転生直後 超可愛い美少女が狼に襲われていたのでヒーローの如く助けてあげようとした結果
掲載日:2026/02/22
「よし、転生完了!」
目覚めた直後、俺の耳に最高の旋律が飛び込んできた。
「助けてー! 誰か助けてーーー!!!!」
おやおや、この声は。か弱き乙女が俺の活躍を称えるために、真っ先に発するように運命づけられた「賛美の序曲」じゃないか。これはすぐに向かわねばなるまい。
「すんっ」
音もなく現場へ到着。
視界の先には、今にも狼に襲われそうな超絶美少女。そして、飢えた狼が一匹。
ここは華麗に矢で射貫き、狼の命と共に、彼女のハートもついでに射貫いてやろうじゃないか。
「おらっ!」
風を切り、伝説(自称)の一矢が放たれる。
だが、運命の神はとんでもない悪戯好きだった。
ドスッ!
「あっ……」
矢は、素早く動いた狼の鼻先をむなしく通り過ぎ――恐怖で硬直していた美少女の脳門に、寸分の狂いもなく突き刺さった。
狼ですら「えっ?」という顔で、絶命した少女と俺を交互に見ている。
最高のヒーローショーは、開演からわずか数秒で、取り返しのつかない大惨事と共に幕を閉じた。
(完)




