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Dear『Wolf』

私はどこか分からない広いコンクリートの建物の一室で目が覚めた。

輝星)どこだここ

和琴)随分と現代的な建物ですね?どこかのオフィスビル?合宿所?でしょうか…

啓斗)僕たちは一体何をしていたんでしょうか

同じくらいの子たちが次々と起きてくる。中心には椅子が10個並べられており、各々は状況がのみ込めない様子にあった。

彩桃)なにここ、それになにこの首輪みたいなの。

自分の首に手を伸ばしてみる。銀色の機械にワイヤーがつけられているシンプルな構造の首輪だった

煉斗)くそっ!なんだよこれ全然取れねぇじゃねぇか!

赤髪の青年が首輪を取ろうとしている。しかしなかなか外れない

その時部屋にあったテレビから文字が映し出される。


"ようこそ皆さん人狼ゲームへ"

恋瑠奈)人狼ゲーム?


"今から皆さんには人狼ゲームをしていただきます"


"皆さんには今から命懸けで戦っていただきます"

碧音)命懸け?


"勝った人には賞金1億円を差し上げます"

結那)1億……


"先に建物について説明いたします。建物の外もしくは境界線を出ると首輪が自動的に動き皆さんを処刑します。また規定の時間以外の暴力殺人が行われた場合も首輪が自動的に締まります"

啓斗)処…刑…


"処刑方法について。方法は問いませんただし完全に心臓機能を停止させてください"

暁月)何を言ってるんだ……


"それでは人狼ゲームの内容について説明します"


"村人陣営と人狼陣営、恋人陣営に分かれます

村人陣営は村人4名、騎士1名、占い師1名です

人狼陣営は人狼2名と狂人1名です

恋人陣営はキューピット1名と恋人1名です"



"村人陣営の勝利条件は人狼を全滅させること

人狼陣営の勝利条件は村人陣営を人狼陣営の人数と同数にすること

恋人陣営は2人が最後まで残っていることです"


"キューピットは恋人1人を選ぶことができます

恋人は村人や人狼などの役職を持っていても選ばれます

キューピット、恋人、狂人、騎士、占い師は【村人】と表示されます

恋人同士は誰が恋人か分かります"


"毎日夜に1人投票して投票された人は処刑してください

同数投票の場合は決選投票をしてください

占い師、騎士、人狼は深夜に行動することができます

占い師は深夜1人を占うことができ、村人か人狼か分かります

騎士は深夜1人を守ることができます

人狼は深夜1人を殺すことができます"


"それでは皆さんにお配りしている役職カードを確認してください。またカードは見られてはいけません"


全員がカードをみる。


私は………人狼


"今回のゲームは試験的であることをご理解願います。仮に人狼と村人が同数になった場合など襲撃時に勝ちが確定したとしても次の投票ターンまでは村人は死にません。恋人に関しても同様です。また処刑時や人狼襲撃時以外に他人に危害を加えたり、殺害したりしないでください。ルールは以上です。頑張って生き残ってください"


ロビン)なんだよこれ……

輝星)とりあえず状況を整理しようぜ

そういいオレンジ髪の青年は椅子へと腰掛ける

彩桃)みんな制服も違うし…とりあえず自己紹介してみない?

全員が椅子へ座ると同時に先程のオレンジ髪の青年が自己紹介を始める

輝星)俺の名前は月宮輝星つきみや らいと。東京のみなき高校っていう所に通ってる高校三年生

彩桃)同じくみなき高校に通ってる高校三年生、甘咲喜彩桃かんざき ももだよ

暁月)なんだおなじ都内か星蘭学園の天童院暁月てんどういん あかつき

和琴)暁月さんの同じ学校の白瀬和琴しらせあこといいます。よろしくお願いします。

彩桃)えっ!!?星蘭学園って超頭良いところじゃない!!?

