砂の味
ハローハロー。
3次元の君よ。
この世界の味を知っているか?
僕は知っている。
噛めば噛むほど水分を持っていかれ、不快な食感だけ延々と残り、不味くもなく全く味がしないのだ。
まさに砂を噛んでいるようだ。
この砂の味が、君たちがいる3次元。
僕が居た次元では考えられないほど、矮小で窮屈で単調な世界。
全くもって深みがない。
初めて3次元に来た時、それは新鮮で楽しかったさ。
例えるなら、君らがTVゲームをしているような感じだ。
最初は新鮮で楽しいだろう。
日常にはない刺激を味わい、舌が痺れるようなスパイスを得ることが出来る。
しかし、どんな優れたゲームでも飽きは来る。
何百年、何千年と続けることができるTVゲームなど存在しないだろう。
飽きると、味はしなくなる。
刺激的なスパイスも所詮は表面的なもの。
味がしなくなる。
延々と砂を噛んでいるような。
その飽きたTVゲームに閉じ込められる事を想像して欲しい。
それが僕だ。
誰も好き好んでこの世界に降りてこないさ。
存在は知っていた。TVゲームの世界のように。
そして、僕は上で死んだんだ。
自死を選んだ。
そしたら、下に降りてきてしまった。
世の理とは、何なのか。
自死を選んだ結果の裁きなのか。
徳を積むと、上に行けるのだろうか。
それとも、死ぬと下に降りていくのだろうか。
ここで死ぬと、更に下の次元に行くのだろうか。
3次元の狭間に来て、そのようなことばかり考えている。
それでも君は、その音の鳴る踏切を越えて入るのか?
そこは救いかもしれないが、砂の味かもしれない。
僕も経験者だからわかる。
死にたいわけではないんだよな。
ただ、生きていたくないだけ。
君もすでに砂の味を知ってしまっている。
この先落ちたら2次元の世界かもしれないね。
その先は点の世界かもしれない。
ただ、僕は次に行くよ。
砂の味のこの世界。
唯一のスパイスは次に行く事。
その先は更に砂を噛み締めることになる。
それはわかっていても、今が耐えられない。
たとえその先がBaka Rackだとしても、もう止めることが出来ないんだ。
一度でも、この砂を噛んでしまうと。




