表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常の章  作者: しば
6/13

お披露目

「みなさん、お待たせしました」

あれから更に20分程度が経過し、沢山の荷物を抱えた楓が戻ってきた。

「佐伯はどうしたんだ?姿が見えないが」

「大変身をお披露目する為に待機してもらってるんですよ。二人とも驚いて腰を抜かさないでくださいね?」

楓は後ろを振り向いて、「愛さん!」と柱の陰に向かって呼びかけた。

「ほぅ…」

感嘆の吐息を漏らしたのは堅固。

「見違えたじゃないか、愛」

柱の陰から現れた少女を見て、章はそれが決して大げさな反応ではないと分かった。

今の愛が街中を歩いていれば、十分に異性の目をひくことができるだろう。

「そう…?」

容姿に不釣り合いだったお下げは解かれ、眼鏡も外されている。クールな印象を醸す切れ長の目が、彼女の纏う衣服の雰囲気によくマッチしていた。あまり様になっているものだから、章はしばらく言葉を発する事が出来なかった。

「章さん」

「え?」

「え?、じゃないですよ。せっかく愛さんが勇気をふり絞ってくれたんですから、何か言って上げて下さい」

「……」

つかつかと愛の前に歩み寄る章。

「な、なに…?」

「綺麗だよ、まるでどこかのお姫様みたいだ」

瞬間、章の股に強烈な前蹴りが炸裂した。

「馬鹿なんじゃないの⁉︎よく人前でそんな歯の浮くようなセリフをかませるわね!」

「ぉおうぐォオ…‼︎」

地獄の痛みに耐える章だが、半分魂がぬけかかっている。

見ているだけでこっちまで痛くなる光景に、堅固も少しだけ内股になっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