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異世界ギルド創始譚  作者: イワタニ
第四章 王位継承戦争編
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第089話 三者三様の戦場

 ウェルズリー伯爵は早朝より動いていた。

 北方軍各隊一万名、それにユートより預かっているロビン・リーガン率いる西方混成兵団の一部――リーガン支隊とも言うべき部隊――二千二百名をあわせた軍勢を率いてメンザレを出る。

 苦難の川と、その支流が構成する中州はせいぜい二キロほどの幅しかなく、その中州を突っ切ってクリフォード侯爵の待ち構える下流渡河点へと急ぐ。


 そうした決戦を志向するウェルズリー伯爵の動きはクリフォード侯爵にも斥候を通じて丸わかりだったはずである。

 クリフォード侯爵はそれを見て、前進拠点に置いていた騎兵をすぐに引き揚げさせて全軍二万二千を苦難の川支流の左岸に置き、ウェルズリー伯爵が川を渡るのを待ち構える態勢を取った。


「ふむ、やはり教科書通りというだけあって、堅いですね」


 ウェルズリー伯爵はクリフォード侯爵の布陣を見てそう評した。

 周囲の副官たちもそのウェルズリー伯爵の言葉に頷く。

 ユートと違って本職の軍人であり、また天才肌のウェルズリー伯爵にとって副官というのは手足に過ぎず、ユートとアーノルドの関係とはまた違っていた。

 もっとも、これが王国軍における一般的な指揮官と副官の関係である。

 あくまで指揮官の指図を受けて、事務処理を行うことこそが副官の職務であり、指揮官に様々な意見具申を行うアーノルドの方こそ王国の一般的な副官像からはかけ離れており、あくまでユートが専門教育を受けていないからこその関係だった。


「まずは、予定通りリーガン支隊を分離しますか」


 ウェルズリー伯爵の言葉に副官たちが動く。

 リーガンの下に伝令が送られ、リーガンも事前に定められた命令に従い、自身の驃騎兵第二大隊、ピーター・ハルのサマセット伯爵領派遣大隊、そしてイアン・ブラックモアの混成歩兵第三大隊を率いて苦難の川支流の右岸を上流へ動き始めた。


 それを見たクリフォード侯爵もまた、ウェルズリー伯爵の意図を察知したのか、騎兵と軽歩兵を中心とする五千ばかりの別働隊を編成して上流渡河点へと向かわせる。


「意外と多く割いてくれましたね」


 ウェルズリー伯爵はそう独り言ちながら、部隊を整然と布陣させていた。


「背後からユート君たちが急襲してくれる時まで交戦しないのも一興なのですが」


 そこまでクリフォード侯爵が待ってくれるとは、ウェルズリー伯爵には思えなかった。


 かつて王立士官学校時代、あるいはお互いに小隊長、中隊長となって以後、ウェルズリー伯爵はクリフォード侯爵と何度も模擬戦闘を行っていた。

 その大半はウェルズリー伯爵の勝利に終わっていたが、それゆえにクリフォード侯爵は今回の実戦でもウェルズリー伯爵を警戒しているはずであると考えられ、そしてそれは何も仕掛けない、という状況だと疑心暗鬼を招きかねない、と踏んでいた。


「よし、仕掛けるぞ。北方戦列歩兵第一大隊、前進せよ」


 頃合いはよしと見たウェルズリー伯爵がそう命じると、伝令が駆け、北方軍戦列歩兵第一大隊が動き始めた。

 午前十一時のことだった。




 リーガン支隊は上流へと動いていたが、驃騎兵第二大隊とそれに続くサマセット伯爵領派遣大隊ともかく、混成歩兵第二大隊、厳密にはそのうちの戦列歩兵中隊が遅れていた。

 本来ならば混成歩兵のうち戦列歩兵はこのような機動作戦に向くものではない。

 軽歩兵と驃騎兵、あるいは重騎兵で行うような任務であり、足の遅い戦列歩兵は置いていきたかったのだが、先立ってのメンザレ入りの際も混成歩兵第二大隊は蚊帳の外であり、ブラックモア大隊長以下、末端の兵員に至るまでそのことを遺憾に思っているのを知っていたがゆえにリーガンは切り捨てられなかったのだ。

 とはいえ、ウェルズリー伯爵からの伝令でクリフォード侯爵が分派した別働隊は騎兵と軽歩兵中心であるとの情報を受け取っており、速度に勝る敵騎兵に先回りされればこのたかが二千二百人で優勢な敵の待ち構える上流渡河点で敵前渡河をやらねばならなくなる。


