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「申し訳ありません。そろそろ帰らなければならないんです」
「なに!? そうか、ずっとはいられないのか」
「……素性は話せないってことだけど、呪いの件が解決したら聞かせてくれる?」
「はい」
……その時はもう家には帰らない決断をしているかもしれないから、お二人に会えるかは分からないけれど。
少なくとも素性を隠す必要はなくなっているだろう。
「シャルロット。また会えるよな?」
「はい。また明日参ります」
「じゃあ、お兄様の部屋の前で待ち合わせしましょう」
お二人と約束を交わし、猫さんの方を見て頷くと魔法をかけてくれる。
「シャルロットが消えた!」
「初めて会った時もこうだったのよ。彼女は魔法使いなのかしらね」
見えていないお二人を他所に私は猫さんの後を追って部屋を退室させていただく。
魔法使いなのは猫さんだ。
その猫さんは足早にファウベル邸へと向かってくれている。
歩くことで息を乱す私を時折気遣うことを忘れないでくれながら、猫さんは日が上り始める前までに小屋へと私を送り届けてくれた。
「ありがとう猫さん」
【シャルロットさん。初日からお疲れさまでした】
労ってくれる猫さんだが、何かを考え込んでいるように見える。
「猫さん。王族の方々とお話中、猫さんが何か思案しているように見えました。何かありましたか?」
【……はい。また驚かせてしまうことになりますが、どうやらあの王子は既に呪われているようです】
「……はい?」
猫さんに呪いについての話を聞いた時と同じく、驚きでまた思考が停止してしまった。




