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異世界ギルド創始譚  作者: イワタニ
第六章 ザ・ファニー・ウォー編
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第160話 それぞれの戦場・後編

「どこの部隊だ?」


 ユートが不意に聞こえてきた馬蹄の音に困惑したように周囲を見回す。

 もし敵ならば、完全に詰みだ。

 既に眼前の二個大隊で手一杯のアーノルドに援軍を頼むことも出来ず、いいように蹂躙され、後方を遮断され、完全な敗軍となるだろうとということがわかっているからこそ早く把握しようと努める。


 背後から騎兵が砂塵を上げるのが見えた。


「ユート卿!」


 聞き覚えのある声が響いた。


「リーガンさん!」


 ユートも喜色に溢れた声を上げる。

 そう、その声はユートの部下であり、王位継承戦争以来を共に戦い抜いた西方驃騎兵第二大隊のリーガン大隊長だった。


「どうしてここに!? ウェルズリー伯爵の本隊も来ているのですか!?」

「いえ、敵勢の中に猛獣部隊がいなかったので、ウェルズリー伯爵の命で至急キャットニップやシルバーヴァインを持ってきました……不要だったみたいですがね」


 ゲルハルトたちが戦う戦場を見やりながらそう笑う。

 苦戦しながらもゲルハルトたちが優勢であり、今さらキャットニップやシルバーヴァインを届けても余り意味が無い。

 もっとも最初から持っていれば――試していないとはいえ――クリフォード侯爵領軍軽歩兵大隊はあそこまで壊滅的な損害を被らずに済んだだろう、という後悔がユートの胸をちくりと刺す。


「ユート、援軍なのよ! どうしてもらうのよ!?」


 エリアがユートの胸の内を悟ったのか、励ますようにそう訊ねる。


「――リーガン大隊長、大隊の指揮権は?」

「援軍ですからエーデルシュタイン兵団にあると考えてもらっていいと思いますぜ」


 実際のところ、リーガン大隊長はウェルズリー伯爵から何も言われていないが、目の前の状況と残敵掃討に移っていたウェルズリー伯爵の本隊を考えれば、独断専行でエーデルシュタイン兵団の指揮下に入っても何も言われない、と踏んだのだ。

 これはよく考えれば軍の指揮権という意味では結構な問題ではあり、同時に王国軍の官衙としての未成熟を意味しているわけではあるが、ともかくこの場合にはプラスに働いた。


「よし、じゃあ眼前の軽歩兵を横撃してくれ」


 ユートの言葉にリーガン大隊長は嬉しげに頷く。


「そいつはいかにも騎兵のいくさですな。早速!」


 そう笑うとすぐに馬首を巡らせる。



 西方驃騎兵第二大隊が到着し、そして横撃するような動きを見せ始めた時、押し寄せる波のようなローランド王国軍の軽歩兵はようやく動揺を見せた。


「押し返せ!」


 来たるべき白兵戦に備えて陣頭に立っていたアダムス司令官が、到着した騎兵が西方驃騎兵第二大隊の戦旗を掲げていることを確認すると嬉しげにそう怒鳴る。

 兵たちも今までの悲壮さから一転、次々と矢を放って射倒し、槍で突き倒していく。

 彼らは軽歩兵であるがゆえに、騎兵の突撃がいかに怖いものかを熟知しており、そしてその突撃にこれから晒されることになるであろう敵の運命に同情しながら、自分たちが生きながらえたことを無邪気に喜んでいた。


 一方のローランド王国軍は新たに到着した騎兵はノーザンブリア王国軍の増援であると的確に把握していた。

 だが、いくら機動力がある軽歩兵といえども騎兵に優るわけもなく、小回りの利くとはいえ敵前で方向転換など簡単なものではない。

 それでもローランド王国軍騎兵がノーザンブリア王国軍騎兵に拘束されていることを把握すると、優れた練度をもって予備隊を側面に展開して守ろうとする。



火炎旋風(ファイア・ストーム)!」


 ユートが無慈悲に最後まで取っておいた切り札を切り、ローランド王国軍を救いのない灼熱の旋風がなめ回す。

 法兵は既に力尽きていると判断していたローランド王国軍の軽歩兵にとってそれは虚を突かれた攻撃であり、一気に混乱が広がった。


「崩れたぞ! 我が白兵の優越を信じ敵を圧倒せよ! ――駈け足ー! 前に!」


 長く大隊長をたらい回しにされていたがゆえに大隊規模の戦闘では百戦錬磨のアダムス司令官が部下たちにお決まりの文句を吐く。

 とはいえ、その文句の意味はほんの少し前にユートが思ったものとは全く意味が違っていた。

 軽歩兵たちは悲壮感もなく、勇躍突撃する。


 予備隊の展開も間に合わぬまま側面からリーガン大隊長の西方驃騎兵第二大隊の突撃を受け、前面からはアダムス司令官率いる南方城塞軽歩兵大隊が逆襲に転じ、ローランド王国軍軽歩兵は進退窮まった。