彩桃のテンションが上がっている。おそらく都内の進学校だろう。

煉斗)俺らは京都の永生高校の3年赤嶺煉斗あかみね れんと

碧音)弥多輝碧音みたき あおい

恋瑠奈)おぉ!関西!私達は奈良県の浪崎高校に通ってるよん!ねっ!ロビン!

ロビン)まぁな、こいつは水島恋瑠奈みしま れるなで俺はロビン・アーランド。よろしくな

結那)どうやら私たちが最後みたいね。私は妃咲結那きさき ゆな香川県の伊神第一高校に通ってるわ。こっちは水島みしま 啓斗けいと

啓斗)よろしくお願いします

全員の自己紹介が終わり、少しの間沈黙が広がる。

煉斗)それで?自己紹介が終わったところで次はどうすれば?

暁月)そんなの投票だろ

暁月が即答する。しかし彩桃が建物の違和感に気がつく。

彩桃)そう言えば…この建物窓はあるけど全部真っ黒に塗られてて分からない

その時テレビの画面がひかり文字が浮かび上がる。

"窓は全て黒塗りにさせていただいています。しかし玄関のみ外の世界の時間がわかるようにあえて黒塗りはさせていただいておりません。また時間進行は現実と同じようにするため、投票の時間や夜22時〜5時までの時間以外はフリーとなっております。なお今はあと5分で投票の時間になります。投票後速やかに処刑を行ってください"

その画面がうつしおわる。時計は20時55分を指していた。

暁月)とりあえず誰が怪しいか言っていこう。俺は煉斗が怪しいと思う

煉斗)は?なんで俺なんだよ

煉斗が即座に反応する。暁月に向かおうとするのを啓斗と輝星が止めていた。

和琴)会長落ち着いてください。いきなり決めつけるのはよくありません。

暁月)今回は投票時間が短すぎる。なら全滅しないためにもあいつを殺した方が懸命だろ!

結那)さっさと投票する人決めないと!あと4分なのに!

彩桃、碧音は二人で身を寄せ合い震えていた。

一方で暁月と煉斗は言い争っていた。

恋瑠奈)まってよ!占い師が名乗りあげてないと!!

あたりがシーンとなる。私も役職などについては詳しくないが何となく重要な役職は誰が誰か確認しておくべきだと感じた。

暁月)確かに占い師の存在を忘れていた。

啓斗)占い師の人は名乗ってください。

そういいふたりが手を上げる。

結那)和琴と煉斗

暁月)どうせ和琴が本物で煉斗が偽物なんだろ!

ロビン)落ち着け、今は判断するものがないだろ

結那)その通り…だから私はあなたに入れる

結那が指をさした先にいたのは暁月だった。

暁月)は?なんでだ理由がないだろ

結那)あなたの行動は全て自分の身を守るようなことしかしてない。それに自分が狙われないように場を動かそうとしてる。もしかして人狼かも?と思っただけ

暁月)ふざけるな!僕はお前たちをまとめてやろうとしてるだけだろ!!!

暁月が結那の胸ぐらを掴む。しかし結那は抵抗しなかった。

和琴)落ち着いてください!投票まであと3分ですよ!!

ロビン)誰に投票するんだよ!!!

暁月)煉斗とか結那に入れろ!絶対人狼だ!こいつら!

暁月は必死に主張をし続ける。しかし時計の針は進むばかり

啓斗)もう時間ないですよ!!!!そろそろ投票しないと!!!

輝星)せーのでゆびさせ!!!せーの!!

輝星が叫び場が静まる。全員が一斉に暁月の方を指さしていた。

暁月)和琴??何故君まで

和琴)ごめんなさい…ごめんなさい

涙目になりながら謝っていた。すると暁月がヤケになったのかあたりの椅子を蹴りちらしていた。彩桃や碧音などは隅で泣いており、恋瑠奈と結那も唖然としていた。

煉斗)けど投票しても処刑しなきゃなんねぇんだろ、どうやって処刑すんだよ

輝星)決まってんだろこうするんだよ。

輝星が暁月に近づいたと思った鼓膜が破れるくらいの発砲音がなる。

暁月)はっ……??あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!

