ネバー・ゲーム ーその1ー
本格派異世界は初挑戦なので大目に見てやってください。
俺はさえない二十七歳、現役イケメンニートで、佐田拓馬だ。
毎日のようにネットをさまよう廃人ある。
ネットを検索すると、まれに『ネバー・ゲーム』というサイトにたどり着くらしい。
俺は必死にそれを探していた。
ウワサによると、ネバー・ゲームは新感覚のSNSという。
……というのも、ユーザー同士、実際に会って遊べるらしい。
出会い系とは、また違う。
ネバー・ゲームは管理人が相手の了承を得て、立会人同行のもと会えるという安全安心で斬新なシステムになっていると聞く。
そこで出会って童貞を卒業したというウワサもあってか俺は必死にネットをググりまくる。
そして半年の月日が過ぎた四月のある日、ついにたどり着いく。
『ネバー・ゲーム』というバナーをクリックした。
その瞬間にパソコンの画面が光りだし、画面上に書かれていたピンク色のツインテール少女が突然飛び出してきた。
年齢層はおよそ、十一歳であろう。
「佐田拓馬さま、はじめまして。私が当サイトの管理人である、ルシアでございます。ネバー・ゲームの世界へようこそ。画面の指示に従いいくつかの質問に答えていってください」
言われるがまま質問を答えていくこと十項目めの質問に俺は確信をつかれた。
「その質問早く答えてください。童貞ですか? 経験済みですか?」
ルシアにせかされて、童貞をクリックする。
「ふーん」といった態度で冷静にとらえた様子。
この少女ただものではない。
「あなたを、ネバー・ゲームの正式ユーザーにします。以降この同行人と供に他のユーザーと接触してください」
そういうと画面の中に戻っていった。
「あの、君は?」
「あたしは、エミル。あんたの同行人で違反をした時に罰をあたえる。まあ、めったなことじゃあ罰はあたえないけどな」
「はあ……」
俺はなんとなく理解をしめして頭をさげると、視線はエミルの胸にいっていた。
(しかし、この女いい胸をしている。爆乳じゃないか。それにショートカットのボーイッシュで俺好みだ)
そんなことを考えていたら、エミルの拳が顔面にもろ入った。
「あと、同行人に手を出そうとすれば罰が下る。覚えておけ」
「そんなの、聞いてないよ!」
その日から俺はネバー・ゲームのユーザーとなり、異世界にトリップして他のユーザーと戦うこととなる。
そして、迎えた日――
ネバー・ゲーム初心者の俺は強敵といきなり出くわした。