「どうにか……なりそうだな……」


 その様子を見ながらユートはそう呟く。

 大規模な火炎旋風(ファイア・ストーム)で魔力の大半を使い切ったことでへたり込みそうになり、エリアが慌てて肩を貸した。




 ユートの火炎旋風(ファイア・ストーム)、そしてリーガン大隊長の突撃により、ユートは辛くもローランド王国軍を押し返そうとしていた時、ゲルハルトの戦いもまた終わりを迎えつつあった。


「おら、死ねや!」


 ゲルハルトが戦場にあるまじきカラフルな衣装の猛獣使いを串刺しにする。

 あちこちには狩猟豹の死体と、勇敢な軽歩兵や餓狼族の遺体が転がって酸鼻を極める状況であり、エーデルシュタイン伯爵領軍突撃大隊も相当数を減らしていたが、ゲルハルトは相変わらず無傷だった。

 その革鎧は浴びた返り血が変色して真っ黒になっていたし、自慢の狼筅(ろうせん)も数多くの狩猟豹と猛獣使いを刺し殺したことで切れ味は鈍っているが、無傷だった。


「これやとレオナのことを漆黒(シュヴァルツ)とからかえんやん」


 狼筅(ろうせん)を一度振って串刺しにした猛獣使いの男を投げ捨て、そんな冗談を言った時、不意に甲高い音が鳴り響いた。


 慌ててゲルハルトは周囲を警戒するが、周囲にいるのは疲労困憊した餓狼族ばかり――いや、正確には軽歩兵も混じっているが、大柄な餓狼族が目立っている。

 狩猟豹はほとんどが討ち果たされたのか、と警戒しながら甲高い音の源を探すと、カラフルなパッチワークが目に入る。


 どうやら甲高い音は生き残った猛獣使いが吹いているホイッスルのようなものであり、それに応じるように狩猟豹が下がっていくのが見えた。


「あの笛で操っとるんか」


 ゲルハルトはそう呟き、そしてその笛の音が戦いの終わりを告げていることを悟った。




 一方でレオナの戦いはまだ始まったばかりだった。

 二個大隊の指揮官を多数狙撃し、指揮系統をメチャクチャにした上で突入したこともあって、餓狼族に比べれば非力な妖虎族のエーデルシュタイン伯爵領軍捜索大隊といえども敵を圧倒することが出来た。

 指揮官からの指示が届かなくなったローランド王国軍は、妖虎族特有のその俊敏さに対応することが出来ないままに次々と刺殺され、そして崩されていく。


 だが、本営は二個大隊で構成されているわけではない。

 二個大隊が崩されている間に、それを時間稼ぎにしたように残りの三個大隊はエーデルシュタイン伯爵領軍捜索大隊の奇襲に、しっかり隊伍を整えて相対することが出来た。


「魔法だニャ!」


 本来ならば放たれるはずのない至近距離からの魔法が有効なことは後衛を崩した時にわかっている。

 レオナの号令一下、またも土弾(アース・バレット)が飛ぶ。

 これで敵の歩兵を崩せる、とレオナは確信していた。


 だが、今回は勝手が違っていた。

 そこにいたのはローランド王国軍の本営部隊であり、当然のごとく法兵が存在していた。

 同じように土弾(アース・バレット)が撃ち出され、空中で土弾(アース・バレット)が衝突して四散する。

 レオナの切り札だったはずの土弾(アース・バレット)はあっさりと防がれ、そして更に今度は火球(ファイア・ボール)水球(ウォーター・ボール)風斬(ウィンド・カッター)といった魔法が降り注ぐ。


「これはどうしようもないニャ!」


 レオナが悲鳴のような声を上げる。

 ノーザンブリア王国軍にしろ、ローランド王国軍にしろ正規軍が四属性全ての魔法を使える魔法使いのみを法兵とする理由は相手がどんな魔法を使ってきても対応できるようにということであり、まさにこうした局面に対応するためだった。

 先手を打って魔法を使ったことでその数は敵の数の割には少なかったが、土魔法しか使えないレオナたちに為す術はない。


「突撃だニャ! 混淆するにゃ!」


 レオナは苦しげにそう叫び、数百メートルの距離を躍進する。

 そのレオナたちエーデルシュタイン伯爵領軍捜索大隊目がけて魔法が降り注ぎ、身をよじるようにして火球(ファイア・ボール)水球(ウォーター・ボール)をかわしていくが、いくら俊敏であっても全てを避けきれるわけがない。

