳でこれだけの接客できるなんてすごいなと感じた


「お部屋は2階の一番奥になります。こちらが鍵となってます。お食事は朝晩とも6の鐘から9の鐘がなる間になるから、その時に一階まで来てくださいね。今晩の食事は今すぐとられますか?」


 さすがにお腹もかなりすいていた為すぐもらう事にした。


 一階は丸いテーブルがいくつも並べられており、1つにつき5人は座れそうだ。店内には冒険者らしき人も多数おりかなりの席が埋まってる事から食事に期待できそうだ。空いてる席につくとすぐに先ほどの女の子が料理を運んできてくれた。


「お待たせしました、今日は当店名物のホーンラビットのシチューです。お酒は有料となりますが必要ですか?」


 お酒を飲みたい気分ではなかったので必要ない事を言いすぐさま食べる事にした。


 シチューは大きめの肉がかなりの数入っており、様々な野菜と一緒に煮込まれている。深めの皿にたっぷりと入っており十分な量がある。それに丸いパンが2個ついておりボリューム感は十分だ


 早速スプーンで肉を掬い口に運ぶ。かなりの時間煮込んだのだろう、口に入れるとすぐにホロホロと溶けるように肉が無くなっていく。肉自体はかなりあっさりした味だ。はっきりいってかなりうまい。シチューも味自体はあっさりしており、塩と少量の香辛料しか使っていない気がする。おそらくは中に入ってる野菜とかの自然な甘みなんだろう。調味料的な物をほぼ使ってなくてこの味を出すのは至難の業じゃなかろうか。野菜も見た事あるような物が多く、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎみたいなのが入ってる。


 夢中になり次々に口へと運んでいくが、途中で気づきパンも食べてみる。残念ながらこちらはあまり美味しくはなかった。少し酸味の効いたパンで硬くてボソボソとした触感があり少しクセがある。周りを見てみると皆パンをスープに浸して食べているので真似してみる。するとビックリした。シチューの汁を吸わせる事で柔らかくなり、少しクセのあったパンがシチューの味とまざり、複雑な旨味が出てきたのだ。これは美味い


 あっという間に食べ終わり、残念な気持ちを感じるが満足感もかなりあった。異世界の食事は美味しくないっていうのは嘘だな。様々なソース等の調味料はないかもしれないが、素材だけの旨味でも調理次第でこんなに美味しくなるというのがよくわかった。この宿の料理人の腕がかなりいいのかもしれないが、シエラさんの言う通り食事はかなり美味しい宿だ。


 食事に満足し食休みしてると


「満足いただけたようですね」


 女の子が話しかけてきたので、素直に思った通りに料理をベタ褒めした。


「そうなの。うちのお父さんが料理してるんだけど、昔は領主の館でも活躍してたのよ。すごいでしょ。」

 

 父親の料理を褒められて気分がよくなったらしい。先ほどまでのしっかりしたイメージと違い、子供特有の可愛らしさがにじみ出てきた。次々と父親がいかに素晴らしいかの言葉が小さな口から飛び出てきた。父親をかなり尊敬してるんだとよく分かる。孤児であった俺には少し羨ましくもあった。


 おとなしく彼女の言葉を聞いていると


「リース!いつまでもだべってないでさっさと仕事しなっ」


 厨房らしき場所から女性が怒鳴りながら出てきた。言葉遣いは荒いがかなり美人だ。おそらくはリースと呼ばれた女の子の母親なんだろう。この子の母親なら30前後くらいの歳だろうが、見た感じでは20前半くらいにしか見えない。この世界の女性は綺麗な人が多すぎると感じる。待ちゆく人を見ても美人がやはり多いのだ。この世界では結婚することはできるのだろうか。


 女の子は顔を赤くして急いで仕事へ戻った。夢中で話してた事がきっと恥ずかしかったのだろう。


 満足な食事をすませ部屋へと入った


 部屋はお世辞にもいい部屋とはいえなかった。これがこの世界では普通なのかもしれないが、6畳程度の部屋にベッドとテーブルと椅子があるくらいだ。テーブルにはランプらしきものがあり火の灯ったロウソクが一本入ってた。そしてベッドは木でできており、薄っぺらい敷布団をはいでみると枯草が敷き詰めてあった。掛け布団もあまり上等といえず、何かの綿らしき物は詰めた物みたいだが、やはり質は良くない。この世界の普通が全くわからないためなんとも言えないが、これが普通ならこの世界でホテルを経営すれば誰にも負ける事はないだろう。今後いろんな宿を回ってリサーチしていこうと思う。


