26
薄暗い牢へと放り込まれ、一人きりになると、ようやく呼吸が落ち着いて来た。
「猫さんの仰る通り、私は愚か者ね」
自分自身の行いに苦笑してしまう。
家族と分かり合えるのではないかと希望を抱いてしまったが、それは私のエゴだ。
猫さんは何度も忠告してくれていたのに……。
王女殿下と合流する前に首飾りと対峙してしまったせいで、不可思議な力について兵達に説明のしようもなかった。
計画通りに動いていれば、こんなことにはならなかったのに。
全ては私の我儘のせい。
自業自得の状況に耐えられず、冷たい石の床に横たわる。
私がこの世に生まれた役目は終えられたのではないだろうか?
王子殿下の呪いは解けてはいないが、私のような者に光の力が宿っているのならば、もっと素晴らしい方で使える人がいるはずだ。
その人がきっと、殿下を救ってくださるはず。私の役目は首飾りの呪いを解くことだったのだ。
「だから、もういいですよね? 神様……」
涙がとめどなく流れて行く。
今まで堪えていた感情が心から溢れ出して止まらない。悲しくて辛くて寂しい10年だった。
もうこれ以上は耐えられない。
どうかお願いです。来世は優しい家族が持てますように……。
瞳を閉じて神様へと願うと、足音が近づいてくる。
ああ、そうだ。死ぬ前に罰せられることになる。
辛くて恐ろしいことに心が追い付かず、強く瞳を瞑った。
「シャルロット! すまない! なんてことだ! 大丈夫か?」
牢の扉が開かれる音がすると、すぐに抱き締められる。
私を抱き締める人なんてこの世にいないはずなのに、与えられる温もりに恐る恐る目を開ける。
視界一杯に見えたのは王子殿下の顔。
そして、すぐに恐ろしいことに気付く、王子殿下の首に例の首飾りが掛けられていたのだ。