 まして不可視の風斬(ウィンド・カッター)など避けようもなく、次々と妖虎族の若者たちは斃れていく。


 百人以上の死傷者を出しながら、レオナたちが敵の戦列歩兵の戦列までたどり着くが、今度待っていたのは槍衾だった。

 その槍衾の向こう側でローランド王国軍の下士官や小隊長がにやりと笑みを浮かべているのがレオナにも見えた。


「調子に乗るな、ニャ!」


 そう独り言ちると、伸びてきた槍衾の槍を飛び乗るようにして交わし、レオナを追いかけて持ち上げられる敵の槍の勢いを活かして大跳躍を見せる。

 そして躍り込めば、槍を持って小回りの利かない戦列歩兵よりも俊敏なレオナが有利だ。

 戦列歩兵たちの鎧の隙間や関節をレオナの鎧通しが電光石火に貫き、幾人もの断末魔の悲鳴が上がる。


「みなは大丈夫かニャ?」


 レオナは周囲の戦列歩兵が崩れて余裕が出来たので振り返ると、そこは戦い慣れた妖虎族、レオナと同じような跳躍を見せる者、至近距離から土弾(アース・バレット)を叩きつける者、鈍重な歩兵戦列を俊敏さを活かして振り回し、隙を作って混淆する者、様々な者はいたが五分以上に渡り合っているのがわかった。


 安心して敵の方を見ようとした時、レオナの鼻先を矢が掠める。

 驚きとともに敵の方を見ると半弓に矢をつがえた軽歩兵が見えた。


「おい、俺たちは味方だぞ!?」

「射つな!」


 レオナたちの悲鳴より先に、ローランド王国軍戦列歩兵からそんな悲鳴が上がるが、ローランド王国軍軽歩兵は容赦なく味方ごと射すくめることをやめない。

 だが、レオナは冷静な敵の指揮官の判断にほぞをかむ思いだった。


 エーデルシュタイン伯爵領軍は全て冒険者から成っており、当然ながらその武装は軽装――例えば鎧ならば革鎧であり、しかも致命的な箇所だけを守るものが多い。

 それは魔物という俊敏な相手に、金属鎧をつけて守りを固めても鈍重となっても勝てないし、メンテナンスに多額の費用がかかる金属鎧は冒険者で維持するのは難しい、金属鎧の音で狩りたい魔物が逃げてしまう、などの理由があったが、ともかく全員が軽装であった。

 一方でレオナたちと混淆している戦列歩兵はほとんど全身を金属鎧で固めており、レオナのように急所を突くか、ゲルハルトのように膂力に任せて破壊するか、或いは一般の兵のように数に任せて殴り倒すかしないと致命傷を負わせることは出来ない。


 まして速射性は高くとも威力の低い半弓ならばまず大きな怪我を負うことはないだろうし、降り注ぐ矢はレオナたちだけを痛めつけるだろう、というのが敵の指揮官の読みなのだろう。

 その証拠に先ほどまで降り注いでいた魔法は止んでいるし、多少味方に怪我を負わせても味方ごと射つという非情で合理的な判断をしたのがよくわかった。


土弾(アース・バレット)ニャ!」


 レオナはギリギリと歯ぎしりをしつつ、部下たちにそう命じた。




「ユート、危なかったな」


 ゲルハルトが合流したユートにそう笑いかける。


「あんた、大丈夫なの?」

「オレは怪我一つしとらんで」


 ゲルハルトはそう朗らかに笑うが、ゲルハルト自身は怪我をしていないにしろ、部下の同胞たちは多くが死傷していることもあってその笑顔には陰りがあった。


「まあ勝ててよかったわ。オレの方は犠牲がどのくらい出るかって問題だけで勝てるとは思っとったけど、そっちはかなりオレらも妖虎族(山猫)どももおらんのに、あれだけの敵を相手にせなあかんくて大変やったやろ?」

「ああ、リーガンさんが間に合わなかったら危なかった」

「まあせやろな」


 さもあらんとゲルハルトが頷く。


「最後まで火炎旋風(ファイア・ストーム)取っておくからどうする気かと思ったけど、ユートの我慢強さが実ったわね」


 エリアがそう笑う。

 エリアの性格ならば、恐らく初っ端で叩き込むだろう。

 もちろんそれが間違いではなく、機先を制して主導権を握るという意味もあるとは思うが、今回は一番大事な局面まで切り札を温存し、逆襲の契機にしたユートの判断が優っていた。


「あとはレオナだけだな」


 ユートはそう言いながら、レオナたちエーデルシュタイン伯爵領軍捜索大隊が消えていった森の方を、祈るように見た。




 そのレオナは苦戦のまっただ中にあった。

 味方ごと矢を射かけるという戦術の前に打開策が見えないまま、死傷者だけが増えていく。

 二個大隊を狙撃と奇襲で潰乱させ、戦列歩兵を崩したとはいえ、まだ敵は二個大隊がそこいら――法兵と本営要員で一個大隊と楽観的に見ても目の前の軽歩兵がまるまる一個大隊いる勘定になる。