 さすがにこの宿では時間を過ごすような娯楽もないので1つだけ確認して寝る事にしよう


 アイテムボックスからスマホと銀貨を1枚取り出し銀貨をホテルの倉庫へ収納する。銀貨を変換して何P増えるかスマホで確認をする。218/30000だったのが318/30000となっている。どうやら銀貨1枚100Pだ、もったいないが大銀貨も1枚変換してみる。1318Pとなり間違いないみたいだ。金貨1枚では1万P増えるのだろう。次のランクまで金貨3枚、300万zとは高いのか安いのかわからないが、日本で300万貯めるのは不可能な気もするがこの世界ならそんなに時間もかからず溜まりそうだ。


 この世界のお金でもポイント変換できる事で今まで以上にランクを上げるのが楽になりそうだ。


 その時、部屋をノックする音が聞こえ外へ出てみると男の獣人の人がいた。


「どうかしましたか?」


 何の用か聞くとどうやらタライに湯を入れて持ってきてくれたようだ。そういえば湯がついてると言ってたな、すっかり忘れてた。お礼を言いタライを部屋の隅へ運んでもらう。できれば風呂に入りたいがこの世界にあるかもまだ分かってないしね。仕方なくボックスよりタオルを出し簡単に身体を拭いた。


 もうすることも無くなったので、ベッドに身体を横たえる。かなり硬くて身体が痛くなるようなイメージがあったのだが、枯草を敷き詰めるっていうのはかなりの知恵なのかもしれない。さほど硬くもないベッドは十分寝れそうだ。



 目を閉じこれからの様々な事に期待を膨らませ、この日は眠った






 翌朝、鐘の音により目が覚めた


「知らない天井だ」


 一応お約束を言ってみたものの、まだ覚めない目を擦り鐘の音を聞く。何度か鐘が鳴った後、少し間が空きもう一度鐘が鳴り始める。数えると6回鳴ったので6時という事だろう。


 何度鳴るかで時間を知らせてるのは昨日確認済みだ。朝6時~夜9時にかけて鳴るようになってるらしい。時間毎に鐘が鳴る回数が違うらしく、回数により時刻を示してる。


 まずは上着を新しい無地Tシャツに着替え、タオルを持って1階へ降りた。宿の庭に井戸があり、そこで顔を洗うためだ。


 降りると昨日見た美人な母親がテーブルを拭いたりしていた。これから朝食の時間だからだろう。


「おはよう。早いね、すぐ朝食にするかい?」


 と声を掛けられたので、顔を洗ったら戻ってくるので用意しといてほしいと伝え、顔を洗いに行く。


 井戸はどうやら釣り鐘式だ。毎日やるときっと面倒になるんだろうが、初めて使う分には新鮮でちょっと楽しかった。


「冷たっ」


 井戸の水はかなり冷たく手で掬って飲んでみるとかなり美味しい水だった。その冷たい水で顔を洗うと一気に目が覚めた。


 使い終わったタオルをアイテムボックスへ仕舞い食堂へ戻るとすでに朝食の準備を終えて待っていてくれたようだ。


「戻ってきたようね。そこに朝食は用意しといたから熱いうちに食べな」


 用意された場所へ座ると、焼けた肉の薫りが漂って来る。今日のメニューは昨日と同じパンに野菜のスープ、薄切りの肉を焼いたものが用意されたいた。早速頂く事にした。スープは昨日と同じく不思議と甘みがある、やはりパンをスープに浸す事で旨味が出てきたそれを夢中で食べる。肉は薄く切り焼いた物だが酸味のあるソースらしき物が付いている。例えるならレモンみたいな感じか。肉の味がしっかりしてるためか、塩とその酸味だけで十分に美味しかった。あっさりとした細切りの肉が何の抵抗もなく胃の中へ入っていく。あっという間に食べ終わり、今日の食事にも大変満足した。本当ここの食事は当たりだな。


 その様子を見ていた美人さんが


「昨日もそうだが今日の朝食も気にいってくれたみたいだね。ここは食事だけは他には負けないと思ってるからね」


「えぇ、かなり満足しましたよ。事情があり今日はここに泊まれないのが残念です。また泊まりに来ますのでその時またお願いしますね」


 ああ、待ってるよという言葉を聞き宿を出ていく事にした


 まだ早朝にも関わらず、大勢の人で街はにぎわっていた。すでに開いてる店も多くいろんな店をひやかしつつ時間をつぶす。屋台でジュースが売っていたので200z支払い飲んでみたがかなり美味しかった。

ピクソンという果実を絞ったものらしいが、アップルジュースによく似ていた。残念ながら冷えてはなかったが、冷やせば更に美味しくなるだろう。武器屋も見に行きたかったがさすがにそこまで時間はなく早めにギルドへ行く事にした。


 今日は可愛い受付嬢と話せるかなと僅かな期待を抱きギルドへと入った



 


 


HTP      1318/30000


所持金    122万9800z



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