尋常じゃない叫び声が響き渡る。

輝星)首輪が自動で閉まらなかった。処刑ってこういう事だろ?というかテレビの下の箱の中にサバイバルナイフ、拳銃、ロープがあったぜ

表情1つ変えず、1発、2発と弾丸が撃ち込まれ、6回目が撃ち込まれると暁月の叫び声も聞こえなくなった。

輝星)これで夜のターンが終わりなんだろ?次は自室に22時までに戻らねぇと

彩桃)輝星くん…そのっ…血が…

頬に着いた血液をサッと拭き取り大丈夫だろと言わんばかりにそそくさとどこかへ行く輝星。

私はその場に立ち尽くしぼーっとしていた。

ロビン)おい恋瑠奈…恋瑠奈

体を揺さぶられ我に返る。

ロビン)具合悪くはないか?

恋瑠奈)大丈夫…平気

ロビン)こんなところから早く出て部屋に戻ろう

私はロビンに連れられ暁月の部屋にいく。

────────

暁月の死体を個人の部屋に運び一同が自分たちの部屋へ戻ろうとしていた。

結那)あの恋瑠奈さん

結那に声をかけられ振り向くと他には、彩桃と和琴もいた。

恋瑠奈)碧音ちゃんは?

結那)とりあえず会話を聞かれたくないから部屋を移動したい。全員私の部屋に来て欲しいの。

全員結那の部屋へ移動する。それぞれベッドや椅子に座り結那は話をする。

結那)話したいことは2つある。まず碧音さんについてだけど、私あの人が人狼だと思ってる。だからハブった。

和琴)それはなぜですか??

結那)まずここで仮定の話をする。和琴が本物の占い師の場合煉斗が人狼もしくは狂人になる。

和琴が少しドキッとしている。いきなり名指しされたからだろう。

結那)でも私は本物だと思ってるからここに呼んだ。

彩桃)ということは結那ちゃんの中で人狼もしくは狂人は煉斗くんと碧音ちゃんってこと?

結那)その通り

女子ほとんどの考えがあの二人が人狼というのなら私はのっかるしかない。だってチャンスなのだから。

恋瑠奈)それなら明日の投票は確実に減らすために碧音ちゃんか煉斗くんにするのは?

彩桃)たしかに!!賛成!

全員の顔が納得している様子だった。

和琴)それでもうひとつの話したいことっていうのはなんですか??

結那)私の学校で起きたことについて

恋瑠奈)学校で起きたことっていうのはこのことに関連してること?

結那)関連しているかもしれないこと。

全員の表情が強張る。結那の話はこうだった。

結那)一年前私たちの1個上の先輩たちが10人くらい集団で居なくなったことがあった。その時学校では行方不明だとかで警察が毎日学校に来ていた。3ヶ月くらいすぎたある日関東のどこかでひとり先輩が見つかった。制服はボロボロだったし、何故か血も着いていた。喋れる状態でもなかったから暫くは精神病棟にいたと私は聞いている。

彩桃)その先輩は??

結那)普通に退院して戻ってきてた。そのあと私はその先輩と喋る機会があった。

 

”俺はよく分からない山奥の建物の中で親友たちを殺した。それだけは覚えてる”

 

和琴)それは記憶喪失ってことですか?

結那)そうみたいね先輩自身もそう言ってた。

結那の話を整理していくと、私たちの今の状況と重なることはいくつもある。一応このことは同じ人狼の子とも共有しておくべきだろう。

彩桃)そろそろ時間だし、みんな部屋に戻ろっか。

全員それぞれの早々と自室に戻った。これから深夜のターンに入る。とりあえず指示通りテレビを操作してみることにした。


”もう1人の人狼は月宮輝星さんです”


恋瑠奈)あのオレンジの人か…怖いっちゃ怖いな。さてさて集合場所に…

ドアノブに手をかけようとした時、画面が切り替わる。私は書いてあることを注意深く読み集合場所へと向かった。

──────────

人狼の集合場所は投票場所とおなじ少し広めの会議室。月明かりに照らされてた輝星がこちらをずっと待ってたかのように話しかけてくる。

輝星)おーきたきた!さてさて誰を殺す?