 目の前の軽歩兵大隊を破り、そして本営に乗り込んで敵の司令官を討ち果たさなければならない。

 こんなところで味方ごと射つなどという奇策にやられている場合ではないのだ。


「あちきが突っ込むニャ! 第一中隊はあちきと一緒に突撃だニャ! 第二中隊以下は土弾(アース・バレット)で掩護頼むニャ!」


 レオナは言い終えると同時に敵目がけて駆け出した。


 矢が幾度も掠めるが抜群の動体視力と反射神経でそれをかわす。

 かわしきれないにしても掠める程度に留める。

 恐らく腕や脚には無数のかすり傷がついているだろうけれども、それを無視して駆けた。


 矢を放っている軽歩兵とはたった百メートルほどの距離しかなく、レオナの俊足をもってすれば十数秒のことのはずだった。

 だが、その短い時間の間に幾人もの妖虎族の同胞が倒れたことをレオナは悟っていた。


「死ねだニャ!」


 そう叫び、軽歩兵に躍りかかる。

 そして、まるで死神がダンスを踊るように、レオナの鎧通しが次々と見知らぬ軽歩兵の人生を終わらせていく。


 レオナの勇戦に勢いづけられたのか数を減らした第一中隊の面々も突入し、半弓を持った軽歩兵たちはあっという間に逃げ腰になった。


「そこまでだ!」


 無我夢中で幾人を葬ったかわからないが、少なくともレオナの周囲に軽歩兵の姿がなくなった時、野太い声が響いた。


「貴様はいつぞやの夜戦指揮官……レオナ・レオンハルト! やはり貴様だったか!」


 口ひげに白髪のロマンスグレーの男――ルーテル伯マクシム。

 クリフォード城に入城する時、レオナとやり合ったローランド王国軍の指揮官だ。


「よくぞここまで戦った、と褒めてやりたいところだが、時間もない。覚悟しろ!」


 ルーテル伯は好戦的な笑みを浮かべる。

 レオナもまた、鎧通しを構えた。

 あの時のように周囲は優勢な敵歩兵に徐々に包囲されていっているがユートや仲間が助けにこれる距離にはいない。

 自分の力で倒すしかない、と覚悟を決めた時、不意にそのルーテル伯のさらに後方から剣戟の音が聞こえてきた。


「どうした!?」


 あらぬ方向からの戦場音楽に、ルーテル伯もまた驚きを隠せないように振り返った。


「覚悟、だニャ!」


 レオナはその一瞬の隙を突いて飛びかかるり、鎧通しでのど頸を狙う。


「卑怯な!」


 ルーテル伯は慌てて両手剣を振り回してレオナの鎧通しを弾き、かろうじて致命傷を避ける。

 そして、二歩、三歩と距離を置いてレオナの飛び込みを警戒しながら周囲の部下に目をやった。

 だが、ルーテル伯に見られた部下もまた、困惑の表情を浮かべるしか出来ない。


「閣下! 大変です! 敵の奇襲により集成法兵大隊が壊滅!」

「なんだと!? まだ伏兵がいたのか!?」


 うわずった声のルーテル伯――だが、そう驚いているのはレオナも一緒だった。

 本営よりも更に後方に置かれているらしい法兵はいかにユートが駆けつけたとしても襲撃できる場所ではない――レオナたち妖虎族ですらそこまでは浸透襲撃出来なかったのだ。


「何!? 皇太子殿下はご無事か!? ――レオナ・レオンハルト、勝負は預けておくぞ!」


 ルーテル伯は慌てて身を翻す。


「卑怯者! 逃げるニャ!」


 レオナは追いすがろうとしたが、何人もの歩兵がルーテル伯との間に立ちふさがり、それを倒している間にルーテル伯は兵を纏めて引き上げていっていた。

 そのルーテル伯に合わせるように周囲のローランド王国軍も後退を始め、レオナたちもまた追撃の余力はなく、奇妙な静寂が戦場を支配する。


 目の前で敵の本営が撤退していくのを指をくわえて見守るしかないレオナは、ルーテル伯が言った皇太子という大魚を逸したのを悔やむべきか、それでも散々に破って撤退に追い込んだことを誇るべきか、と少し小首を傾げながらぼんやり考えていた。

 そうしているうちに、撤退していく敵の向こう側から、どうやら敵の法兵大隊を破ったらしい味方部隊がこちらに近づいているのが見えてきた。


 そこには跳ね馬に盾の戦旗――クリフォード侯爵領軍の戦旗が翻っていた。


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