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海色の  作者: Airan-altvier
3/4

3*

始まりは些細で、私には気付けなかった。

「ねぇ、アリカちゃんって本当無口だよね」「友達いらないとか思ってるの?」「そんなんだといじめられちゃうよー?」


別に、そんな気はないの。そうじゃなくて…。


「え、友達作る気ないの」

ミサちゃん達はそうやって言葉の端々を取って私を追い詰めていった。


ずっと我慢していてもそれが止む気配はなくて、小学校高学年にもなった頃、遂に私はミサちゃん達に言った。


もう、私に話しかけないで、私をいじめないで。


ミサちゃんはものすごく傷付いたような顔をして

「ひどい!アリカちゃんが独りぼっちで可哀想だからいっぱい話しかけてあげてるだけなのに!」

取り巻き達はニヤニヤしながら私たちを見ている。

ああ、失敗した。私が何を言ってもこの人達には通じないんだ。

すぐに笑顔を作り直して言った。


ううん、ごめんね、冗談だよ。私なんかに毎日話しかけてくれて嬉しかったからちょっと調子乗ってみちゃった。ごめんね。


ミサちゃん達はニヤニヤして言う。

「ううん、分かってくれればいいの。もう変なこと言わないでね。これからも仲良くしようね」


この日からその問題は大きくなっていった。

「アリカちゃんそれおかしいよ」「私がこう言ったのになんでそうしちゃうの?」

「アリカちゃん髪ボサボサだから切ってあげる」「ボサボサより短いほうがいいよ」

「アリカちゃんその服似合わないから着替えなよ」「アリカちゃんスタイルいいから服いらないよね」

「アリカちゃんまた上履き失くしたの?」「仕方ないから一緒にスリッパ借りに行こ」

「それかわいい!私に頂戴、勿論くれるよね!」「いつも仲良くしてるからその証!」

「アリカちゃん」「アリカちゃん」「アリカちゃん」


教師は何も気付いてくれない。「いつも仲良くしてていいね」なんて見当違いな事を言う。

どうしようもなくなった。

ぼーっと見てたテレビにニュースが流れる。

「家庭内暴力の末、20代夫が20代妻を撲殺」

ああ、これだ。

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