恋瑠奈)いきなりそんなこと言われても…でもとりあえず彩桃ちゃんとロビンは辞めたいかと?

輝星)なるほど私情もあるか…

深々と頭の中で考えている様子だ。

恋瑠奈)個人的にもロビンが狂人でもそうじゃなくても意見を出せば聞いてくれるはず、それはそっちからすれば彩桃ちゃんもそうだと思う。

輝星)確かにじゃあそのふたりを除くとすればどうすればいいか、

恋瑠奈)とりあえずここで自称占い師のふたりは残しときたいもしかしたら狂人の可能性もあるし

輝星)和琴か煉斗かとなると残るは、結那と啓斗、碧音

私たちからみてほぼ確で村人の3人。用心棒の可能性があるが、用心棒は自分で自分を守れない。用心棒から守られなさそうな人を選ぶしかない。

恋瑠奈)何となく賢そうな啓斗くんからは?

輝星)そんな理由でいいのか?まぁたしかになんとなくにはなるが村人だろうな

恋瑠奈)今日は啓斗くん。明日は投票の結果に応じて変えよう。

──────

啓斗の部屋

ガチャ

声がもれないようにしっかりと扉を閉める。人狼が入ってきて啓斗も困惑しているようだ。

輝星)というわけで啓斗くんこんばんは

啓斗)えっ??

輝星)一応聞くけど君恋人とかそういう役職持ってたりしないよね??

啓斗)えっ??

唐突な質問をされ目が不安と恐怖で支配されていた。

輝星)この時点で殺されるの確定だから吐いといたら??

啓斗)嫌です!!絶対いません!!

輝星)ふーんそっか

輝星が呆れた表情で啓斗に近づく。グサッと音と共に啓斗がその場にうづくまる。

啓斗)ぐっ…はっ……

輝星)ほら言えよー

啓斗)やめってくださいっ……

輝星)はぁ…つかえな

啓斗に向けられた冷たい視線。私は何も言えずただ啓斗が黙るのを見ているしか無かった。とりあえ村人もしくは用心棒を殺せたので勝利に一歩近づいたと思ってもいいだろう。

──────

2日目朝

日が昇り私は顔を洗いに行こうと洗面所へ向かう。向かう途中偶然彩桃がいたので一緒に洗面所に向かった。

彩桃)昨日の話本当だと思う?

恋瑠奈)私は本当だと思うけどな

彩桃もなにか思うところがあるようだ。

彩桃)結那ちゃん的には本当かもしれないけど…

恋瑠奈)もし仮にだけど結那が人狼が場を混乱させてる可能性もあるかもしれないよ?

彩桃がえっ?と声を漏らす。私も一応人狼と悟られないように行動をしないといけない。

恋瑠奈)普通のカードゲームでなら会話はできない。けどあえてこうやって会話ができるってことは人狼にとっては嘘の情報を沢山吹き込むことも可能だとは思うな。

彩桃)たしかに一理あるね…じゃあ今日の投票で言ってみる?

恋瑠奈)そうしよ!

私は彩桃に微笑み先に洗面所を出た。

──────

2日目夜

啓斗が襲撃され結那は何も口を開かない。ずっと下を向いており表情も分からない。

碧音)とりあえず占いの結果から言っていかない??

