15話
馬車の中へ案内された俺は馬車の中にあらかじめいた人達に声をかけた
「ご一緒させて頂く事になりましたタクヤといいます、城塞都市までの短い間ですがよろしく」
「おう、兄ちゃんそんなかてぇ挨拶はいらないぜ。ブロガーの相棒のフォルカンだ。よろしくな」
そう言って返事を返してきたのは、いかにも冒険者って感じのおっさんだった。見た目はやはり30を超えたくらいで緑色のボサボサの短髪、180は超える巨体にはちきれんばかりの筋肉。そばに置いてある武器を見る限り大剣使いらしい。一言でいうととてつもなくむさくるしい。一応鑑定もしてみる
名前 フォルカン
種族 人族
職業 冒険者〈D〉
種族レベル Lv21
AGE 33
HP:310
MP:151
STR:85(153)
VIT:73
AGI:52
DEX:53
MAG:15
MND:22
スキル
剣術Lv3、剛腕Lv2
剛腕・・・・STRに補正(スキルLv×0.4)攻撃力UP(小)
見た目もなにもかも超脳筋ってとこか。剛腕のスキルでSTRの数値が高すぎるな。ただレベルの割に素のステータスはそんなに高くないな。というかステータスポイントもやはりチートって事かねぇ
まぁこんなおっさんはどうでもいいとして、奥に3人女の子が乗ってるんだがそっちのが気になってしかたない。
どうやら馬車が動きだしたようだ
「あまり快適とはいえませんが、夕刻あたりには街に着きますので我慢してくださいね」
とニックスさんが話しかけてきた
「いえ、乗せてもらえただけでもありがたいですよ」
女の子達が気にはなるがまずは情報収集といきますかね
「それで少しお聞きしたいんですが、街に入るのに必要な物ってあるんでしょうか?お恥ずかしい話今回初めて街へいくものでして」
「そうですね、まず入場税として3千Z取られますね。ただこれはいずれかのギルドに入る事によって無料となります。たしかその場で仮入場証を渡されて3日以内に登録してギルド証を見せれば問題なかったかと思います」
どうやらお金を持ってなくとも街に入る事は可能らしい。冒険者ギルドにすぐ登録にいけば問題ないな
「後それと入る時にステータスプレートの確認がありましたな」
その言葉を聞き固まってしまった。ステータスプレートとはなんぞや?聞くと怪しまれるかな
「どうかされましたかな?」
どうするか悩んだが結局街に入る時に分かる事だと意を決して聞く事にした
「すいません。ステータスプレートってなんでしょうか?」
あ・・また空気が固まった・・・
「えぇと、ステータスオープン、これですね」
そう言っていきなりニックスさんの目の前に現れたそれをこちらへ渡してきた
名前 ニックス
種族 人族
職業 商人
年齢 41
Lv 7
スキル???
