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「呪いの首飾りを王子殿下が既に身に付けてしまっていたということですか?」


【いえ、首飾りの呪いではありません。とてつもなく強力な呪いです。

王子は病弱との話ですが、どうやら健康に問題はないようです。

あの王子だからこそ呪いに堪えられている。普通の人間だったらとっくに死んでいると思われます】


「そ、そんなに? 一体誰がそんなことを」


【それが分からないのです。少なくとも城内にも、いや、この国内にもいないと思います。

遠距離からの強力な呪い。しかも本来魂の輝きが強い王族を弱らせるほどのものとなると、太刀打ちできません。

何が言いたいかと言いますと、これ以上あの王子と関わるのは危険だということです。

王子の命を助けようと持ち掛けたのは私ですが、王子にも王女にも会わず、姿を消した状態で首飾り探しをする方が賢明かと思います】


「……」


さきほど、お二人とまた明日会う約束をしたばかりなのに……。

でも、そもそもことが解決したら私は小屋を出て、家族と接触しない為にも国を出るつもりだ。

そう考えたらこれ以上関わらない方がいいのかもしれない。しかし……。


「猫さん。でしたら、王子殿下の呪いは見過ごすということですか?」


【はい。我々にはどうすることも出来ませんから】


「でも……見殺しにするようなことは、したくないです」


自分では打開策が何もないのに。これでは猫さんにただ我儘を言っているだけだ。


【……私は首飾りさえ回収できればいい。

正直、王子のことは知ったことではありません。しかしシャルロットさんが王子を助けたいのならば話は別です】


「え? も、もちろんお助けできるなら助けたいです」


【本当に? シャルロットさん、よく聞いてください。

貴女はまだ未熟ながらも光の力を有している。首飾り程度の呪いなら解けるほどの力です。

修業を積めばいつかは王子の呪いを解くことも出来るかもしれません。

ですが、それは今後も王族と関わることを意味します。

貴女は伯爵令嬢。この国の貴族です。

貴女が王族に重要人物として扱われれば今まで貴女をないがしろに扱ってきた貴女の家族が貴女を利用し、利権を得ようとするかもしれません。

王城は人間の欲望が渦巻く場所。人間の幽霊も多く徘徊しているでしょう。

生きている人間も死んでいる人間も多いその場所と関わることは貴女にとって多大なストレスになる」


猫さんの話す内容に、お腹が痛くなってくる。


【これらを踏まえたうえで、また明日、王族と関わっていくかどうかをゆっくり考えて下さい】


そう言い残し、猫さんは姿を消した。


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