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あの日のあの後。
屋敷に戻るとまずは質問攻めの嵐だった。
そして家族全員、顔面蒼白になりながらも私が言ったことと自分たちが体験したことを踏まえて、結論が出された。
私こと、シャルロット・ファウベルは幽霊が見えるうえに、その幽霊を他者へと襲わせる力がある、と。
有無を言わさず、物置になっていた小屋に引きずられ、その中に放り込まれた。
「二度と我々に顔を見せるな。声もかけるな」
「呪われた子なんだわ。なんって恐ろしいのかしら」
「早く扉閉めて! こっちまで呪われちゃう!」
乱暴に扉が閉められ、鍵がかかる音が扉の向こうからした。
怒涛の展開に幼い私は当初は自分がどのような状況になってしまったのか理解が出来なかったが、日が経つにつれて実感がもてた。
どうやら自分は幽霊が見える。そしてもしかしたらその幽霊を狂暴化させてしまう力さえある。
家族はそれらを恐れ、私と関わることを一切やめたということだ。
ただ私を餓死させるのは呪いを恐れてからなのか良くないと思ったらしく、メイド達が食事と身体を拭くための水とタオルを運んでくれた。
メイド達に「ありがとう」とお礼を言っても返事が返されることはなかった。
私と関わることが禁止されているのか、それとも事情を知って恐くて話さないのかは分からなかった。
このまま死が訪れるのを待つだけの人生になるのかもしれない。
不幸中の幸いだったのは、小屋の中に書物が多く所蔵されていたことだ。
確か、母方の祖父が読書家だと母が話していた。その母は一切本に興味を持たずこうして埃をかぶってしまっていたようだ。
私は本が好きなので有難かった。
子供ながらに風雨をしのげる屋根があり、寝床もあって、食事が提供される環境は人によっては恵まれた環境と言える状況なことは理解出来ていた。
日々過ごしていくなかで困ったのは姉からの嫌がらせだ。
定期的に姉と姉の友人達が扉の鍵を開け、少しだけ開けた隙間から虫や蛙、トカゲや小動物を投げ込んでくる。
笑い声と漏れ聞こえた姉たちの会話から察すると「呪われないかの度胸試し」らしい。
迷惑なうえに生き物が可哀想だ。
私は投げ込まれる生き物たちが苦手ではなかったので、小屋の隙間から逃がしてやれるものは逃がしてやれたけれど、投げ込まれた衝撃で死んでしまう小動物たちが可哀想で仕方なかった。




