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日常の章  作者: しば
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一休み

「堅固は、愛とどうやって仲良くなったんだ?」

デパートの休憩スペースにあるソファに座っている章が、欠伸を噛み殺して隣にいる堅固に問いかけた。

因みに、女子勢はまだ買い物の真っ最中だ。

「どうだったかな…」

記憶を探るように腕組みをして唸っていた堅固は、ぽんと手を打った。

「あぁ、そうだった。その日は愛が弁当を忘れてきたんだよ。意地張って我慢してたから、パンを差し出したら目を輝かせてた」

「変わらなさ過ぎだろ…」

どうやらその頃から食い気には逆らえない性分だったらしい。

「話してみれば結構面白いやつだよ、愛は。大概のことは要領良くこなすけど、いかんせん人付き合いだけは苦手らしい」

「なるほどね…」

妙に貫禄があるせいか、堅固はまるで愛娘の話をする父親のように見えて、章は少し可笑しかった。

「もしかしてあいつの事気になってたりすんのか?だったらすごいお似合いだと思うけどな」

少しからかうだけのつもりだったのだが、

「ば、な、ぁある訳無いだろう‼︎」

「いやお前分かり易すぎるよ!」

章の中で堅固のイメージが総崩れした瞬間だった。


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