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き、聞き間違い、よね?

出会ってすぐの王子殿下に告白されるなんて、まさかそんな本の中の話みたいなこと……。


「俺は、己の生を恨んでいた。どうしてこんな身体でこの世に生まれてしまったのかと。

だが今日、全ての理由が判明した! 俺は君に出会う為に生まれて来たのだと!

愛している。シャルロット」


王子殿下。初対面なんですが?

聞き間違いか勘違いだとこちらが思いたいのに、王子殿下は次々と愛の言葉を告げて来てくださってしまう。


「あらあらあら。お兄様ったら、性急ね」


そう言いながらも王女殿下は何故か嬉しそうで、戸惑う。

何処の馬の骨かも分からない女に兄君の王子が告白してしまっているのに!?


「シャルロット、こちらに来てくれないか? 自分から近寄れない己の身が悔しい」


どうしたらいいのか困って猫さんを見ると、猫さんは何か考え込んでいる様子で、じっと王子殿下を見つめていた。


「シャルロット、嫌じゃなかったらお兄様のお願いを聞いてあげてくれる?」


「あ、はい」


嫌とかでは全くないのでベッドに歩み寄ると両手で手を握られる。


「ああ、君の手を握っていると気力が満ちて来る」


特に意識はしていないのだけれど、動物たちを癒す力が○○殿下にも効いているのだろうか?


「今まで国中の医者や薬師たちがお兄様を治そうとしてきたけど、一番の薬は恋。愛の力だったってことかしらね」


王女殿下は鼻歌を歌いながらお茶の支度をはじめてしまう。

ずっと不思議だったのだが、王女殿下は大きなバスケットを出会った時から持っていて、どうやらその中には茶器とお菓子をいれてきていたようだ。

小さなテーブルをベッドの脇へと移動し、兄君とお茶会を開きたかったのだろう。

ドレス姿だったのもお兄様である王子殿下とのお茶会にきちんとした姿で来たかったのかもしれない。

そんな素晴らしい兄妹のお茶会に私も参加させてもらうことになって、恐れ多すぎた。


「お兄様もシャルロットも痩せ過ぎよ。体調がいいのなら食べてね。

いろんな種類のお菓子を持って来たから。こんなことなら城の料理長にオードブルを作ってもらうべきだったわ」


王女殿下に淹れていただいたお茶を飲みながら、ケーキを口にする。


「お、美味しい!」


今まで食べたことのない美味しさに感動してしまう。

この10年、碌な食べ物を食べて来なかったこともあるとは思うけれど、ケーキの甘さに涙が滲む。


「シャルロットは食べている姿も愛らしいな」


「そうね。喜んでもらえて私も嬉しいわ」


ひと時の間、穏やかなお茶会を楽しんでしまった。


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