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異世界くろふねこうかいにっき  作者: くろふね
3/3

弱点

『魔物から獲れる魔石、そいつを剣と盾は吸収して成長したんだ。

それに応じて、剣と盾の小さかった装飾と宝石もきれいになっていった。

それからは楽しかった。

どんどん魔石を集めてどんどん俺たちは強くなっていった。』


『そしたら、剣と盾に、いままで見たことがないくらい大きな宝石が表れたんだ。

その日のことは、今でもよく覚えている。

毎日眺めたり汚れたら綺麗にしたり。

嬉しかった。すげえ強くなれる気がした。

それと同時に

剣と盾がずっしり重くなったみてぇに感じて、手が震えた。怖くなったんだ。

光をうけて輝く宝石を見た時、いつの間にか大ききつよくなった剣と盾を見た時。

俺に資格は、こいつを持つ資格はあるのかってな。』



『これからは俺もこいつらと強くなってやる。

そう決めた。

実際、強くなった。会う魔物全部倒して魔石も充分獲れたしギルドでも有名になった。』


『だがな、それもいつまでもは続かなかった。

誰も見たことのない魔物に俺は、負けたんだ。


噂には聴いたことがあった。

物理攻撃が通じない代わりに攻撃もしてこない魔物。ただオウムのように言葉を喋るだけの魔物だった。

もう少し、もう少し、もう少し、たまにその魔物が表れては、言葉を繰り返す。俺は最初は無視した。

あるとき、暇なときに、もう少し働こうかと思って働いた。

お金にもなるし他の人のためにもなるしな。

その時間が、ほんの少しずつ、少しずつ増えていった。

気がつくと、たまに聴こえていた魔物の声はいつも聞こえるようになって、いつも働くようになった。

休むことを忘れ、剣と盾を使い続けた。

それが自分のためにもなるし、剣と盾のためにもなる、そう思っていた。


だが、突然、限界がきた。

剣と盾が真っ二つに割れた。キラキラと輝く宝石はくすんで濁っていた。

取り返しのつかないことになってから、自分が間違っていたことに気が付いたんだ。


それから、、』

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