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10年ぶりに出た外の空気は冷たい。
だけれど夜風が心地良く、外に出られたことが嬉しくて泣きそうになってしまった。
猫さんに先導してもらい、王城を目指す。
人通りが少ない道を選んでくれているらしく、人と出くわすことがなくてホッとした。
ただ私の体力がなく、少し歩いては止まってもらってしまっていた。
「猫さん、はぁはぁ、ごめんなさい」
息を整えながら猫さんに謝罪すると、猫さんはぷるぷると首を横に振る。
【10年も小屋に幽閉されていたのです。体力も筋力も衰えてしまっても無理はありません。
さきほども申し訳上げましたが、今日中に解決することは考えておりません】
「ですが、王子殿下が呪われてしまうまで猶予はあるのですか?」
【はい。私の調べでは見つけていただきたい呪いの品は王子殿下の健康祈願のために集められた品の一つなのです。
皮肉にも健康になるどころか死に至る道具ですがね。
殿下への献上品として各地から贈られてきた品々が一週間後に開かれる王族主催の夜会でお披露目されるそうなのです】
「つまり、夜会までに見つけ出せば間に合うのですね?」
【その通り。呪いの品はとある魔法使いが作った魔封じの箱に入っておりましてね。
箱を開け、さらに身に付けなければ呪いは発動しません。箱は呪いを封じ込める力はあるのですが、開ける際に特別な鍵が必要とかではないのが厄介なのですがね】
「どなたでも箱を開けようと思えば開けられるのですか。
でしたら、出来るだけ早めに見つけ出せるならだしたいですね」
【それはそうなのですが、シャルロットさんが倒れてしまったら元も子もありません。
今日は王城に到着することを目標にしましょう】
「ありがとう猫さん。お気遣い感謝します」
10年も時間があったのだから身体を鍛えることは出来たのに……。
必死に猫さんを追い掛けながら、この10年間に自分にも出来たことがあったことを実感し、反省した。