賞罰無し
以上の5項目が表示されている長方形のプレートだった。やべぇめっちゃ怪しまれてる気がする。
「ありがとうございました」
そしてプレートを返すと何もなかったかのように消え去った
ステータスオープンとか転移して初日に試したけど何もでなかったよ!!何かの間違いだったのかもしれない。もう一度試すか
「ステータスオープン」
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シーーーーン
だから出ないって!やべぇ絶対怪しまれてる。どうする・・
飛び降りて逃げるかと考えた時
「もしや、登録をされておられませんか?」
そう聞かれ、それだっと思った
「えぇ、そういった登録はしたことないのですが、登録しないとプレートって出ないのですか?」
そう聞くと何か納得のいったような顔で
「もちろんです。登録して初めてプレートを出せるようになりますからね。していないのなら当然でません」
「しかし、相当珍しいですよ。全くいないとは言いませんが、大体どこの街や村でも10歳になると登録しますからね。登録しないと自分が何のスキルを持っているかもわかりませんから」
どうやらこの世界では10歳になった時に教会やギルドで登録することにより自分のスキルがわかるようになるらしい。更に聞いてみるとなぜか10歳前ではスキルは持っていてもプレートには現れないらしい。なので10歳なるとすぐ皆登録するのが普通との事だ。例外として一部の貴族や王族は高レベルの鑑定のスキル持ちにスキルを調べてもらう事もあるらしい事を教えてくれた。
「タクヤ様もし差支え無ければ何処から来られたのかお聞きしてもよろしいでしょうか?今まであまりそういった事を聞いた事がないもので。あくまでも個人の興味ですので無理にとは言いません」
ニックスさんだけでなくフォルカンさんも興味ありげにこちらを見ていた。こちらとしては聞いてくれるのを心待ちにしてた話題だった。森の中にいた二か月こういう事を想定して考えてたのだ。これで情報収集がしやすくなるはずだ
「実はですね・・・・・・」
物心ついたころから祖父と森の中で魔物を狩りながら暮らしてた事、約半年前くらいに祖父がなくなり、死ぬ前に自分が死んだら街へ行き冒険者になるように言われた事、そして街へ向かっている途中でニックスさんと出会った事を伝えた。
話を聞いていた二人は何やら固まっているな・・・
そんなおかしい話をした気はないんだが
「兄ちゃん・・・よく今まで生きてたな」
「タクヤ様・・・人間ですよね?」
そんな反応が返ってきた
「えっと人間以外に見えますか?というかそんなおかしな事なんでしょうか?」
「ハァ・・」
冒険者のおっさんにはため息で返された
「タクヤ様、始原の森はですね、常時魔物が溢れかえり、どんなに高ランクの冒険者の方でも少しでも油断すれば命を落としますし、昼でも光も届かない魔境ですよ。本当よく今まで死にませんでしたね。奇跡に近い事だと思いますよ」
やはりあの森はかなり危険な場所だったみたいだ
「じいちゃんがバカみたいに強かったんですよ。亡くなったのも病気ですしね。実際一人になってきつくなり森から逃げてきましたから」
「なんにせよ、これで疑問も解けました」
なんとか納得はしてくれたみたいだ。これからは情報収集だな
「それでですね、ずっと森の中に住んでいた為知らない事ばかりなんですよ、もしよければ色々と教えてもらえませんかね?」
「かしこまりました。街まで時間もありますし私に分かる事でしたらお聞きください」
うっしこれでいろんな事がわかるぞ
「まずは・・・・」
その後いろいろな話を聞き様々な事がわかった
まず貨幣価値だが
銅貨 100Z
大銅貨 1000Z
銀貨 1万Z
大銀貨 10万Z
金貨 100万Z
大金貨 1000万Z
白金貨 1億Z
10枚毎に次の硬貨へ進んでいくらしい。金貨まではニックスさんが見せてくれたが、通常の硬貨が1円玉程度、大硬貨が500円玉サイズだった。また銅貨の下に銭貨と呼ばれる硬貨もあったらしいが現在ではほぼ使われてない。日本の1円玉と同じで貨幣価値よりも製造費の方が高くつくため無くなっていったらしい。そして貨幣価値はほぼ日本と同じっぽい。
1年は12か月で一か月30日で360日、曜日や一週間という概念はない。時間はどうやら24時間で日本と同じと考えてよさそうだ。今は9月4日で、ここら辺は比較的温暖だがこれから徐々に寒くなってくるらしい
