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夜会当日。

いつも華やかな貴族たちが、いつも以上に煌びやかに自身を輝かせるのが夜会だ。

私は経験することがないだろうけれど、灯りに照らされて宝石が散りばめられたドレスが輝く様子は、とても美しく、少し羨ましかった。

猫さんに魔法で姿を消してもらい、続々と城内へと入って行く貴族の中に、まだ私の家族は見当たらない。

お父様の計画をなんとしても止めなければならない。


【呪いの首飾りの気配が濃くなりました】


一緒に身を潜めていた猫さんの目が見開かれる。


「お父様たちはもしや、別の場所から城に入ったのでしょうか」


【かもしれません。急いで移動しましょう。呪いの力を強く感じる方向へ向かいます】


走り出す猫さんの後を、慌てて追いかける。

するとあっという間にお父様たちの姿を見つけることが出来た。

城の兵士から何かを受け取っていた。


【首飾りが入っている箱です】


猫さんが毛を逆立たせて箱を凝視している。

封じの箱に保管されているはずなのに、禍々しい気配が感じ取れた。

笑顔で兵たちと話しているお父様たちは何も感じないのだろうか?


【心を悪に染めている者からすれば、首飾りの怨嗟は心地よく感じていることでしょう。

王子の元へ向かうはずです。付いていきましょう】


「……猫さん。待っていただけませんか?」


【どうしました? あまり時間はないですよ】


「お父様を説得したいのです。今止められるならまだ罪を軽くすることができるはずですから」


私の言葉に猫さんが険しい顔になる。


【今まで散々シャルロットさんを蔑ろにし、あの姉にいたっては死まで望んできた家族を救おうというのですか?

人が良過ぎます。もう縁を切るべきです】


「私を愚かな人間だと呆れて下さい。

少なくとも幽閉されていても、私は飢えることはなかった。家族に恩があるのです。お願いします」


【……分かりました。少しだけ待ちます】


猫さんからの了承が得られて、私は家族たちの前に姿を見せることとなった。


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