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一時間ほど歩いた先に、猫さんが寝床にしている空き家はあった。

私が過ごしていた小屋より広く、まだ綺麗で、水も飲むことができた。


【最近人間が出て行った家屋のようなのです。夜までここで時間を潰しましょう】


「何から何まで、ありがとうございます」


【……いえ。しかし、あの様子ではもうシャルロットさんがあの屋敷に戻るのは危険かもしれませんね】


「……そうですね」


水を一口飲んで、椅子に座って俯く。

家族と和解できたらと考えた時もあったけれど、どうやら無理そうだ。


「猫さん。私、呪いの件が解決したらこの国を出ようと思います。

今は首飾りの呪いだけを解いて、そして光の魔力を強くする修業に出ようと思うのです。

ただ、殿下にお身体が優れないのは呪いが掛けられているからだとお伝えしようと思います】


【なるほど。それならシャルロットさんが修業に出ている間、王子自身に呪いについての心当たりを探らせることも出来るかもしれませんね。

……まぁ、あの王子が惚れた様子のシャルロットさんとの別れを受け入れるかが疑問ですが】


「殿下の私への気持ちは、滅多に他のご令嬢と会うことがないからだと思います。

人と会う機会が増えれば、私への気持ちなど消えてなくなりますよ」


【……そうだといいんですが。

しかし、今後の動き方は決まりましたね。

時間もあります。呪いの首飾りについてご説明しておきましょう。

首飾りはもともと呪物ではなく、生きていた頃の私の主の思い出の品なのです】


今までどこか飄々としていた猫さんの雰囲気が少し変わった。


「猫さんの思い出の品が呪物になってしまったのですか?」


【はい。少々話が長くなりますが、お付き合いいただけますか?】


「ええ。聞かせてください」


【はい】


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