和琴)…私は彩桃さんを占いました。村人でした

煉斗)俺は恋瑠奈を占った村人だった

私はとりあえず嘘の村人判定をもらいほっとする。これでほぼ確で煉斗くんが狂人となる。

輝星)となると、それ以外の俺、ロビン、結那、碧音の中からで人狼がいる可能性があるって事だ

碧音)そう言えば結那、昨日啓斗くんとなにか密会してたよね、人狼がどうのこうのとか。それに彩桃朝からずっとコソコソしてなかった?恋瑠奈ちゃんと

結那)それは人狼の予想をしてただけよ、第一啓斗は殺されたから人狼じゃない

淡々と答える結那。私と彩桃も弁明に出る。

彩桃)それはね昨日私たち結那ちゃんに呼び出されてそれについて朝たまたま会ったから話し合ってたんだよね!

恋瑠奈)そうそう!

結那の鋭い目線が彩桃と私に向けられる。私は無視しロビンが会話を続ける。

ロビン)さすがに確定村人は殺したくない、まぁ和琴と煉斗のどっちかが嘘をついていたとしてな

碧音)この話の流れ的にも私は結那もしくは彩桃が怪しいと思う

彩桃)なんで私なの??碧音ちゃん落ち着いて考えてこ?もしかして女の子の中で自分だけ呼ばれなかったの気にしてた?

少々焦りが出ているのか煽りのようなものが出ていた。

結那)密会のこと??私が人狼だったら啓斗なんか襲わないけど?それにあなた以外の女子には私の学校で起きたことを話してただけ。というか私から見たら碧音の方が怪しいけど??

動揺し早口になっている。結那と彩桃は碧音を殺そうと必死だ。

碧音)そんなことない!!だって私はなにもしてないじゃない!!

二人からせめられ碧音が声を荒らげ必死に否定する。

ロビン)たしかに言われてみれば、結那も彩桃も怪しい。

煉斗)もしかしてふたりが恋人じゃないのか?

和琴)たしかに恋人は役職表示がありません。占い師からも分からないですが。お2人が碧音さんを処刑しようとしているのは怪しいです。

私と輝星は結那か彩桃に投票しようとしているみたいだ。

恋瑠奈)確かにそう言われると碧音ちゃんも怪しいけど、私たちだけ集めた密会も啓斗くんとだけなにかコソコソしてた結那も怪しくない?

少しわざとらしく言ってみる。これを好機だと思った輝星がニヤリと笑う。

輝星)同感、少しでも怪しいヤツを殺しといた方がいいかもな、啓斗は恋人じゃなくても結那は恋人の可能性もあるしな

一同が動揺している。完全に話の流れを結那が今夜処刑されるようにもっていけている。

結那)違う!!わたしが恋人なら、なんで和琴と煉斗のどっちかは私を村人といわないの!!おかしいじゃん!

輝星)投票時間だ、彩桃、ロビンは??

冷静に確実に輝星はグループの指揮を取っている。私は上手く話の流れを作れたようでほっとする。

ロビン)悪い結那

彩桃)輝星くん本当にしなきゃダメ?

輝星)一緒に出たいなら今日はとりあえず結那に入れような

彩桃のそばに行きそっと抱きしめている。ロビンからの視線を感じたが私はロビンに近寄ることはできなかった。時計の針が刻一刻と迫る。

輝星)投票!!321!

全員の指先は結那に向けられていた。

結那)そんな…私は…

膝から崩れ落ち涙がこぼれていた。

輝星)さてと、ロビン俺、昨日殺したからさ代わりにしてくんない??好きな武器使っていいからさ

処刑用の武器が入った箱を指さし、半強制的にやらせようとしている。

ロビン)んなことできるわけ…

輝星)やらねぇと俺らとか恋瑠奈もおじゃんだけど??

さっさとしろと言わんばかりに強い口調でロビンに語る。なにか耳打ちをしているようだが聞こえなかった。

ロビン)ちっ…悪い結那…

ばつが悪そうな顔ナイフを構える。結那はそれを見て扉の方に一目散に逃げる。ロビンは焦り武器を手から離し追いかける。輝星、煉斗も後に続く。方向的に見て結那は玄関に向かったようだ。私達も結那が気になり急いで階段を駆け抜ける。玄関のところで男子たちが抵抗している結那を抑えているのが見えた。

ロビン)どうやって殺すんだよ!!!