 リーガンは騎兵将校である。

 騎兵将校とは何よりも拙速を尊ぶものであり、リーガンもまたその例外ではなかった。


「悪い、イアン。先に行くぞ」

「ああ、すまんな」


 リーガンが馬を走らせて混成歩兵第二大隊の先頭に立つブラックモアにそう告げると、ブラックモアは無念そうに頷いた。

 リーガンの驃騎兵第二大隊、そしてハルのサマセット伯爵領派遣大隊の軽歩兵は混成歩兵第三大隊を尻目に駆け始めた。


 リーガン支隊が上流渡河点にたどり着いたのは午前十一時前だった。

 対岸には敵らしき影は見えず、それはクリフォード侯爵が送り出した別働隊に先んじて上流渡河点に到着したことを意味していた。


「よし、渡河し、対岸で混成歩兵大隊を待つ。ただし、敵が来ればその限りではない」


 リーガンの命令に従って対岸を確保する。

 あとはブラックモアを待つだけ。

 もちろん、このまま驃騎兵第二大隊とサマセット伯爵領派遣大隊だけでクリフォード侯爵の側面に突っ込む、という選択肢もあったが、この後に恐らく敵の別働隊との戦闘が待っていることを考えると軽装の部隊でそれを打ち破り、なおかつクリフォード侯爵の側面に突撃する戦力を残しているとは考えづらかった。

 それならばブラックモアの混成歩兵第三大隊を加えて別働隊と戦う方が賢明だった。



「ちっ、もう来やがったか」


 リーガンはそう呻くように言った。

 来た、というのはもちろん混成歩兵第三大隊ではなく、クリフォード侯爵が分派した別働隊だ。

 理想をいえば混成歩兵第三大隊と再合流を果たしてから戦いたかったがやむを得ない。

 驃騎兵と軽歩兵合わせて一千四百と少ししかいないが、それでも戦うしかない。


「軽歩兵、戦列を形成しろ。騎兵は側面を援護するんだ」


 たった六百人しかいない軽歩兵大隊を中心に布陣を組み上げて、両軍が激突したのは、午前十一時のことだった。




 その頃、ユートたちはアラドの市門を出て、西へ西へと動き始めたところだった。

 リーガン支隊とは違い、全員軽装の歩兵という西方混成兵団は機動力という点では理想的だった。

 誰かが無理をせず、誰かを待たせることもなく、ほぼ同じ速度で動ける。

 もちろん獣人である餓狼族大隊の方が余裕はあったが、あくまで余裕がある、の範疇に留まっている。


「ゲルハルト、そっちは余裕があっていいな」


 小走りに走りながらユートがそう軽口を叩くとゲルハルトも笑う。


「当たり前や。獣人がこと身体能力で人間に負けてたまるかいな」

「じゃあ何で負けてるんだ?」

「そやの。人間みたいにあっという間に増えることはあらへんな」


 まるで人間をゴキブリのようにいいながらゲルハルトは笑う。

 ユートはそれまで知らなかったが、どうやら獣人は全般的に繁殖能力が低く、それゆえに高い身体能力を持ちながら人間相手にじりじりと北方に押し込まれていったらしい。

 ユートの常識では動物の方が人間に比べて多産だった気がしたが、そこら辺は獣人といえども動物とは違うということか。


「獣人はエルフの血が混じっとるからな。そのお陰で魔法も使えるようになったって聞いてるで」


 ユートの顔に疑問が書いてあったのか、ゲルハルトはそんなことを教えてくれる。

 数百年を生きる純エルフ(ハイエルフ)族がいる以上、彼らの歴史はかなり正確なものだろう。

 つまり、獣人は高い身体能力と多産の種族だったのが、エルフの血が混じり合った結果、魔法を使えて高い身体能力を持つかわりに、多産という形質を失った種族になった、ということか。


