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月は真上に移動し、いっそう夜が深まった。

けれど王城は明るい。

ずっといた小屋の中の光は夜だとほとんどなく、私には城が輝いて見えた。


「こんなに眩しいと侵入するのは難しいのでは……」


城に到着できたことには安堵したけれど、この中で城の人々に見つからず目当ての品を見つけ出すことなんて出来るのかしら。


【侵入に関しては私に策があります。

私は姿を消したり見せたりする魔法が使えるのですが、私以外にもその魔法をかけることが出来る。

しかし、自分以外がどのくらいの時間、姿を消せるのかはやってみなければ分からないのが難点です】


「早速試していただけますか? 城に到着出来たのです。

少しだけでも手掛かりを見つけたいですから」


【分かりました。ですが無理はなさらず。潮時を見極めて帰りましょう】


「はい」


魔法をかけられるなんて、本の中の世界みたいと内心ドキドキしながら猫さんを見つめる。

すると特に呪文を唱えることはなく、身体を仄かな光に包まれると、目に映る自分の姿が透けて見えた。

同時に猫さん自身にも魔法をかけたらしく、猫さんの姿も薄く見える。


【これで他者から我々の姿は見えません。しかし、何時魔法の力が解けるかは分からないので、注意しましょう。

ちなみに魔法の発動中は壁をすり抜けることも出来るので、試してみてください】


「すごいわ猫さん」


心から称賛すると、猫さんは誇らしげに「ふすっ」と息を吐き出して可愛らしかった。


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