煉斗)なんでなんにも持ってきてねぇんだよ!!

輝星)結那を玄関から追い出せ!!!首輪閉まって死ぬから処刑と同じだ!!

結那は必死に抵抗し、嫌だと泣き叫び続ける。三人で玄関の際まで押さえつけロビンが最後結那を外に押し出す。外に出てしまった結那の首元からピッと音がしだんだんネジが閉まる音とギチギチと肉が食込絞まる音が聞こえた。血が大量に出ている結那がもがき苦しんでいる様子を私はただ見ているしかなかった。次第に結那の泣き声もなくなっていた。

ーーーーーーーーー

2日目深夜

廊下からコツコツと靴の音が聞こえ輝星によっ!と声をかけられる。

恋瑠奈)大丈夫かな…なんかやりすぎ感が…

輝星)そうか?別にそんなこと思わなかったけどな

あっけらかんとした返事に私は怒りが湧く。

恋瑠奈)人の命なんだよ!私たちが好き勝手していいことなんか…

怒りをぶつけた瞬間輝星の鋭い目線が私を睨む。

輝星)あのさーアイツら吊らないと俺らが死ぬわけ??理解できる??死にたくねぇなら必死でやれよ!

恋瑠奈)…ごめん…

私とは違う感情が輝星から出ていた。本当は輝星も人殺しなんてしたくないのだろう。

輝星)まぁいいけどさて今回誰を殺しに行く?

恋瑠奈)まず今残ってるのが私、輝星くんの人狼ふたり、自称占い師の和琴ちゃんと煉斗くんそれから村人の碧音ちゃん、ロビン、彩桃ちゃん

輝星)多分だけど煉斗が狂人だろうな。それだと今は村人陣営3人、人狼陣営3人だな

恋瑠奈)でもそれってゲーム破綻してない?だって同数になったら…

普通の人狼ゲームなら人狼陣営と同数になってしまえばゲームは終了となってしまう。

輝星)おそらく人狼陣営じゃなくて人狼と同じ人数ってことだろうな。

恋瑠奈)じゃあ今日4人の中の誰かを殺せば

輝星)明日の投票ターンで俺ら以外の全員が死ぬってことだな

私たち人狼が確実に勝つことができる。しかし今のままでは疑問もいくつか残る。

恋瑠奈)ルールなのはわかってるんだけどさ、なんで夜のターンで終わらせないんだろ…だって確定なのに…

輝星)さぁ?もしかしたら絶望感とか見せたいのかもよ

議論にもならなかった。輝星にとってはやはりゲームと同じ感覚なのだろうか。

恋瑠奈)じゃあ今日は誰にする?

輝星)碧音か和琴、和琴は占い師、碧音は恋人かもな。

恋瑠奈)どうして?

輝星)そもそも恋人は殺された時点でもう1人も死ぬんだろ?ロビン、彩桃この2人は俺ら2人を庇ってる。なら置いとくにはちょうどいいだろ

恋瑠奈)でも今日和琴ちゃん殺した場合恋人が残るよ?

輝星)そうだから今日は碧音を殺す。恋人の可能性をかけてな

ーーーーーーーーー

碧音の部屋

重い扉を開け碧音を確認する。窓を開け椅子に座り外を眺めていたであろう碧音はこちらを見て驚いていた。

碧音)あんたたち2人だったの?

輝星)悪いな恋人か?