「そういえばゲルハルトは魔法使えるのか?」

「もちろん使えるで。土魔法だけやけどな」


 ゲルハルトは笑う。

 石神様の加護とらや――いや、石神への信仰から土魔法を使うものが多いのか、とユートは一人でくだらないことを考えながらも、走るペースは落とさない。


「あんたたち、余裕あるわね!」


 後ろから小走りに駆けているエリアが苦しい息を吐きながらそんなことを言う。

 女性であるエリアはいくら魔力を身体強化に使っているとはいえ、身長のなさもあいまってこうした時には男性陣に比べて体力的に見劣りがする。

 一番年齢的に怪しいアーノルドですらまだ余裕がある様子なのだから。


「まあの」


 ゲルハルトはユート以上に余裕の表情を見せた。


「兵団長閣下、小休止を取りましょう」


 アーノルドが後ろからそう進言してきた。

 気付けば走り始めて三十分が経過している。

 アーノルドの進言を受け容れてユートは小休止を命じた。


 かなりの速さで駆けているのですでに四キロか五キロはきているはずだが、戦場はまだ遠い。

 街道が悪路で、かつこのあたりの丘陵地帯を避けて縫うように進んでいるので、直線距離で十キロばかりとしても、実際の距離ではもっとありそうだった。


「間に合うか?」

「最悪はオレらだけで先に行くわ」


 まだ余裕があるらしいゲルハルトはそう笑っているが、ゲルハルトの餓狼族大隊だけで突っ込むのは出来れば避けたかった。


「ユート、道のりの四分の一はきたニャ」


 レオナがそんなことを言ってくれる。


「相変わらずレオナの距離感覚は抜群やの」

「当たり前ニャ。むしろゲルハルトたちはそんな感覚なくてどうやって死の山で移動してるのかわからニャい」


 古なじみらしい二人の会話を聞きながらユートは耳を澄ませた。

 遠くから、戦場の音楽が聞こえてきた。

 金属同士がぶつかり合い、人が死んでいく音楽が。


 ユートたちはわずかに休んで、再び駆け始めた。




「手強いな」


 リーガンは馬上で呻いた。

 がっぷり四つに組み合っている敵の別働隊はリーガンの予想以上に強かった。

 というよりもそもそも数が多い。

 少なく見積もって五千、その大半は軽歩兵であり、驃騎兵一個大隊がついてきているという布陣だ。

 恐らく軽歩兵を四個か五個大隊に驃騎兵大隊という編成なのだろう。

 驃騎兵の数では五分、アーノルドの着任以来鍛え抜かれた西方驃騎兵第二大隊がそう簡単に負けるとは思っていない。

 しかし、驃騎兵同士が五分ならば、それを欠編成――通常の編成より少なくなっているハルのサマセット伯爵領派遣大隊が数個大隊の軽歩兵を相手にすることになる。

 そこに根本的な無理があった。


「リーガン殿、少し下がりますよ!」


 敵の軽歩兵にもみくちゃにされながらそれでも士気を保って驚異的な粘りを見せていたサマセット伯爵領派遣大隊がとうとうずるずると下がりだした。

 川の方に下がらせてはそのまま足を取られているうちになぶり殺しにされるだけなので、渡河点をふさがれて退却できなくなることに目を瞑って、更に上流に下がるらしい。


「わかった、掩護しよう!」


 リーガンはそう怒鳴り返す。

 サマセット伯爵領派遣大隊は押されてはいるが、決して崩れてはいないし、彼らが崩壊するまではどうにか戦い続けられるだろう。


 とはいえ、それはいつまで保つのか。

 基本的に貴族領軍――各貴族の領内警備などの目的で編成された貴族の私有軍――は王国軍に比べて国にそこまで帰属意識を持たないので士気が低かったりするのが通例であるが、今回のように主君の命運がかかっている場面ならば別である。