また今現在いる国だがフォロン都市国家連合という。他にも確認されてるのが、サマルーン帝国、ルージアナ王国、ルビス聖教国という4つの国が確認されてるらしい。確認できてるというのが疑問だったが話を聞いて納得した。
この大陸だが現在どのような形でどれだけ広いのかもわかっていない。全ては始原の森と呼ばれる魔境のせいだ。大陸北部と南部には始原の森がひたすら広がっている。その為始原の森を抜けた先に他に国があるかどうかもわかってない。そんなわけで確認できてる国は4つということらしい。また他の大陸も確認はできないとのことだ。この国とルビス聖教国は海に面してるが森から解放された土地から10k程度海を進むと魔物が出るらしい。また始原の森の周辺の海も魔物の巣窟との事だ。その為船で他の大陸を探しに行く事も始原の森の先に何があるかもわかっていないらしい
そして今向かってる城塞都市フェルダイクがこの国の最前線らしい。最前線と言っても他の国と戦争してるのではなく、始原の森攻略の最前線だ。
この世界には無数にダンジョンが存在する。そしてそれは全て始原の森にある。いや始原の森こそダンジョンにより形作られてるというべきか。そのダンジョンを攻略することが国の兵士の役割らしい。他の国との戦争はもう500年ほど起こってない。それというのも、大昔戦争を始めた国があったのだが、始原の森の魔物を間引く事ができなくなり魔物の氾濫によって国は滅びてしまったらしい。
またこの始原の森だが、ダンジョン内にいる魔物をある程度倒す事で周辺の魔木が消え去る。魔木は魔素が溜まる事で生える。ダンジョン内の魔物を倒す事で、魔素が魔物を生む事に使われ魔木を構成する魔素まで失われてしまうかららしい。またダンジョンのボスを倒す事でその周辺数十キロが完全に魔素から解放され、そして解放された場所は様々な変化を起こす。鉱石の取れる山だったり、大きな湖、肥沃な草原、果ては砂糖の取れる林だったり、見た事もない果樹園になったりと1年~3年かけて多種多様な変化をするらしい。途中で不自然に川が途切れてたのもそういうわけか。あの川の先のどこかに山に変化する場所でもあるんだろう。
それを聞いた時何そのファンタジーって思ったのは仕方ないことだろう
そんなわけで他国と戦争するよりも始原の森を攻略するほうが明らかに国が豊になるため、国同士の戦争は無いらしい。小競り合い程度はあるらしいけどね。国同士の戦争が始まるのは始原の森を全て攻略できた時だろうといわれている。
まぁここ200年で国土が1.3倍程度になったくらいしか攻略できていない為、全て攻略など遥か未来になりそうだが。
またこのダンジョンだがゲーム等とは大きく違う。1つのダンジョンが生み出すのは1種の魔物のみでダンジョンの奥にはその種の上位種が存在するだけらしい。そしてダンジョンの範囲の森に違う種が入る事もない。なので森に入っても同じ種類の魔物しかいないみたいだ。学者等はその謎を解き明かそうとしたみたいだが、答えは全く出ていない。
また森から出て魔物を見かけなかったのも森の魔物は森から出る事はない。ただし森の近くで人を見つけた場合は出てくるそうだ。その後森へと帰っていく。そして森以外では魔物が生まれる事が滅多にないかららしい。森以外には魔素は微量にしか存在してない。その微量の魔素が集まり稀に魔物を生み出す事はあるが現れるのは全て低級の魔物になるらしく脅威にはならない。
それらを聞き、ホテルに来てた魔物が常に同じ方向からしか来なかった理由も外で魔物に合わなかった理由もわかった。
ただし何事も例外がある。極めて極稀にだが上級に属する魔物が森から出てくる事があるとの事だ。現在までに上級のダンジョンは見つかっていない。おそらく相当に奥から出てきたと予想されてるが、そういった事も過去にあったらしい。それらは纏めてエレティック(異端者)と呼ばれており、現れるたびにかなりの犠牲を出して討伐されているらしい。ちなみに魔物の分け方だが魔石の大きさにより下級、中級、上級にわけられている。今まで確認されたエレティックには全てに魔石があった事から上級の魔物になると全て魔石を持つようになるといわれている。
かなりの情報を得られたんじゃなかろうか。思った以上にファンタジー感あふれる世界だ。国土的にも馬車での都市間の移動時間を聞く限り一つの国が日本の10倍程度はありそうだし、死ぬまで飽きる事はなさそうだ
これから色々と楽しめそうだな




