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到着
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「大丈夫だと思うけど、夕飯いらないって家に連絡忘れてねぇよな?」
「大丈夫です」
「既にメールを送ってある」
「あ。忘れてたわ」
章の問いかけに、愛一人が違う反応を示した。
「バカ、早く連絡しろ!」
「どうして?焼肉を食べてから、夕食も食べればいいじゃない」
「パンが無ければ、みたいな言い方すんなよ。お前はかの王妃さまか」
あまりの淀みなさに、一瞬納得しかけてしまった。
「お前そのうち空気とか食べ出しそうだよな」
「そうね。いつか食べられるようになりたいと思っているわ」
「本気ですか⁉︎」
端で聞いている堅固としては、食べるよりも前に読めるようになって欲しいところだったが。デパートを出てからずっと歩みを進めていた章達は、焼肉屋を通りの左手に確認した。
「まぁ、本人が良いって言ってるからいいか。んじゃ、入ろうか」
香ばしい熱気に包まれながら、四人は店の奥へと進んだ。