 今回、もし負ければ主君であるサマセット伯爵の命は危ういのだから、彼らは士気の限界まで粘ってはくれるだろう。

 しかし、それでもリーガンには勝つ方策は見いだせない。

 せめてブラックモアの大隊がいれば、と思い、そして途中で置き去りにして先行したのは失敗だったか、と後悔する気持ちが胸の内にわき上がる。


 それを打ち払うように馬の前鞍を拳で一つ叩くと、忌々しい敵の戦旗を睨みつける。

 その戦旗は南方驃騎兵第七大隊――メンザレの前哨戦でもいい働きをした敵の驃騎兵だ。

 あれを打ち破れれば、軽歩兵を翻弄して勝利はともかく敗北を防ぐことは出来るかもしれない。


「行くぞ」


 リーガンがそう周囲に声を掛けて駆け出した。

 常歩(ウォーク)から速歩(トロット)に、そして駈歩(キャンター)に、そして最後は襲歩(ギャロップ)に。

 徐々に速度を上げて、西方驃騎兵第二大隊は、その全力で突撃を敢行した。


「ここだ! 一気に攻めろ!」


 リーガンの怒号に周囲の騎兵たちが蛮声をもって応える。

 まさに人馬一体、南方驃騎兵第七大隊へと一丸となってぶつかった。

 南方驃騎兵第七大隊もこれに応じたが、距離が足りなかったのかややばらけた突撃となり、あちらこちらで落馬し馬蹄にかけられる者が出ている。

 それは技術の差ではなかった。

 ここを先途と賭ける気魄の差だった。


 そして、もう一つ、蛮声が上がった。


「どうした!?」


 愛馬には襲歩(ギャロップ)を維持させながら叫ぶ。

 揺れる馬上で舌も噛まずに指示を出せるのはリーガン自身も高い技術を持っている証拠だ。


「側面! 混成歩兵大隊!」


 誰かが叫んだ声が聞こえる。

 リーガンの目には、いつの間にか到着し上流渡河点を渡った西方混成歩兵第三大隊が、敵勢の側面に突撃を敢行しているのが映った。


「逆襲に転じろ! 突撃に進め!」


 後ろで号令をかけるハルの声が、戦場の喧騒の中を透過するようにしてリーガンの耳に届く。


「敵は混乱しているぞ! 進め進め!」


 そう言いながらリーガンは前鞍を乱打する。

 拳からは血がほとばしるが戦場の興奮が麻薬となって痛みを遮断する。


「押し込め!」


 まんまと術中――リーガンはそんなことを考えてもいなかったのだが――にはまったという精神的な打撃もあったらしく敵勢はずるずると崩れ去っていく。

 今回は、前回のように南方驃騎兵第七大隊も掩護して無事に撤退させることは出来なかった。

 リーガンの突撃によって既に多数の損害を被っており、他の大隊に構っている余裕がなかったのだ。


「このまま下流にいる敵勢の側面を衝く!」


 リーガンが叫ぶと、三個大隊の将兵たちは士気高くおう、と叫びそれに応じた。




 ウェルズリー伯爵は本営にあって焦燥感を募らせていた。

 既に攻勢に出て二時間が経過している。

 その間に、北方戦列歩兵第一大隊は弾き返され、同じく北方戦列歩兵第二大隊もまた目の前の川を血に染めている。

 まだまだ予備兵力は豊富にあったが、クリフォード侯爵がどこまで守勢に回っているか次第でその用兵は考えなければならなかった。

 もし今、クリフォード侯爵に全面攻勢に出られたとしても日没で敵軍が戦闘行動が出来なくなる時間帯まで粘る自信はあった。

 しかし、そうした粘りはリーガン支隊が側面を確保し、更にユートの西方混成兵団本隊が後輩を衝くことが前提だ。

 その両方を欠けばいくら粘ったところで、明日、再び野戦となった時に撃破されるだけだ。


「まあ、信じるしかないんですがね」


 ウェルズリー伯爵がそう薄く笑ったのを見て、副官はほっとしたような表情を見せる。

 とかく癖の多い人物であり、天才肌であるがゆえに上官とするのには多大な苦労がつきまとう人物ではあったが、こと戦略眼と戦術指揮に関しては王国軍でもぬきんでているものがある将軍である。

 その将軍が眉間にしわを寄せているならば気が気ではないのは当然であり、むしろ薄く笑っているような状態の方が安心できたのだ。


「報告! 対岸に新たな敵影あり。上流よりこちらに向かうものと思われる!」


 伝令が叫んだ。

 最前線の部隊からの報告だろう。


「さて、鬼が出るのでしょうか。それとも蛇ですかね」


 ウェルズリー伯爵は朗らかにそう言い切った。

 もちろんリーガン、というよりアーノルドが鍛え上げた西方驃騎兵第二大隊は信じているが、何が起きるのかわからない戦場である。

 もしリーガン支隊を屠った敵別働隊が戦場に到着したのか、と思うと胃が縮み上がるのが普通であり、事実副官たちはそうなっている中、ウェルズリー伯爵だけは一人朗らかに笑っていた。


「なに、もしリーガン支隊が敗れていれば敵別働隊は上流渡河点を渡ってこちらの側面に仕掛けてきていますよ。まあそれならそれでよかったんですがね」


 ウェルズリー伯爵はここまで手持ちの二個驃騎兵大隊をずっと動かしていない。

 いざという時に防御に当てるつもりもあったが、それ以上にリーガン支隊が敗れた時の備えでもあった。


「味方! リーガン支隊です!」


 興奮気味に誰かが叫ぶ。

 ウェルズリー伯爵の目にもしっかりと見えていた。

 西方驃騎兵第二大隊の戦旗を先頭に、クリフォード侯爵の本隊の右翼に突撃するリーガン支隊が。


「よし、全面攻勢! 全軍突撃せよ!」


 ウェルズリー伯爵は叫んだ。


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