碧音)恋人じゃないわよ!!お願い誰にも言わないから見逃して…

輝星が碧音にゆっくりと近づく。私はただドアの前に突っ立っていることしか出来ない。

輝星)無理恋人なんだろー??さっさと吐けよ

碧音を窓際まで追い詰め、逃げられないようにしている。

碧音)違う私は普通の村人

輝星は呆れたような声を出し、ナイフを一突きした。

輝星)ごめんだけどこっから落とすわ

碧音のあっという表情が見えたあと輝星は碧音の肩を後ろに押し突き落としていた。本当に死亡しているか確かめるために二人で外をのぞく。地面には碧音の血の池ができていた。

恋瑠奈)これで明日恋人がいなかったらいいけど

輝星)煉斗にはクソキレられるだろうな

たしかに煉斗は碧音の彼氏。それに私たち人狼陣営でもある。もしも死んで私達のことを裏切ったりしたら?否もう勝利は確定している。

ーーーーーーー

3日目夜

和琴)昨日輝星さんを占いました人狼でした。

煉斗)ロビンは村人だった…

ここに来て本物の人狼を言われる。やはり和琴が本物のようだ。

輝星)そうだよ?俺が人狼だよ?だからどうした村人さんたち

待ってましたとばかりに余裕の表情を見せる輝星。もう怖いものは無いように見える。

ロビン)俺ら負けたのか…

輝星)良かったじゃん煉斗俺ら生き残れて

笑顔で煉斗の方をポンポンと叩く。それに今までの鬱憤が溜まったのか煉斗が手を振り払う。

煉斗)ふざけんな!!碧音を突き落としやがって!

輝星)いやいやあれ勝手に碧音ちゃんが痛すぎて落ちてっただけだよ

平然と嘘を付き笑っている。煉斗は殴ることもなく地面に這いつくばり泣いていた。

彩桃)というかなんで終わらないの…

輝星)人狼襲撃で負け確定してもルール上次の投票ターンでしか終われないんだよ。

和琴)今更足掻いても…もう…

ほとんどが人狼に負けた悔しさで泣いていた。輝星は高らかと笑い、私はただ座っているしか出来なかった。

”ゲーム終了ですお疲れ様でした。人狼側の勝利です。”

輝星)だろうな

”しかしこの中に恋人が生き残っています。恋人側の勝利です”

恋瑠奈)生き残った……

彩桃)私…生き残った……?

自分が死ぬと思っていた彩桃は状況が飲み込めてないようだった。彩桃が処刑されそうになった時、何とか結那を処刑する流れに持っていけた。人狼で襲撃しないように輝星に説得した。私は彩桃を守ることができた。

輝星)ふざけんなよ…彩桃が恋人なら殺せねぇよ……せっかく生き残れたと思ったのにっ!

悔し涙が輝星から溢れている。

恋瑠奈)ごめん…ロビン……

私はロビンに近づく。ロビンは私のことを抱きしめ涙ぐんでいた。

ロビン)最初からわかってたことだ……最後まで殺さないでくれてたんだろ?それで充分だ

ロビンが私に微笑んだ時、ピッと機械音がなる。ロビン、輝星、和琴、煉斗の首輪が閉まり全員の苦しむ声が聞こえてくる。やがてもがく姿も無くなると部屋は静寂になり、私と彩桃の首輪は解かれた。

”以上で前半戦は終了です。後半戦があるため勝者の皆様はしばらく建物でお待ちください。”

恋瑠奈)前半戦??何を言ってるの??

意味がわからなかった。そんな説明はなかった。

彩桃は発狂し部屋中の椅子に八つ当たりをし始めた。

ーーーーー

人狼ゲームから一旦開放された私たちは二人で手を繋ぎ玄関口にたっていた。暖かい風で生きていると思えた。

恋瑠奈)生き残ったけどこれからどうしよう…

彩桃)恋瑠奈ちゃん今から走ってとにかく走って交番まで行こ!!

そういい私の返事を待たずに彩桃は私の手を引き勢いよく飛び出した。よく分からない道をとにかく走った。途中で転けそうになっても、体力が足りなくなっても二人で励まして道を全速力で走っていく。どれくらい走っただろうか。少し日が落ちた頃に街のあかりが見え始めた。やっと帰れるそう思った時、後ろから大きな車が私たちに向かって走ってくるのが見えた………

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